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三菱マテリアル株式会社にて
第97回安全キャラバンを実施
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 平成19年9月14日、埼玉県さいたま市大宮区にある三菱マテリアル株式会社エネルギ事業センターにおいて、第97回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

安全講演会の様子

 

 三菱マテリアル株式会社の社員約30名が出席されました。

 講演会の冒頭、三菱マテリアル株式会社エネンルギー事業センター所長 前川 一彦様から、
 「私たちのオフィスでは、原子燃料サイクルにかかわる設計や評価を実施している。もっぱらデスクワークであるので、実際の現場とは異なり、安全とは何か、どうすれば安全を確保できるかということを日々意識する機会が少ない。「事件は現場で起きている」という台詞があるけれども、その原因を突き詰めていくと、特に重大な事故の場合ほど、設計や工場の操業計画の段階に問題となる原因があることも少なくない。研究開発や設計の段階から安全を強く意識し、実際の施設に反映していくことが、より根源的な安全対策につながることは明らかである。
 私たちの原子力産業界においては、ひとつの会社の不祥事、あるいはひとつの施設の事故が、業界全体の不振に係わることにもなりかねない。消費者側に多くの選択肢がある業界とは、ちょっと性格を異にしている。そういう意味で、日本原子力技術協会のNSネット会員各社においては、ある意味では競争相手でもあるが、同時に運命共同体という立場でもある。今回の機会が当社の安全意識向上につながることを期待するのはもちろんであるが、原子力産業界全体の安全向上、そして社会的な信頼回復にもつながっていくことを期待したい。」

とのご挨拶をいただきました。

 ご挨拶の後、甲斐安全コンサルタント事務所 所長 工学博士 甲斐 洋様から「事故・災害における不安全行動と不安全状態の防止」と題してご講演いただきました。



講演では、

甲斐安全コンサルタント事務所 所長 
工学博士 甲斐 洋 様

1. 労働災害の発生状況
 わが国における労働災害による平成18年の死亡者数は1,472人、休業4日以上の死傷者数は121,378人、労働災害による被災者数は約55万人であった。
労働災害の発生状況を業種別、事業場規模別、事故の型別、起因物別に分類し解析することは、事故・災害の発生原因を明らかにし、最も適切な防止対策を見出し同種災害の発生を防止するために重要である。
2. 労働災害の発生原因
 労働災害は、加害物が人と接触することによって発生するが、その直接原因は、人による不安全行動と設備・作業場所・作業方法等の不安全状態である。
これらの直接原因は、人間的要因(Man)、設備的要因(Machine)、作業的要因(Media)、管理的要因(Management)のいわゆる4Mにより構成される安全管理活動の欠陥に基づいている。
 労働災害の発生防止対策は、不安全行動及び不安全状態を的確に把握し、その元となる基本原因に対する対策を講じて安全管理活動を確立することである。
3. 不安全行動の防止
 製造業における不安全行動による死傷者の原因では、動いている機械等に接近又は触れること等が最大である。これらの防止対策は、リスクアセスメントによる危険感覚を養成と共にスク低減対策の確立である。
4. 不安全状態の防止
 製造業における不安全状態による死傷者の原因では、作業方法の欠陥や防護措置・安全装置の欠陥が大きな割合を占めている。これらの防止対策は、作業方法の確立を含む労働安全衛生マネジメントシステムによる体系的安全管理活動及び設備・機器のリスクアセスメントに基づく本質的な安全設計、安全防護等の安全方策の確立である。

との貴重なお話をいただきました。
講演会終了後のアンケートでは、

●労働災害を防止するためには、不安全行動と不安全状態の二つを防止すべきことを学びました。よくわかりやすいご講演でした。当社もリスクマネジメント活動に取り組んでいますが、質疑応答でアドバイスいただいた内容を反映し、今後、実効性を増すよう努力していきたいと考えています。
●我々の業務の性格から。“安全“を”品質“に置き換えて聞かせていただきました。その面でも参考になりました。豊富に示されたデータで説得力がありました。
●事故・災害を整理すると、非常にすっきりと説明できることがわかり、内容がよく理解できた。同時に、今後は、机上で防止策を考える分には、当然のことのように感じるが、作業現場において実施するためには、コスト・時間が大きく影響し、やはり、労働安全衛生マネジメントシステムへも大枠としては必要ではないかと思った。
●那珂の研究所から参加させていただきました。安全確保のレベルアップに役立つご講演ありがとうございました。特に印象的でいたのは、原因を直接原因と基本原因にわけ、基本原因は4Mに分解するという考え方であり、これからの安全衛生活動の中で参考にしていきたいと考えております。
●品質保証部門の人間として、品質に置き換えながら聞かせていただきました。大変参考になりました。やはり、リスクの洗いだしに悩んでおりますが、今日はヒントをいただいたように思います。
●基本的考え方から始まり、具体例、対策など、一貫したご説明で、大変わかりやすく、参考になりました。原子力の場合は、特に安全は、最優先であるため、研究所などウランを扱い、かつ装置類のある場所の安全確保は、具体的にどうすべきか、改めて考える良い機会となりました。
●安全活動において、人間的、設備的、作業的、管理的な要因が大きく影響していることを再確認できた。その中でも、やはり、人間的要因が大きいと考えます。そこで、この人間を暖かく、厳しい職場環境にすることが重要と考えます。なお、現実的には、作業時間(工程、納期)が短く、十分な対策を取れない場合もあるかと思い、その対応が難しいです。今回のご講演内容を参考に、具体的作業に役立てる考えです。
●安全に対する考え方の国際比較に係るお話については、国民性に由来した特性とその対応のあり方について興味深く拝聴させていただくとともに、これからの時代においては、両者の良さをベストミックスさせて対応していくことが社会的要求上肝要となるとの認識を深めた次第ですあります。

などのご意見 ・ご感想をいただきました。

この後、日本原子力技術協会 河島理事より当協会の活動概要の紹介を行った。

安全情報交換会

安全情報交換会の様子

 安全情報交換会では、三菱マテリアル株式会社様からご要望のあった「設計業務におけるヒューマンエラーの防止対策」について、日立GEニュークリア・エナジー(株) 日立事業所 原子力計画部 担当部長 佐々木 宏様においでいただき、詳しく紹介していただきました。

紹介の後、上記の取り組みについて意見の交換を行いました。

 

以 上

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