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関西電力株式会社 高浜発電所 にて
第103回安全キャラバンを実施
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平成20年2月21日、福井県大飯郡高浜町にある関西電力株式会社 高浜発電所において、第103回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

全講演会の様子

 

関西電力株式会社 高浜発電所の職員、および協力会社の社員約40名が出席されました

 講演会の冒頭、高浜発電所 副所長 田中 信弘様から、

 「今回、当発電所で2回目の安全キャラバン開催となる。
平成18年にはピアレビューも実施していただき、当発電所の弱みや強みに関して、いろいろとご提言いただいた。現在、設備やソフト面も含め、改善を行っている。 また、先月の末には、福井県や市町村に対し、トラブルの低減対策を含む4項目に関する報告書を提出した。これらの内容を確実に実行していくためには、何と言っても、当社の社員500名に加え、発電所で働いていただいている約2,500人の協力会社の皆さんも含めた全員が、それぞれの組織、あるいは個人として、安全文化の浸透を目指す意識をしっかりと持ち、その任務に取り組むことが、一番重要ではないかと思っている。
今日の講演では、中込先生から、京都大学の研究炉での活動を通して得た「現場から見た経験」について、いろいろなお話を聞かせていただく。同じように現場を預かる立場の人間として、非常に身近な内容であり、今後の活動に役立てることができるのではないかと期待している。」 とのご挨拶をいただきました。

 

 ご挨拶の後、京都大学名誉教授 中込 良廣 様から「現場から見た原子力安全文化 -研究炉施設の管理経験をとおして」と題してご講演いただきました。


講演では、

 京都大学名誉教授
中込 良廣 氏

 

昭和43年に京都大学の原子炉実験所へ助手として入って以来、研究活動と平行して、研究用原子炉の安全管理に携わってきた。そして、その長年の経験により、安全文化というものに関し、3つの個人的見解を得るに至った。
◆第一に、安全文化というものは、その地域に特有の文化の中で育つものであるということ。日本には日本独自の文化があり、その中で安全文化を大切に育んでいくべきである。
◆第二に、安全というものに絶対的な唯一の解答は存在しないということ。「何のための安全確保なのか」という点を明確にし、各自が知恵を絞り自分自身で考えるべきである。
◆第三に、安全文化は「心の問題」であるということ。仕事に対する誇りや愛着心が非常に重要なものとなるのである。
 1995年の阪神淡路大震災が発生した際、実験所の職員は迅速かつ適切な対応をとることができた。早朝の出来事であったにもかかわらず、関係職員は自発的に集合し、誰に言われることもなく、自主的に点検を始めた。職員たちの間に「安全は周辺住民の方のため」という認識がきちんと浸透し、日頃から愛着を持って仕事に取り組んでいることが、緊急時の適切な行動として表れたのではないだろうか。
 私は、長年の管理経験を通じ、地域住民とのつながり、「ありがとう」と口に出して感謝すること、評価の仕方、叱り方、責任のあり方、さらに、相手に対する信頼、仕事に対する愛着心、相手の立場に立って考えること、「できるはず」と「できる」の違い等、安全文化の基となる数多くのことを学んだ。特に、日頃のコミュニケーションが重要である。
 これらのことから、安全文化を醸成させるためには、まず、仕事の成果をきちんと評価できる職場であることが求められる。さらに、全職員が自分の職務に使命感と誇りを持つことが不可欠であり、熱意を持って仕事に取り組むことが重要である。また、「社会のための安全管理」という最終目標についても、しっかりと認識しておかなければならない。その上で、安全方策については、多様な手法を用いた全体的な安全管理を心掛け、お金だけではなく、時には知恵も求められるということを忘れてはならないのである。


との貴重なお話をいただきました。

講演会終了後のアンケートでは、

●ご自身の経験に基づく業務への取り組み姿勢や安全文化を築くためにどうして行くべきか、といった点で講演をいただき、真にそうだな、今後はこうして行くべきだと感じた点が多々あり、大変参考になりました。今回の講演を今後の業務に生かし、発電所の安全な運営を通して、地域の方々に安心していただくため、自分に何ができるのかを考え続けていきたい。
●原子力に従事するものだけではなく、全ての事業に当てはまる事ではありますが、「管理を通して学習したことが」まさに、管理者や責任者の心構えであると思いました。ありがとうございました。
●知識としては皆色んなことを知っているが、実行が伴わない事が多くあると思われる。本日の講演を聞き、感じたことは、行動を起こす、基本的な考え方、「安全はこういう考え方に基づいてこう行動すべき」と言うことが良く理解できた。非常に有意義であった。
●事例を用いた、大変有意義な講演ありがとうございます。この講演を基に自分の足下を見つめ直し、できることから展開していきたいと思います。安全文化は「心の問題」やはり、人間関係が大事と考えます。より良い人間関係を構築し、安全文化の醸成をしていきたいと思います。

などのご意見 ・ご感想をいただきました。

安全情報交換会

安全情報交換会の様子

 安全情報交換会では、関西電力 高浜発電所 安全・防災室長 櫻井 善宏 様から、高浜発電所における運営状況の指標(安全文化)評価の試行について詳しく紹介をいただき、意見の交換を行いました。

 

以 上

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