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理事長 藤江孝夫

  • 理事長 藤江孝夫
  • 皆さまこんにちは。理事長の藤江です。

    昨年3月11日の東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所の事故(以下、福島第一事故)で、今なお不自由な避難生活を余儀なくされている多くの方々に、心からお見舞いを申し上げます。

    さて、昨年の福島第一事故は、原子力施設の安全性に対する信頼を大きく失墜させるものとなりました。このような事故を未然に防げなかったことは、原子力に携わる者として慙愧に堪えないことであり、二度とこのような事故を起こさないとの不退転の決意のもと、これまで当協会は、福島第一事故に関連する諸活動を、全ての活動に優先して取り組み、原子力産業の信頼回復に努めてまいりました。

    具体的には、事故発生の初期の段階で、当協会幹部が欧米各国等を訪問し、海外関係機関の情報不足に対する不満の払拭に努めてまいりました。7月からは電力・メーカにも参画願って産業界報告書を作成して国内外に発表、11月には原子力学会が主催する国際シンポジウムの開催を支援しました。この間、事故から得られた教訓の一つとして、緊急時対応の視点を発電所ピアレビューに反映するなど、適宜機関事業に教訓を反映しながら事業活動を展開してまいりました。
    一方、発電所の安全・安定運転への支援活動は常に重要であり、安全文化アセスメント等の自主保安活動支援業務も、これまで通り着実に実施してまいりました。

    平成24年度の事業につきましては、まだまだ不透明感のある環境ですが、当協会は、「原子力安全の確保」が総てに優先することを認識し、安全性向上に向けた取り組みに全力を挙げる所存です。

    さて、ご承知のとおり、平成24年1月に電気事業連合会が、シビアアクシデント対策を含む原子力発電所の安全確保対策をより一層強化するため、年内に独立した新組織を設立することを表明されました。
    この新組織は、当協会が掲げております「高度な安全の追求」の理念と合致するものでありますので、当協会が蓄積してきた経験と教訓が、新組織の構築に十分活用されるよう積極的に協力しているところです。  

    現在も、東京電力をはじめ多くの関係機関・関係者の皆様が、事故の収束に向けて懸命の努力を続けております。当協会としても、引き続き原子力産業界の信頼回復に全力で取り組む所存ですので、会員の皆様におかれましても、当協会の事業活動により一層のご理解をいただくとともに、今後ともご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

平成24年7月1日
理事長  藤江孝夫