WWW.GENGIKYO.JP 
メールでのご意見・お問い合わせはこちらへどうぞ
当サイトのサイトマップです
English version
有限責任中間法人 日本原子力技術協会  
HOME 協会の御紹介 活動状況 関連情報 問い合わせ先  
活動状況 相互評価(ピアレビュー)
全体
情報・分析
NSネット
規格基準
技術基盤


 Contents
理事部長
    メッセージ
   
活動内容紹介
ピア・レビュー
安全
    キャラバン
セミナー
NSネット
      ニュース

 

2002年12月26日

第27回相互評価(ピアレビュー)活動に対する
第三者オブザーバーのご意見・ご感想について

 2002年11月20日から22日の間で富士電機(株)東京地区(東京都日野市)に対して実施した第27回ピアレビューにおいて、NSネットの会員外から消費生活アドバイザーである碧海酉癸氏に二日間(11月20日及び21日)にわたりオブザーバー参加頂きました。その際のご意見・ご感想が以下の通り取りまとめられましたので、ご紹介致します。


1.はじめに
 私は消費生活アドバイザーである。消費生活アドバイザーというのは、経済産業省が国として認定している資格で、役割としては企業と消費者とのパイプ役、行政と市民とのパイプ役、専門家と素人とのパイプ役である。従って、私は専門家の立場ではない。


2.今回のピアレビューについての感想


オープニングを確認する
オブザーバー(右端)

 

 

 大変きれいな工場で、環境の良い所で、参考になるレビューに参加して、有意義な時間を過ごすことができた。

(1)オープニングについて
 オープニングが儀式的で時間的にもったいない。もう少し簡潔にしてもよかったのではないかと思う。勿論、グループ毎にレビューの内容が違うので、最初の説明はある程度は必要だとは思うが、グループのレビューのところでまた出てきてダブる。オープニングは今回のレビューはこういうメンバーでやるのだという顔合せ程度にして挨拶も簡単でよいと思う。

 

 

 


書類確認の状況を確認する
オブザーバー(右奥)

 

 

 

(2)書類確認について
  書類のレビューではなかなか有益な議論が行われたと思う。
 製品の安全性に関して、顧客のニーズや満足度を富士電機さんがフィードバックしてどう活かしているのかについて質疑がいろいろあったが、あの部分は非常に有効だったと思うし、レビューで一番印象に残った。私達と機械との関わりは、例えば、発電所で計測器を通る一般見学者の立場で利用する場合もあるし、小さな計測器を自分で使う場合もある。発注先ではない、使う一般市民としてのニーズや満足度があるはずだ。つまり、その機械がどのくらい使い易いか、表示がどうなっているか、大きな計測器であればデザインとか色等が気になる時もある。おそらくそういうものを設置している施設であっても、利用者のニーズを十分に把握していないのではと日頃感じているので。ニーズをどのくらいフィードバックできるかが重要だ。何かあった時にはそういうことが問題になるのではないかなと思う。二通りの顧客(発注先と使う人)のニーズや満足度をシステマティックにどうフィードバックするかが重要なことだなと、オブザーバーとして感じた。
 気になったこともある。書類確認でパソコンを使った説明をしていたが、もう少し効果的な使い方があるのではないかと思われる場合があった。パワーポイントは書類の説明と連動した使い方にした方がよかったと思う。書類の整備や会場の設定で書類のチェックがやりにくい等レビューの技術的な問題があり、もう少し工夫があった方が良いと思った。
 また、原子力HQRニュース の発行について、"HQRニュースを37号まで出している、アクセスが相当ある"ということで終わらないで、もう少し突っ込んで聞いて頂きたかったと思う。そういうニュースを出していることは分かるが、90%の人が見ているにしても本当に効果が発揮されているか、問題があるとすればどこに問題がありそうなのかがつかめないことが気になった。私の関心事は広報なのでなおさら気になった。安全がらみで社内向けに印刷物を出しているとかカードを配っているとか説明があったが、今の時代に社員が皆そういうものをちゃんと読むのかなと思った。レビューのやり方として広報の立場の人が入るのも意味があるかもしれない。


面談の状況を確認する
オブザーバー(右奥)

(3)面談について
 事業部長/副事業部長のようなトップとの面談は、スケジュールとしてはもっと前にもっていった方がいいと思う。というのは、書類確認で、企業理念等トップに伺った方がよいところがかなりあったので、その部分を前の方で聞いておいて、富士電機という会社の企業風土や企業理念を実感的に捉えておいた方がよいと思った。
 具体的には、初日レビューの後半に、地元への体育館の開放の話が出たところで、放射性物質を扱っていることについて地元へ何らかの情報提供をしているかについて質問があり、かなりの議論があった。あそこは大事なことだと思う。自分は広報が専門であるので、なおさら関心があった。事業部長/副事業部長との面談で、もう少し突っ込んだ議論があってもよかったのではないかと思う。ホスト側がどう感じたかは分からないが、あそこはかなり重要なところだったと思う。


現場観察状況を確認するオブザーバー
(左から二人目)

 

(4)現場確認について
 教育訓練室や製品を製造している所を見たが、どちらも共通して、大変さが良く分かった。その中で、"ポルフ"がどこでも目に入り、有効に機能していることを感じた。おそらく、レビューアの方もここをよく見られたと思う。
 特に、工場で関心があったのは、自己完結型の生産方式のところとGM管を製作したり検査したりする特殊技能を持った方の仕事であった。レビューアからも技術伝承について関連する質問が出ていて、私も同感だった。自己完結型の生産方式はメリット、デメリットの両方があると思うが、一人の仕事であるだけに精神面や健康面、安全に関わるものに対する配慮がどのくらいされるのかが気になった。そういう対策はいろいろとされているとは思うが、そのあたりをもう少し伺えたらなと思った。

3.全体を通しての感想

(1) ピアレビューについての意見
 NSネットがピアレビューを続けていく上で一番心を遣わなければならないことは、"ピアレビューは決して上下の関係、あるいは仕事上での発注先と受注側の関係ではない"ということで、そのことはどんなに考えても考え過ぎということはない。ピアレビューはまさにピアレビューであって、お互いの立場は原子力の安全という共通のテーマに対して全く対等だということを、ピアレビューを実施する時の確認事項としていつも考えて頂きたい。結局、ピアレビューが成功するかどうかは、本当の信頼関係や共通意識がどれだけ活かされるかにかかっていると思う。

(2) 女性の参加
 現場に行くと女性の職員もいて、電子部品の組立て資格に特級の方も一人いたようだが、全体として技能取得者が少ない。女性の立場に立って考えることも必要だろう。製品を作る職場でもっと女性を増やしてもいいのではないか。また、レビューアに女性を入れてもいいのではないか。関係者が集まったこの場にも女性がいないが、男女共同参画社会なので是非、いろいろな場で女性の比率を高めて欲しい。

 

4.オブザーバー:碧海酉癸氏

(1) 参加ピアレビュー(場所)
    第27回ピアレビュー(東京都日野市)

(2) 参加スケジュール
    2002年11月20日から22日のレビュー期間中のうち、20日及び21日の二日間

(3) プロフィール

  ・職   業:消費生活アドバイザー

  ・主なご経歴: 東京大学文学部卒業
           ラジオ東京(現TBS)元ディレクター
           Women's Energy Network(略称WEN)前代表
           元東京電力嘱託・ハウス食品嘱託

  ・公   職: 日本原子力産業会議理事
          主婦会館評議員
          エネルギー環境特別委員会委員
          日本乳業協会理事
          原子力委員会放射線利用専門部会専門委員
          原子力委員会市民参加懇談会専門委員
          核燃料サイクル情報公開委員会委員
          NSネット評議員
          東京都食品保健懇話会委員

以上



 

 



【用語解説】 

・原子力HQR(High Quality and Reliability)ニュース:原子力関係者に役立つ品質関連情報の提供とケアレスミス零活動の一助とすることを目的に富士電機原子力部門において編集発行している。ニュースは電子メールにより事業部内だけでなく各現地事務所にも配信されている。

・ポルフ(PPORF:Practical Program of Revolutions in Factories):工場革新のための実践プログラムであり、富士電機ではこれを取り入れ、職場の整理整頓、作業改善、作業規律、能率管理など20項目の実行指針を組み合わせ、テーマ達成に向けて小集団による改善活動を行い、成果をあげている。ポルフ活動の特徴は、改善の内容を評価基準のもとに定量化し、世界トップレベルの製造体質構築に向けた活動を行うことである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[↑]PageTop

HOME協会のご紹介活動状況設備稼働状況関連情報ご意見・ご質問

Copyright © 2005 Japan Nuclear Technology Institute, All Rights Reserved.