WWW.GENGIKYO.JP 
メールでのご意見・お問い合わせはこちらへどうぞ
当サイトのサイトマップです
English version
有限責任中間法人 日本原子力技術協会  
HOME 協会の御紹介 活動状況 関連情報 問い合わせ先  
活動状況
三菱重工業株式会社神戸造船所にて
第115回安全キャラバンを実施
全体
情報・分析
NSネット
規格基準
技術基盤


 Contents
理事部長
    メッセージ
   
活動内容紹介
ピア・レビュー
安全
    キャラバン
セミナー
NSネット
      ニュース

 

 平成21年11月27日、神戸市兵庫区和田崎町にある三菱重工業(株)神戸造船所において、第115回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

安全講演会の様子

 安全講演会には、三菱重工業(株)神戸造船所の社員及び協力会社の社員81名が出席されました。

 講演会の冒頭、三菱重工業(株)神戸造船所(所長) 正森 滋郎様から、

 おはようございます。最初に、日本原子力技術協会殿に対しまして、安全キャラバンの講演会並びにグループ討議を主催して頂いたことに感謝申し上げます。 そして、本日はご多忙中にも関わらず、大阪大学コミュニケーションデザイン・センターより八木先生にお越し頂き、誠に有難うございます。 八木先生には午前の部にて「コミュニケーションから考えるヒューマンファクター」のご講演、午後の部にてコミュニケーション不足や思い込みによるヒューマンエラーについて、当所の設計・製造・建設・アフターサービス・QA・QCのメンバーとのグループ討議を行って頂けるということでございまして、神戸造船所所員にとりましてヒューマンエラーについてじっくり考える良い機会を与えて頂けたと考えております。 当所は、原子力発電プラントの設計・製作・品質管理・建設・アフターサービスを一貫して実施しており、特に初めての工事、久しぶりに行う工事、従来から大きく変更のある工事につきましては、入念なトレーニング等を行うとともに指示や確認を確実に行うなどのコミュニケーションを推進して不適合未然防止活動に取り組んでおります。当所では、11月の品質月間に品質向上に向けた活動を行ってきましたが、本日の安全キャラバンは品質月間の締めくくりにふさわしいイベントであると考えております。講演会・グループ討議を通じ、当所の原子力安全向上活動をさらに充実させていきたいと考えております。 八木先生、日本原子力技術協会の皆様、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

とのご挨拶をいただきました。

 ご挨拶の後、大阪大学 コミュニケーションデザイン・センター 八木絵香 様 から「コミュニケーションから考えるヒューマンファクター」と題してご講演いただきました。

講演では、

 大阪大学 コミュニケーションデザイン・センター 
八木絵香 様

 ヒューマンエラーを低減するためにコミュニケーションが大事だと言われている。
上司と部下、もしくは同僚同士の個人対個人のコミュニケーションだけでなく、グループや組織におけるコミュニケーション、さらには組織と社会とのコミュニケーションを良好に保つことが、事故やトラブルの一つの原因であるヒューマンエラー低減の要となる。
円滑なコミュニケーションを図るためには、「人と人とは異文化である」ということを念頭に置き、相手の価値観や文脈が様々であることを前提とすることが必要になる。
また、オープンエンドの質問を活用し、反論は保留して理解を先行させるなど、聞くための技術を身につけることも重要である。
ヒューマンエラーの原因の一つとして挙げられるルール違反を低減させるためにも、コミュニケーションは必要である。ルールが作られた経緯を伝えるKnow Why教育を行ったり、安全も含め全てのルール遵守を徹底させたり、ルール自体を見直すことが重要となる。
また、安全成績の良い企業には、コミュニケーションに関連したいくつかの共通点があり、これを参考にすることも有効である。
特に、トップダウンのポイントとして、トップの安全に対する熱意の伝達や、責任の所在の明確化、目に見える安全第一の実行、現場の管理職をキーマンとすることが挙げられる。   また、ボトムアップのポイントとしては、見本・活動モデルの提示、簡単・効率的な方法の採用、提案へのフィードバックの実施、現場特性に合わせた主体的活動の実施、必要性・メリットの提示、手を変え、品を変えての活動が挙げられる。 
ヒューマンエラー低減の対策として、定期的に安全を測るということも重要である。
例えば、安全に関するいくつかの評価軸からなるアンケート調査により、自社の安全度を定期的に評価できることに加え、組織の安全に対する意識・関心を高める効果も期待できる。
最後に、事故・トラブルの基準を変えるということを考えることも重要である。
人は、欲求が満たされるとさらに欲求が増大し、多様化する。また、技術観や安全観は時代によって変化する。
すなわち、安全かどうかは、技術的に数値で決まるというより、社会によって決まる側面が強く、今後この傾向はますます強くなると思われる。
したがって、社会とのコミュニケーション、一般の人と科学技術との間でコミュニケーションを行うことが、最終的には事故・トラブルを防ぐことにつながると言える。

との貴重なお話をいただきました。

講演会終了後のアンケートでは、

● 我々の日頃の活動を見直す良い機会になりました。 活動を充実させるのに有効です。
● 改めてどの様に対処すべきかを再認識できた。第三者的に振り返ることにより、  現在も再発防止ができているか確認できた。
● ヒューマンエラーについて1日じっくり考える機会を与えて頂けたと考えます。
● コミュニケーションのやり方次第で防げる不適合や事故が多くあるので、 コミュニケーションの重要性を再認識した。コミュニケーションとは聴く事という言葉は印象的でした。
● 基本的なコミュニケーションの取り方等理解できた。

などのご意見 ・ご感想をいただきました。

安全情報交換会

安全情報交換会の様子

 安全情報交換会では、今回の安全キャラバンを実施する前に、今までに三菱重工業神戸造船所殿で「コミュニケーション不足によるヒューマンエラー」「思い込みによるヒューマンエラー」の実事例に基づき、講師殿・三菱重工業殿関係者・原技協関係者を交えて意見交換会を実施しました。

以 上

[↑]PageTop

HOME協会のご紹介活動状況設備稼働状況関連情報ご意見・ご質問

Copyright © 2005 Japan Nuclear Technology Institute, All Rights Reserved.