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富士電機(株)東京地区に対する
相互評価(ピアレビュー)報告書について

2002年12月26日
N S ネ ッ ト

 NSネットでは、2002年11月20日から11月22日までの3日間にわたり、富士電機(株)東京地区に対して相互評価(ピアレビュー)を実施しました。その概要は、以下のとおりです。

1.対象事業所(所在地)

 富士電機鞄結梺n区[原子力・放射線事業部及び東京システム製作所](東京都日野市)


2.事業所の概要及びレビュー対象

 富士電機(株)では、1956年に原子力の開発に着手して以来、国内初の原子力発電所である東海発電所のメインコントラクタとして原子炉本体等主要機器の設計、製作及び据付を行うとともに、保守点検の実績を踏まえ、引き続き廃止措置に取り組んできている。また、東海炉の経験を生かした新型炉の開発及び原子燃料サイクル分野での技術開発に取り組んでいる。一方、放射線検出器・測定器の分野については、戦前からの歴史があり、この技術を基盤として、原子力の開発初期から放射線監視盤等の開発に取り組み、国内すべての原子力発電所、再処理施設、研究施設等に納入実績をもっている。最近は、電子式線量計等の開発を行い、計算機と組み合わせた新被ばく管理システムを納入している。

これらの事業の中で、東京地区では放射線監視設備等について設計・製造を行っている。東京システム製作所は「知識集約型の生産拠点」として、事業部ごとに生産体制を一元化し、最適な生産体制を構築しているが、本レビューでは、東京地区における原子力事業の安全推進活動を対象とした。

 



3.レビューチームの構成およびレビューの方法

 Aグループ

:中部電力(株),三菱原子燃料(株)
(レビュー分野:組織・運営、重要課題対応)

 Bグループ
 

:核燃料サイクル開発機構,NSネット事務局
(レビュー分野:教育・訓練、設計・製造)

 レビュー方法

:上記分野について、現場観察、関係者との面談および書類確認


富士電機(株) 東京システム製作所

現場観察状況


4.レビュー結果

(1)主な結論

  • 今回の富士電機(株)東京地区に対するレビュー結果を総括すると、原子力安全の面で直ちに改善措置を施さなければならないような事項は見られなかった。
  • 富士電機では、経営方針の一つとして「独創的な技術と心のこもったサービスで、顧客の期待に応え、最大の満足を提供します」を受け、活動方針、スローガンを掲げ、重点施策及び原子力安全にかかわるパフォーマンス目標を定めて努力している。
  • 安全文化に関しては、わが国の原子力産業におけるパイオニアであるとの自覚のもと、原子力利用の重要性及び放射線の特性を十分認識した上で、信頼性の高い製品を納めることが原子力安全に貢献することにつながるとの意識が担当者まで確実に浸透し、協力会社を含めて諸活動へ取り組んでいる。
  • 企業倫理に関しては、企業行動憲章を制定し、それを解説した小冊子、携帯カード等により、担当者まで徹底されていることが確認できた。今般の東電問題を機に、今後更なる倫理の徹底を図るため、倫理プログラムの展開を検討、実施していく計画であることを確認した。
  • 教育面では、製造部門における重要基本作業の資格認定や「技能五輪」への積極的な参加等、製造現場における技能者全体のレベルアップを図っている。
  • また、数多くの協力会社と協調して業務を行っている中で、高い主導性をもって的確に協力会社各社の品質活動の評価を行い、細やかな指導と表彰制度により、充実した品質向上活動を行っている。
  • 本事業所は、現状に満足することなく、なお一層の安全文化の向上を目指して更なる自主努力を継続していくことが望まれる。
  • 今回のレビューで得られた成果が、本事業所だけでなく、関係会社及び協力会社に対しても展開されることが期待される。

(2)良好事例及び改善提案

 今回のレビューにおいて、NSネットの他の会員さらには原子力産業界に広く紹介されるべきいくつかの良好事例を見出した。一方、本事業所の安全文化をさらに向上させるためのいくつかの提案を行った。
 良好事例*1と改善提案*2 の一覧は次のとおり。

 ○「良好事例」

レビュー分野

良好事例の概要

T 組織・運営

・放射線事業部門のイントラネットによる情報共有化
・「富士電機版プロジェクトX」作成による社員のモチベーション高揚と効果的なリーダーシップ
「原子力HQRニュース」への全員参加による品質意識の啓発

U 教育・訓練

・「技術マップ」による個人毎の習熟度及び資格等の管理
・「技能五輪」への参加による技能者全般のレベルアップ
重要基本作業認定の徹底による製造工程での品質の維持
・設計ノウハウの集約と設計技術伝承への活用

V 設計・製造

ポルフ活動による職場における改善の定量評価と製造体質の強化
・職場内ローテーション等の実施による多能工化を目指した技能レベルのアップ
・法定外RIの厳正な管理

W 重要課題対応

協力会社へのきめ細やかな品質管理指導
・ヒヤリハット提案活動における工夫された報告シートの活用
・トラブル発生時、品質情報管理システム(QICS)によるトラブル情報の伝達のオンライン化・一元化と対応の迅速化

注)太字は代表的な良好事例


 ○「改善提案」

レビュー分野

改善提案の概要

T 組織・運営

放射線、測定技術等に関する積極的広報活動の実施

U 教育・訓練

社内協力会社員との倫理教育の共有化

W 重要課題対応

「災害ポテンシャル排除の取り組み」の更なる高度化

5.相互評価報告書
  相互評価報告書本文及び参考図は、こちらをご覧下さい。
  ●相互評価報告書本文(PDF形式:194KByte)
  ●参考図

 

6.その他
 消費生活アドバイザーである碧海酉癸氏がオブザーバーとして参加を実施。(オブザーバーのご意見・ご感想の取りまとめ結果は、別途NSネットのホームページにて公表しています。)

以 上


*1良好事例
 当該事業所の安全確保活動のうち、的確かつ効果的で独自性のある手法を取り入れている事例であって、NSネットの会員さらには原子力産業界に広く伝えたい、優れた事例を示したもの。
*2改善提案
 原子力の安全性を最高水準へと目指す視点から、原子力産業界でのベストプラクティスに照らして、当該事業所の安全確保活動をさらに向上・改善させるための提案などを示したもの。そのため、現状の活動が原子力産業界の一般的な水準以上であっても、改善提案の対象として取り上げる場合がある。

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