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住友金属鉱山(株)エネルギー・触媒・建材事業部技術センターにて
第113回安全キャラバンを実施
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 平成21年9月18日、茨城県東海村にある住友金属鉱山(株)エネルギー・触媒・建材事業部技術センターにおいて、第113回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

安全講演会の様子

 住友金属鉱山(株)エネルギー・触媒・建材事業部技術センターの社員、および協力会社の社員30名が出席されました。

 講演会の冒頭、エネルギー・触媒・建材事業部技術センター長 林 桂一様から、

 「皆さんも自覚していることと思うが、事業所の環境を明るく、そして安全に今後も維持していくためにはどうすればいいのか、日々悩んでいる。
我々は、将来廃棄処分となる設備の維持管理がメインの業務となっており、皆さんの仕事に対するモチベーションを高めていくもその一つである。
我々も歳をとり、若い頃とは違った仕事のやり方や見方をするようになった。10年、20年でリタイヤしていく中、安全かつ効率よく仕事をやっていくためには、心の持ち様、気持ちの持ち様が非常に大切なものになる。
このため当技術センターにおける4回目の安全キャラバンの講演に際して、どのようなものが我々に役に立つのか、NSネット事業部の方々にいろいろと相談したところ、熊本大学の吉田先生をご紹介いただいた。そして「職場の安全とモチベーション −働く意欲の社会心理学−」の講演をしていただく機会を賜った。

 非常に興味深い内容であるので、皆さん、静聴して日常の業務に活かしていただきたくよろしくお願いする。」

とのご挨拶をいただきました。

 ご挨拶の後、熊本大学教授 吉田 道雄様から「職場の安全とモチベーション -働く意欲の社会心理学−」と題してご講演いただきました。

講演では、

  熊本大学教授 吉田 道雄様

◆ 私は集団との関わりを通して人間の行動を考える「グループ・ダイナミックス(集団力学)」を研究している。これは一般的には「社会心理学」に近いものと考えていただくといい。私たち人間は、生まれてから死ぬまで集団の中で生きており、いつも集団と関わり続けている。そのことをしっかり押さえて人間を理解していくことが大切である。
◆ 先日、ノルウェーのオスロで学会があり、数日間滞在した。その際に、歩きタバコとポイ捨てが目についた。ノルウェーでは公共施設内での喫煙が法律で禁じられているため、結果として戸外や路上での喫煙が多いのだろうと思った。われわれは規則や決まりがあれば、罰を受けないためにそれにしたがう。その一方で、咎められなければ好ましくないことでもしてしまう。つまりは、心というか倫理感が必要なのである。日本でも、路上喫煙の禁止や列車の禁煙車導入などで、そうした場所で喫煙する人は皆無に近くなった。しかし、これが当たり前のようになるまでには相当な時間を要した。人間の習慣的行動を変えるのは容易ではない。それを踏まえた上で、諦めずに焦らず働きかけを続けていくことが必要だ。その結果として、いつの日か「気付いてみたら変わっていた」と感動することができるものである。
◆ 組織が10年〜20年のうちにクローズする場合にどんな取り組みをするか。その一つは、「あそこをご覧なさい。あんなに上手く仕事を整理してきちんと終わりを迎えた。組織のクロージングとして見事なまとめ方だなあ」と言われるようなモデルになることだと思う。まさに歴史に残すような終焉の仕方をするという意気込みで目標を定め、「有終の美」を飾る取り組み方を目指したい。
◆ 人と人とのコミュニケーションはむずかしい。とくに、「言葉」はきわめて曖昧なものだと考えていた方がいい。例えば、「犬」という言葉でも、具体的に思い浮かべるイメージは人によって異なっている。だからこそ、会話を通じてお互いに言葉の意味を確認し合うことが重要になる。そして、自分の言いたいことが簡単に相手に通じるとは思い込まない方がいい。ともあれ、自分の常識を他人に押しつけているとコミュニケーションはうまくいかない。また、コミュニケーションの成否には人間関係が重要な鍵を握っている。お互いに良好な人間関係を築いていれば、不完全な情報でもそれなりに伝わる。その一方で、関係がまずいと、情報がどんなに十分なものであっても上手く伝わらないのである。
◆ ものの見方次第で生活や仕事の生きがいも違って感じられる。とくに「小は大を兼ねる」という視点が大事だと思っている。たとえば対人関係においても、お互いに小さなことを認め合って評価することが大きな信頼感に繋がるのである。また、自分たちの仕事に満足できるような「自己満足力」も必要だ。「みんなで物事を前向きに考える」「自分たちの行動に意味付けをし、その成果に満足する」。こうした力を身に付けることで、仕事に対する意欲が高まり、それが組織全体の安全にも貢献することになる。

との貴重なお話をいただきました。

講演会終了後のアンケートでは、

● 当所の状況に合わせて、職場のモチベーションの保ち方、コミュニケーションの取り方を楽しく講演いただきありがとうございます。
● 小さなことに感動し、コミュニケーションを取っていくように心掛けたいと思います。
● 意欲を失いがちな状況での意識の持ち方について、面白く解説していただけたと思います。
● 本日の講演を聞いて、自分のこれからの生き方など先生の例え話が非常に良くて、大変勉強になりました。今後に活かしていきたいと思います。
● 物事の考え方が大事でそれによって自分自身の気分が良くなったり悪くなったりする事で、やる気につながるので考え方が大切である事を知った。
● 日々の仕事や生活の中から、価値ややりがいを見つける方法をご自身の体験の中から解りやすくご説明いただけた。特に「自己満足力」という言葉は初めて耳にしたが、非常に印象に残る言葉であり、現在の業務をより、やりがいのあるものと感じられるような「自己満足力」を鍛えていきたいと思う。

などのご意見 ・ご感想をいただきました。

安全情報交換会

安全情報交換会の様子

 安全情報交換会では、住友金属鉱山(株)からご要望のあった「小規模組織での原子力施設管理における安全文化とは」をテーマとして、熊本大学教授 吉田 道雄様を交えて意見の交換を行いました。

以 上

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