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日立造船(株)有明機械工場(日立造船D&E(株))に対する
相互評価(ピアレビュー)報告書について

2003年7月14日
N S ネ ッ ト

 

 NSネットでは、第31回の相互評価(ピアレビュー)を日立造船(株)有明機械工場(日立造船D&E(株))において実施しました。その概要は以下のとおりです。

1.対象事業所(所在地)

 日立造船(株)有明機械工場(日立造船D&E(株))(熊本県玉名郡長洲町)

 

 

2.実施日

 2003年5月20日(火)〜22日(木)



3.事業所の概要及びレビュー対象

 日立造船では、1956年に原子力船の開発に着手して以来、原子力関連機器・設備の設計製造に取り組んできている。特に使用済燃料輸送容器の分野では1978年に国産初のHZ-75Tキャスクを納入して以来、軽水炉燃料輸送用に41基を国内外に納入している。近年では、国内、米国向けに160基以上の使用済燃料貯蔵容器・キャニスターを納入している。また、本事業所では、ディーゼル機関を中心とした原動機の設計製造もあわせて行っている。
 本レビューでは、同事業所における使用済燃料輸送・貯蔵容器の設計・製造に係る安全推進活動を対象とした。

 


4.レビューチームの構成およびレビューの方法

 Aグループ

:東北電力(株)、(株)グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン
(レビュー分野:組織・運営、教育・訓練)

 Bグループ
 

:富士電機(株)、NSネット事務局
(レビュー分野:設計・製造、重要課題対応)

 レビュー方法

:上記分野について、現場観察、関係者との面談および書類確認


日立造船(株)有明機械工場
(日立造船D&E(株))全景

レビュー状況(書類確認)

 


5.レビュー結果

(1)主な結論

  • 今回の日立造船(株)に対するレビュー結果を総括すると、原子力安全の面で、直ちに改善を施さなければ重大な事故の発生に繋がるような項目は見出されなかった。
  • レビューを通じて、顧客の要求品質を満足するキャスクを安全かつ合理的に製作するという意識を根付かせ、実践するための事業所全体に亘る継続的な活動として、OHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)活動*1、TPM活動*2及びISO9001(品質マネジメントシステム)活動を取り入れ、従業員が一丸となって取り組んでいることが確認された。
  • 企業倫理については、1990年12月に日立造船の「企業理念・経営姿勢・行動規範」を制定後、1998年9月に12項目からなる「企業倫理遵守キーワード」(2003年4月に「Hitz倫理行動憲章」と名称変更)を制定し、これをカード化して全社員に配布するとともに、講演会、新入社員教育等を通じて徹底を図っていることが確認された。
  • 今後、日立造船(株)は、現状に満足することなく、なお一層の安全文化の向上を目指して更なる自主努力を継続していくことが望まれる。
  • また、今回のレビューで得られた成果が、現場作業に関係する協力会社に対しても展開されることが期待される。

(2)良好事例及び改善提案

 今回のレビューにおいて、NSネットの他の会員さらには原子力産業界に広く紹介されるべきいくつかの良好事例を見出した。一方、日立造船(株)における安全文化の更なる向上に役立つものとしていくつかの提案を行った。
 良好事例*3と改善提案*4 の一覧は次のとおり。

 ○「良好事例」

レビュー分野

 

良好事例の概要

 

組織・運営

TPM活動による積極的な改善活動の実施
・PDCA実行計画を活用した品質目標の徹底
・「トラブルの顕在化」をキーワードとした企業風土作りの徹底
現場における問題点抽出の工夫によるモラルの向上
・工夫された「顧客満足度調査票」の活用による顧客満足度向上への取り組み

教育・訓練

特になし

設計・製造

設計技術者資格付に基づく担当者の作業配置
検図チェックシートを活用した設計図書の確実な確認
・製造技術のポイント解説シートの現場での活用
・「原子力工程会議」による確実な製品の作り込み

重要課題対応

3Mパトロールによる安全規則の遵守徹底
「実験朝礼」によるヒヤリハット事例の周知
・OHSAS18001手法を用いた体系的な危険源の 低減活動
不適合発生原因の4M分析法による多面的評価の実施

 

 

注)太字は代表的な良好事例


 ○「改善提案」

レビュー分野

 

改善提案の概要

 

組織・運営

・安全パトロールの効果的な実施

教育・訓練

事業所全体を対象とした倫理教育の毎年の実施

設計・製造

有資格者リストの現場表示

重要課題対応

「緊急時連絡体制表」の現場掲示

 

 

6.相互評価報告書
  相互評価報告書本文及び参考図は、こちらをご覧下さい。
  ●相互評価報告書本文(PDF形式:118KByte)
  ●参考図

7.その他
 熊本大学教授の吉田道雄氏がオブザーバーとして参加。集団力学の専門家の目でレビューを確認。(オブザーバーのご意見・ご感想の取りまとめ結果は、別途NSネットのホームページにて公表しています。)

以 上


 

*1 OHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)活動
 Occupational Health and Safety Assessment Series/OHSAS18001 は労働安全衛生マネジメントシステムの規格で、この規格は企業に求められている安全と衛生に関する義務を効率よく遵守するために開発されたもの。
*2 TPM 活動
 Total Productive Maintenance/「全員参加の生産保全」の略称。 生産システム効率化の極限追求 (総合的効率化) をする企業体質づくり を目標にして生産システムのライフサイクル全体を対象とした "災害ゼロ・不良ゼロ・故障ゼロ" などあらゆるロスを未然防止する仕組みを現場現物で構築し生産部門をはじめ、開発・営業・管理などのあらゆる部門にわたってトップから第一線従業員にいたるまで全員が参加し重複小集団活動により、ロス・ゼロを達成する活動。(社団法人日本プラントメンテナンス協会による)
*3 良好事例
 当該事業所の安全確保活動のうち、的確かつ効果的で独自性のある手法を取り入れている事例であって、NSネットの会員さらには原子力産業界に広く伝えたい、優れた事例を示したもの。
*4 改善提案
 原子力の安全性を最高水準へと目指す視点から、原子力産業界でのベストプラクティスに照らして、当該事業所の安全確保活動をさらに向上・改善させるための提案などを示したもの。そのため、現状の活動が原子力産業界の一般的な水準以上であっても、改善提案の対象として取り上げる場合がある。

 

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