安全講演会 |

安全講演会の様子
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三井造船株式会社の社員約30名が出席されました。
講演会の冒頭、三井造船株式会社 取締役 環境・プラント事業本部長 山下 俊一様から、
「現在は、企業の不祥事がニュースで取り上げられない日はないと言っても過言ではない。最近の不祥事は、安全や品質に関するものが多く、社会に対するインパクトが極めて大きなものとなる。もしも、このような不祥事が当社で発生してしまったら、事業によっては継続することが不可能になるということも十分にあり得る話である。だから、今回のお話は、私たちにとっても極めて重要なテーマであると思う。世の中は変化しつつあり、不祥事は許さないという社会環境になってきた。コンプライアンスに対する法律的な面も厳しくなっている。事業の責任者に限らず、組織を運営している人やその中で働いている人も、今日の講演から何らかのヒントを得て、組織運営に役立てていただければと思う。」
とのご挨拶をいただきました。
ご挨拶の後、経営コンサルタント 萩原 誠様から「不祥事企業のコンプライアンス経営」と題してご講演いただきました。
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講演では、 |

経営コンサルタント 萩原 誠 様
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現在の日本では、企業の存続に関わるような不祥事が多発している。その背景には、日本人独特の行動パターンが大きく影響していると考えられ、代表的なものとして、「組織優先の行動」、見て見ぬふりをする「集団主義の行動」、皆で渡れば怖くないと考える「横並びの行動」といったものが挙げられる。このような現状において、コンプライアンス経営は企業活動において欠かせないものになっている。
コンプライアンス経営には、「ゆるぎなき企業理念」、「信頼される企業文化」、そして「トップの姿勢」がコアコンピタンスとなる。
第一の「ゆるぎなき企業理念」とは、各企業が独自に宣言している創業の精神、あるいは社是といったもので、社長が交代しても絶対に変わることのない大憲法である。トップはもちろん、従業員全員がこの企業理念を常に忘れることなく、自らの行動に反映させていかなければならない。そのためにも、トップや広報が、社内に向けて常に企業理念を発信し続ける必要がある。
第二の「信頼される企業文化」には、「透明性」、「人間尊重」、「誠実性(インテグリティ)」、「法令順守・倫理性(コンプライアンス)」、「使命感と誇り」の5つの要素が求められる。中でも「人間尊重」については、「グループ会社や臨時社員も含めた従業員が最も大切である」という認識を持つことが重要である。なお、企業文化を優れたものにするためには、モニタリングが不可欠となる。従業員の声はもちろん、顧客などの外部の声を聞く活動を普段から積極的に実施すべきである。
第三の「トップの姿勢」としては、トップ自らが「何かがあってもコンプライアンス経営」という姿勢を持ち、それを常に従業員に対して示し続けることが大切である。
これらの要素を確かなものにするためには、コーポレートガバナンス、リスクマネジメント、ステークホルダーズ・コミュニケーション(広報)の3つのマネジメントが不可欠となる。ステークホルダーズ・コミュニケーションでは、社内におけるコミュニケーションが重要であり、社内報などのツールを上手く利用することで、社員の声をトップに届けるとともに、トップの声を全社員に伝える活動が求められている。また、外に対してはホームページを活用し、企業アイデンティティを正しく伝えていかなければならない。
との貴重なお話をいただきました。
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講演会終了後のアンケートでは、
●企業文化の重要性について、体系的にわかりやすく解説していただき、よく理解できました。話題が豊富で雑談もおもしろく拝聴させていただきました。
●コンプライアンスは制度を造るのみでなく日頃からの内部での実施が重要であること、そのためには内部の透明性が必要でありイントラネットを使用したモニタリングなどの手段が示され感銘を受けた。
●タイムリーなテーマで良かった。また、内容も企業側、実務面からの視点で非常に解りやすかった。今後の三井造船の在り方をあらためて考える良い機会となった。
●聞き手を引き込む話の展開で非常に勉強になりました。どちらかと言うと業務優先の考えでおりましたが、企業倫理の重要性を改めて認識いたしました。
●豊富な事例を引合いにした講演は、コンプライアンスという観念的、抽象的にとらえがちなテーマに対し、具体的に全体像をつかむヒントになった。 |
などのご意見
・ご感想をいただきました。
この後、日本原子力技術協会 NSネット事業部 計画グループリーダー 浜田より当協会の活動概要の紹介を行いました。 |
安全情報交換会 |

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安全情報交換会の様子 |
安全情報交換会では、三井造船株式会社様からご要望のあった「企業倫理」について、(株)グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン コンプライアンスグループ グループリーダー 吉田 賢二様においでいただき、詳しく紹介していただきました。
紹介の後、上記の取り組みについて意見の交換を行いました。
以 上 |