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理事 伊藤裕之

  • 理事 伊藤裕之
  • 規格基準部長の伊藤裕之です。

    福島第一原子力発電所の事故による放射性物質の放出にともない、現在も避難を余儀なくされている方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。また、原子力産業界として、事故を防ぎ得なかったことの反省に立ち、このような事故を二度と起こさないとの決意のもと、原子力の安全を高め、日本のみならず世界に発信していくことが必要であり、原技協もその責務の一端を果たしていきたいと考えます。

    今回の福島第一事故の教訓として、シビアアクシデント対策の強化、防災対策の強化が急務となっています。
    原技協の規格基準部は、わが国最高の知見が集まる、日本機械学会、日本原子力学会、日本電気協会の3学協会において、津波PRA(確率論的リスク評価)実施基準の新規制定や、シビアアクシデント関連の規格を策定すべく支援を行ってきました。また、この事故を踏まえ、どのような民間規格を整備していくべきかを検討する3学協会の協議会に参画して、学協会間の役割分担も考慮した計画案を作成しました。この計画案はブラッシュアップを図りつつ、各学協会での検討が行われています。このような更なる原子力安全の向上に向けた学協会の活動に対し、引き続き支援を行ってまいります。
    規格基準を策定するための技術は、福島の復興にも役立つと考え、たとえば、放射性廃棄物の埋設処分に関する知見を、福島の除染土の仮置施設に使えないか検討し、学会を通して福島の皆様にお伝えするなどの活動も行なっています。
    また、この技術を原子力発電所の安全レベルの向上に、大いに活用していきたいと考えています。このような観点から、原技協独自の自主ガイドラインの策定を一層強化し、炉内構造物の点検評価、予防保全・補修工法に関するガイドラインの制定・改定や、電気品等機器の管理、原子力防災訓練などのガイドラインの作成を進めていきます。

    原技協は、福島第一事故からの教訓を基に、原子力産業界の立場から原子力安全の更なる向上を図り、社会の信頼を回復すべく努力してまいりたいと思いますので、会員はじめ関係者の皆様のご指導、ご支援の程よろしくお願い致します。

平成24年7月1日
規格基準部長 伊藤裕之