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東北電力株式会社 東通原子力発電所にて
第95回安全キャラバンを実施
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平成19年6月14日、青森県東通村にある東北電力鞄健ハ原子力発電所において、第95回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

安全講演会の様子

 

 安全講演会には、東北電力鞄健ハ原子力発電所の社員約60名が出席されました。
 講演会の冒頭、東通原子力発電所長 井上 茂 様から
「当発電所は、17年12月に営業運転を開始している。13ヶ月運転後、この1月から定期検査を開始し、6月6日に終了した。従来は燃料装荷の時点から保安規定を適用していたが、当発電所においては、新燃料の構内への搬入の時点から、保安規定が適用されている。新燃料搬入時から保安規定を適用することは、全電力でも初めてと聞いている。そしてこの保安規定については、法令改定等の制度改定により、品質マネジメントシステムが盛り込まれ、大幅に改訂された保安規定が当初から適用されている。したがって、われわれは、QMSの構築と定着に、心血を注いできた。非常に苦労をした反面、古いしがらみのないゼロからスタートができたことが、良いシステムをつくる上で良かったと思う。
発電所発足時以来、安全最優先の文化を大前提としてきたが、それに加え社員主役の文化、情報共有の文化を目指してきた。社員主役の文化とは、担当者自らが主体的に業務に当たり、イニシアティブを取りながら業務を進めると言うことで、特に調達に関する業務で大事であると考えている。また、情報共有の文化とは、課間や個人間の垣根を越えて情報共有を行い、全員が当事者意識を持って、わいわいがやがや、相互に支援しあって業務をすることを目指している。主役の個人が情報を共有して、組織能力を最大限に発揮することが、この若い職場で必要と思っている。
ひととおり定期検査が終わり、第2サイクル、そして第2回定期検査の準備を進めているが、一段レベルアップしたものを目指す所存である。」
とのご挨拶を頂きました。

 ご挨拶の後、日本原子力技術協会 成瀬理事より当協会の活動概要を紹介し、引き続き、京都大学大学院 人間・環境学研究科教授 学術博士 杉万 俊夫 氏から「「学習する組織」による安全文化の醸成」と題してご講演頂きました。

講演では、

京都大学大学院 人間・環境学研究科
教授 学術博士 杉万 俊夫 様

●「管理する組織」に加えて、「学習する組織」という発想が求められている。原子力組織の安全文化醸成もしかり。従来、組織の側にも、また規制する側にも、「組織管理」の発想こそあれ、「学習する組織」という発想は乏しかったのではないか。

●「学習する組織」とは、組織のメンバーがよく勉強する組織のことではない。いかなる職場にも組織にも、数多くの「自明の前提」(暗黙の了解)が存在している。だからこそ、職場や組織の活動もスムーズに進む。しかし、同時に、職場や組織の意思決定や活動は、自明の前提に縛られてもいる。とくに、過去に例のない新しい問題に直面したとき、あるいは、今までにない新しい活動が求められるときなどには、自明の前提が手かせ足かせになりかねない。

●自明の前提は、それが自明なだけに、ことさら意識にのぼることもなければ、あらためて言葉で表現されることもない。つまり、自分たちが立脚している自明の前提には気づきにくい。自覚せぬまま100%従っている ---- それが自明の前提だ。
「学習する組織」とは、皆が立脚している自明の前提に気づけるようなコミュニケーション、そして、自明の前提という縛りからフリーになれるようなコミュニケーションを行える組織のことである。「学習する組織」の理論を提起したピーター・センゲの著書は、過去10年間で米国の経営学会に最もインパクトを与えた著作の一つにあげられている。

●変化が大きい時代、そして、グローバリゼーションという未知の経験にさらされる時代にあっては、従来の自明の前提に縛られることなく、自明の前提に気づき、それを塗り替えていくことが必要だ。また、若年層を中心に、トップダウン型の管理組織には抵抗感が強くなっている。その抵抗感を減らし、前向きのベクトルをつくるにも、学習する組織、すなわち、互いの思考をぶつけあい、「あっ、そうか、そう思いこんでいたけど----」というフレッシュな経験ができる組織が求められている。

●今回の講演では、「活動理論(activity theory)」を援用して、原子力組織で「学習する組織」を実現し、安全文化を醸成する方途を探った。


との貴重なお話を頂きました。

講演会終了後のアンケートでは、
●フィールド調査に基づく講演内容で、判り易く参考になった。“小さな気付き”の積み重ねが阻害されないような職場風土が重要であることを理解した。
などのご意見 ・ご感想をいただきました。

安全情報交換会

安全情報交換会の様子

 安全情報交換会では、東北電力鞄健ハ原子力発電所からご要望があった職場の安全風土について、褐エ子力安全システム研究所の福井様、高城様にお出でいただき意見の交換を行いました。

 

以 上

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