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理事 成瀬喜代士

  • 理事 成瀬喜代士
  • 企画室長、技術基盤部長、技量育成部担当理事の成瀬です。

    東日本大震災により亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。また、被災された方々、福島第一原子力発電所の事故で避難されている方々に謹んでお見舞い申し上げます。

    福島第一原子力発電所の事故は原子力発電の重要性がますます増大していく中で発生しました。原子力に従事する者は改めて原子力の潜在的危険性を再認識させられました。今重要なのは、事故処理及び避難区域に対する今後の対処とこの事故を冷静に評価し技術的に何が至らなかったのかを明確にすることと考えます。いずれも、世界に誠実に発信することが世界への貢献にも繋がると考えます。

    一方でその他の原子力発電所の安全性は本当に大丈夫なのかという不安を国民が抱くことは十分理解できます。その他の原子力発電所の安全性を確認し、一層の向上に向けて活動するのが原技協の使命と考えています。

    今回の福島第一原子力発電所の事故対応を見ていても、頼みの綱は現場の人間であることがよく分かります。現場の人間が意欲的に働けるように支えることが原子力安全を確保する王道と思います。非合理的なことを押し付けたり、些細なことばかりに煩わせたりすると現場のモチベーションは下がります。現場の意欲を奪うような管理をしていなかったか、国も事業者も反省すべきと思います。

    現場ということでは、技術基盤部や技量育成部の活動は現場に直結する活動であると考えています。

    技術基盤部は発電所の保全活動の最適化に役立ちたいと考えています。電力共通技術基盤として、現場専門技術者のネットワーク活動を支援するとともに、保全活動に関わる情報ライブラリを構築して、技術基盤情報の共有を促進します。

    技量育成部は技術者の育成・維持に貢献したいと考えています。2009年4月より、運転責任者判定事業を開始しました。また民間技量認定についても現在本格運用に入っています。また、原子力発電所の現場第一線の技術者を念頭に能力の維持・向上を図るため2008年度に創設した原子力アカデミーについては今後も、プログラムを充実させていく考えです。

    このような活動を通じて、原子力施設の現場の人達が意欲を持って働けるようにしていきたいと思います。そのことが高度な安全性の追求に繋がっていきます。

    皆様方の変わらぬご支援とご協力を切にお願いいたします。

平成24年7月1日
企画室長兼技術基盤部長 成瀬喜代士