安全講演会 |

安全講演会の様子
|
四国電力(株)及び協力会社の社員82名が出席されました。
講演会の冒頭、四国電力(株) 取締役 原子力本部 伊方発電所長 柿木 一様から、
「安全キャラバンは、伊方発電所で過去2回実施しており、今回で3回目となる。伊方発電所では営業運転を開始以来、今年で30年目となるが、その節目に、通算100回目の安全キャラバンを開催していただき、大変うれしく、また、感謝している。
伊方発電所は、先週、3号機において10回目の定検を終了し、現在、1、2、3号機とも順調に運転を継続している。来年1月から2号機の20回目の定検を開始するが、この定検では、平成21年に計画している中央制御室の制御盤取替えの準備を万全の体制で進めている。
原子力を取り巻く環境は、発電設備総点検の問題、中越沖地震の対応など、非常に厳しいものがある。伊方発電所の安全・安定運転の継続には地域の皆さまを含め、期待が大きい。
このような中、安全キャラバンを開催頂き、私どもの、安全に対する意識をさらに高める機会を与えていただき感謝を申し上げる。
伊方発電所では安全文化醸成は大きなテーマとして掲げており、伊方ネット21という活動を初めとして、関係会社、協力会社の皆さんと一緒に安全意識高揚の活動に取り組んでいる。本日の安全キャラバンが、これらの活動をさらに高めていくために役に立つものと期待している。」
とのご挨拶をいただきました。
ご挨拶の後、熊本大学教育学部附属教育実践総合センター 教授 吉田 道雄 様から「安全文化醸成の集団的側面 −知識から意識へ、そして行動へ−」 と題してご講演いただきました。
|
講演では、 |

熊本大学 教育学部附属教育実践総合センター
教授
吉田道雄 様
|
今回の安全キャラバンは通算100回目であり、この節目の安全キャラバンでお話しできることを光栄に思う。私はJANTIのe-ラーニング教材である安全文化eシリーズ「あなたが主役!安全文化 〜知識から意識、そして行動へ〜」の製作をお手伝いした。その中で “Fail-safe&Feel-unsafe”“安全知識と安全意識”“確率よりも確実”など、安全を考える上で強調したいキーワードを取り入れた。これからこの教材を使って勉強される際は、こうしたポイントを思い出していただきたい。安全文化の醸成に関しては、安全「風土」、「文化」という言葉がよく使われているが、私としては目の前にある職場の規範をどう変えるかを大切にしてほしい。例えば、組織の一つの集団がやる気を起こし行動規範が変わると、他の集団にも大きく影響する。それが職場全体の文化や風土までも変えていくことになる。e-ラーニング教材の副題にもあるが、知識を意識化し、意識を行動にするためには、生き甲斐、責任、誇りが重要な役割を果たす。そして、それらを感じるためには、職場の良好な対人関係が欠かせない。そして、そうした望ましい状況をつくりだすには、管理者のリーダーシップも重要になる。リーダーの行動力によって、職場の雰囲気も変わってくる。職場の全員が、“自分が変われば周りが変わる”と考えて、前向きに行動することで、安全も確実なものになる。
最後に改めて、仕事に対する責任と誇りの大事さを強調しておきたい。事故を起こさないためには、仕事をしなければいい≠ネどと考える人はいない。自分たちの仕事で、ミスや事故が起きる可能性があるということは、それだけ重要な仕事をしている証でもある。そうした気持ちで責任と誇りをもって、知識を意識に変え、そして行動につなげていただきたい。
との貴重なお話をいただきました。
|
講演会終了後のアンケートでは、
●わかり易く面白かった。「外を見る目、外から見る目」は管理者として常に意識しておくべき事と改めて感じた。原子力という特殊な職場で狭い範囲で物事を考えてしまう傾向があるように思う。
●安全文化として、人間関係、集団力学といった見えない力の作用が大きいことを改めて認識できた。部下からの評価をうまく取り入れ、集団力学の向上に努めていきたい。
●「職場の雰囲気はリーダーによって変わる」「対人関係は個人の努力である」今回の講演は話術も良く、興味を持って聞くことができた。
●リーダーシップが個人の特性のみにより決まるのではなく、行動により左右されることが、よく理解出来た。リーダーシップPM論を参考に、今後の部下への対応等に役立てたい。
|
などのご意見 ・ご感想をいただきました。
この後、日本原子力技術協会 理事NSネット事業部長 河島から当協会の活動概要の紹介を行いました。 |
安全情報交換会 |

|
安全情報交換会の様子 |
安全情報交換会では、四国電力(株)殿からご要望があった職場の安全風土について、(株)原子力安全システム研究所の福井様にご説明頂き、その内容について意見の交換を行いました。
以 上 |