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専務理事 百々隆

  • 専務理事 百々隆
  • 引き続き専務理事を拝命しました百々(どど)隆です。

    平成23年3月11日の東日本大震災によって発生した福島第一発電所の事故は、わが国の原子力産業界を根底的に揺るがすものであり、このような事故を防げなかったことに対して、原子力関係の技術者の在り方が根本的に問い直され、民間の自主保安による安全性向上の一端を担ってきて原技協にとっても、その在り方の再検証が求められる事態と受けとめています。

    原子力施設を設計・建設するに当たっては、自然現象に対しても科学的なデータに基づいて条件を設定することが当然必要になってきますが、その条件は、単に法令、規格基準を満足するだけではなく、その時点で知りうる情報を包含して、技術者としてまた設置・運営する法人として、社会に対して責任を負えるべきものであるのは当然です。さらに、技術者に求められるのは、その条件設定が十分であるかを常に問い続けるとともに、仮にその条件を超える事態が発生した場合の影響についても考察を重ね、影響を最小限にする方策を模索し続けることが求められます。今般の福島第一発電所での事故は、全ての原子力関係者に深い問いかけをするものとなったと感じています。また、自然現象だけではなく、設備そのものについても、同様の謙虚な取組が求められることは言うまでもありません。

    このような要求の中で、原技協に求められるもの、役割を担えるものを考えてみると、運転経験を中心とした情報収集、国内外の智恵を体系化する規格基準整備、技術者・運営組織の求められる社会的使命の浸透を図り、また、現場においてそれを実現するに際して必要な安全文化の浸透・醸成活動、関係者が相互に学びあうピアレビュー活動、着実な設備の保全をさらに質の高いものとする技術基盤の維持・整備、すべての事業活動の前提になる人材育成、と、幅広く役割を与えられており、すべての活動において、技術者本来のあるべき姿を問い直すとともに、福島第一発電所での教訓を最大限活用して事業を見直していく必要があると考えています。

    エネルギー資源に恵まれないわが国にとって、原子力エネルギーを安全に使いこなすことが国の成立ちに不可欠であり、その一端を担う役割の重要性を自覚して、協会運営に望む所存です。皆様からの厳しいご指導・ご鞭撻を御願いします。

平成23年7月1日
専務理事 百々隆