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九州電力株式会社にて
第109回安全キャラバンを実施
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 平成20年11月12日、佐賀県東松浦郡玄海町にある九州電力(株)玄海原子力発電所において、第109回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

安全講演会の様子

 九州電力(株)玄海原子力発電所の社員および協力会社の社員108名が出席されました。

 講演会の冒頭、玄海原子力発電所第二所長 中田 真一郎 様から、出席者に対し「ここにいる皆さまは、九州電力社員に限らず、協力会社の皆様とともに個人あるいは組織レベルで一体感を持って、風通しのよい働きやすい安全な現場を目指して、安全文化の醸成に取り組んでいただいております。しかし実際の業務では誤記、転記ミスのようなエラーから、発電所を停止することとなってしまうエラーなど、さまざまなものが発生し、それらを根絶させることが非常に難しいこともあわせて認識しています。本日は、安全を専門としている立場の先生から直接お話を聞くことができる貴重な時間です。単に「先生の講演を聞く」ではなく、日頃の皆さまご自身の行動を振り返りながらお話しを聞くことで、今後の活動に役立てて下さい。」とのご挨拶を頂きました。

 ご挨拶の後、(株)社会安全研究所 取締役副所長 首藤 由紀 様より「安全文化とは何だろうか? 〜ヒューマンエラー防止に向けた安全文化の構築〜」と題してご講演頂きました。

 

講演では、

  (株)社会安全研究所 取締役副所長
首藤 由紀 様

●組織の「安全文化」は、チェルノブイリ事故を契機にその重要性が指摘されるようになった。しかし、その「安全を何よりも重要なものとする」という考え方は、「経済性・生産性・効率」と「安全性」が互いに相反する価値であると位置づけ、安全を無視して経済性などを優先させてしまわないようにすることが必要だと言っているように思われる。このため、実際に原子力発電所などの現場で働く人々は、「現場はいつも安全第一に考えている」「安全より効率を優先するなんて、現場ではあり得ない」と感じ、「安全文化」の重要性は理解しながらも、自分たちが実際に何をどうすればよいのかの具体策がわからずに困惑していることが多い。

●こうした現場の声に耳を傾けると、「本当に、経済性や効率と安全性は相克する価値観なのだろうか?」という素朴な疑問が浮かび上がる。そこで、過去の事故事例のうち特に「組織の安全文化」が問題となった事例を詳しく分析してみると、その経過では必ずしも「安全よりも経済性」という判断が行われていたわけではないことが判明した。それよりも、「決められたことが徐々に守られなくなっていく」という「逸脱の常態化」が事故を引き起こす原因となっているのである。

●「決められたことを守らない」という人間の行動は、人間のエラーの中では「違反」に分類され、エラー分類の中では比較的新しい概念である。近年になってその対策の重要性が広く認識されるようになってきたが、その対策は非常に難しく、様々な分野で取組みが行われてはいるものの、その体系的整理や手法などが確立しているわけではない。

●そこで、航空産業・化学産業などで実際に行われている取組み事例を、いくつか具体的に紹介する。その上で、取組み方法の案として紹介する、(1)「良いルール」をつくる、(2)ルールを周知・徹底する、(3)遵守状況を常に確認する、(4)遵守状況を評価し適切に賞罰を与える、という4つのステップの考え方を参考に、「守ることが楽しい」と思って仕事をする環境づくりを目指していただきたい。

との貴重なお話を頂きました。

 

講演会終了後のアンケートでは、

●自然と身につくお作法が、とても参考になった。安全とは、結局、自分自身に帰って来る事であると思います。
●「違反を防ぐルール、ステップ 1〜4」プラス遊び心、お茶目心、今後の課題としたい。
●「我々、原子力発電所で働く者は、特に“安全第一”を念頭において仕事をしている」と認識していた。しかし、JCO事故の過程を説明いただいた際に、自分の考え方を実際の現場作業をとおして振り返る(考える)必要があると考えさせられた。チャレンジャーの事故では、作業の中で類似的な事項も思い当たり、今後のあり方について考える必要があると感じた。とても有意義な講演だった。
●事故の少ない組織の事例は、原子力発電所の業務に従事する者として、とても参考になる情報であり、当所の状況と比較して、安全の浸透改善の視野を拡げる一助となった。
●安全文化は、経済性や効率の向上と相反するものでなく、通常の作業の工夫と、安全を普通の行動の中で根付かせるのが重要と認識しました。そのためには、組織のトップから現場までの風通し、情報の共有化が重要と思いました。
●「安全文化」と言う言葉については、従来から良く耳にするものであったが、その内容については、はっきりとイメージできていなかった。しかし、いくつもの具体例に一つ一つ詳細に説明があり、とても興味深く勉強することができた。
●自分も毎日、安全作業を心がけていますが、今までは固定観念で、ルールだから「こうしなければならない」ではなく、守れるルールを作るというところで、自分の考え方を改めようと思います。

などのご意見 ・ご感想をいただきました。

安全情報交換会

安全情報交換会の様子

 安全情報交換会では、東京電力(株)福島第二原子力発電所 運転管理部 運転管理担当兼運転技術担当 安齋成次 様 から「運転管理部門 マネジメントオブザベーション」、同 品質・安全部 安全管理グループマネージャー 諸橋 英明 様 から「安全文化醸成活動に係る取り組みについて」ご紹介頂き、引き続き、九州電力(株)玄海原子力発電所 技術第二課副長 松崎 道治 様 から「ヒューマンファクターに関する当社の取り組み」、同 安全品質保証第二統括室課長 江藤 和敏 様 から「安全文化醸成活動に関する当社の取り組み」について、ご紹介がありました。
 ご紹介の後、上記の活動や取り組みについて情報や意見の交換を行いました。

以 上

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