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富士電機システムズ(株)川崎地区にて
第105回安全キャラバンを実施
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平成20年6月4日、神奈川県川崎市にある富士電機システムズ(株)川崎地区において、第105回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

全講演会の様子

 

 富士電機システムズ(株)川崎地区の社員、および協力会社の社員約120名が出席されました。

 講演会の冒頭、取締役 発電プラント本部長 米山 直人様から、
「「安全」というキーワードには幅広い意味がある。我々が日頃の業務で取り扱っているシステムや機械に関する安全はもちろんのこと、人に対する安全、環境に対する安全など、実にさまざまである。我々は、製品、それも運転について、安全のことを常に考えて行動しなければならない。
 私が関わっていたドイツの会社では、「セイフティ・コンセプト」というものを作成していた。これは、安全に対する社内の取り組みを全てマニュアル化したもので、それを必ず守っていこうということに取り組んでいる。お客様から注文をいただく際にも、そのシステムに対し、どのようになっていれば安全であるかを全て見直したうえでご提供している。もしも、それが合っていなければ、会社としてはその仕事は引き受けない。それほど、実に厳しい管理を実施しているシステムであった。そのような考え方が会社全体に浸透し、しっかりと管理されている状態を、私自身、既に経験している。
 安全に対する取り組みについては、私の個人的な意見であるが、日本のほうがかなり進んでいると思う。一方で、最近では欧米でもそのような取り組みが盛んになり、コンプライアンスの問題も含めて、「安全」に対する取り組みが非常に強化されているという現状がある。それゆえ、安全について、我々もさらに意識を高めていく必要があると考えており、さらなるレベルアップを図っていきたい。」

とのご挨拶をいただきました。

ご挨拶の後、熊本大学教授 吉田 道雄様から「組織の安全管理と人間理解 -グループ・ダイナミックスから見た安全-」と題してご講演いただきました。

 

講演では、

 

 熊本大学教授
吉田 道雄 氏

◆ グループ・ダイナミックス(集団力学)とは、集団との関わりを通して人間行動を研究する学問であり、「人間を理解するには、集団との関わりを抜きにしては考えられない」という発想が基本となっている。人間の行動を見てみると、たとえ独りぼっちの行動であっても、集団との関わりが常に存在し、「集団の力」に大きな影響を受けている。そのため、人間の行動に法則を見つけ出し、その法則を上手く利用することは、安全確保にとっても有効な手段になると考えられる。まずは、職場の中で常識になっていること、すなわち一種の法則を見つけ出し、その法則が持つ特長や弱点に「外から見た視点」で気づくことが求められるのである。

◆ このような法則は、日常生活の中でも見つけることができる。例としては、「座席の法則」というべきものがあり、本日のような会場では、人はあまり前のほうに座らない。このような法則、あるいは行動規範は、職場の中にも存在しているので、それを発見し、具体的な解決策を立てていくことが大切である。

◆ 安全については、「Fail Safe とFeel Unsafe」、すなわち、ハードによる安全確保に加え、人間の側でも「こんなことしたら、まずいかも?」と感じる心を持つことが重要である。また、安全に関する知識を持っているだけでは職場の安全は確保できない。それを意識に、さらに実際の行動へと結びつけることが必要である。また、職場では「確率」よりも「確実」な選択をすることを大事にしていただきたい。このほか、失敗した時には正直に謝ることも必要だ。個々人の過ちを正直に話すことが職場で評価される風土作りが大切である。そして、マニュアルや規則については決められたことを守る「愚直な頑固さ」とともに、問題点がある場合には、それらを積極的に変えていく「機敏な柔軟さ」も欠かすことができない。

◆ ヒューマンエラーには「悪魔の法則」というものがあり、「慣れ」、「経験の誤った評価」、「記憶と忘却」などはその代表的なものである。これに加えて「マニュアルに違反しても事故にならない」「マニュアルを守っていても事故になる」といった事実が、事故を誘発する悪魔的な働きをする。こうした人間的な特性を意識しながら、自分の仕事に責任と誇りを持って安全な職場づくりにチャレンジしつづけていただきたい。

との貴重なお話を頂きました。

 

講演会終了後のアンケートでは、

●人間の集団行動特性について、わかりやすく説明していただき、陥りやすいワナを避けるための知識として役に立てたいと思います。集団としての話をされているせいか、現場ひとりひとりの感情を捉える、なまなましい分析ではなかったかと思います。集団行動の危うさを知ってはいても、どうしてもその中の一人が改善行動を起こせないのか、どうすれば良いのか、ということを、一人ひとりに問いかけていくことが、安全文化を育てていくために求められているように思います。
●お話が上手く、例え話も多くて判り易かったので、最後まで飽きずに聞くことができました。内容については普段意識していないが、大切なことばかりを取り上げていたのでためになりました。リーダーシップについて研究されているようで、興味がわいたのでHPをチェックしてみようと思います。
●身近な事例でわかりやすい講演。もう一度講演を振り返ってみたい。“確率から確実へ”といった極当たり前のことが当たり前に無くなってきているので、これからも職場以外、家でも話をしていきたい。
●身近な例にて人間の行動に潜む安全に対する危険性を説明頂き参考になりました。時間の関係で講演いただけなかった部分はHPを参考にしたいと思います。
●分かり易い例えを使って、固い内容を身近な事として講義され理解しやすかった。特に心の動きや特性を整理されていたので、日頃の行動を見直すきっかけができると感じた。
●個人の行動は全て集団に関わり、帰結するということが理解できた。安全とコミュニケーションの関係についても新たな気づきとして、新鮮であり大変勉強になった。

などのご意見 ・ご感想をいただきました。

安全情報交換会

安全情報交換会の様子

安全情報交換会では、富士電機システムズ(株)からご要望のあった「IHI原子力事業部における「技術伝承・習得」アクションプログラム概要」について、(株)IHI 原子力事業部 原子力プラント技術部 プラント設計グループ 部長 小嶋 敏雄様においでいただき、詳しく紹介をいただきました。
紹介の後、上記の取り組みについて意見の交換を行いました。

以 上

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