WWW.GENGIKYO.JP 
メールでのご意見・お問い合わせはこちらへどうぞ
当サイトのサイトマップです
English version
有限責任中間法人 日本原子力技術協会  
HOME 協会の御紹介 活動状況 関連情報 問い合わせ先  
活動状況
第13回管理者セミナーを実施
全体
情報・分析
NSネット
規格基準
技術基盤


 Contents
理事部長
    メッセージ
   
活動内容紹介
ピア・レビュー
安全
    キャラバン
セミナー
NSネット
      ニュース

 

  平成19年5月30日(水)〜31日(木)にJR東日本総合研修センター(新白河)において、会員各事業所の設計部門などの間接部門も含めた中堅管理者を対象に第13回管理者セミナーを開催し、24名の方に参加いただきました。
  今回のセミナーは、最近の原子力業界内外での事故・トラブル・不正問題などから学ぶ教訓、再発防止対策や、その根本原因と考えられるヒューマンファクター、倫理、組織要因とその根底にある安全文化に関わるテーマとする講演を行い、また、受動的な講演だけではなく、体験型・参加型のセミナーとして参加者がより能動的に安全文化の習得・構築に役立てることとしました。

首藤 由紀 氏

1. 平成19年5月30日(水)

(1) 講演:且ミ会安全研究所 取締役 副所長
    ヒューマンファクター研究部長
首藤 由紀 氏
首藤先生から
「真の安全文化とは?〜過去の事故事例と無事故への取り組みに学ぶ〜」
と題して

 安全文化が注目された2つの事故について概要の説明を行い、チェルノブイリ事故を契機に言われるようになった「安全文化」について紹介があった。

 安全文化における「安全を何よりも重要なものとする」という考え方は、ともすれば、「経済性・生産性・効率」と「互いに相克する価値であると受け止められがちである。このため、実際に原子力発電所などの現場で働く人々は、「現場はいつも安全第一に考えている」「安全を優先するのが前提なので安全無視はあり得ない」と感じている。そして、「安全を切り捨てるなどということをやるのは、一部の特にひどい会社だけだ」と言い、「安全文化」の重要性は理解しながらも、自分たちが実際に何をどうすればよいのかの具体策がわからずに、困惑していることが多い。こうした現場の声に耳を傾けると、「本当に、経済性や効率と安全性は相克する価値観なのだろうか?」という素朴な疑問が浮かび上がる。そこで、過去の事故事例のうち特に「組織の安全文化」が問題となった事例を詳しく分析してみると、その経過では必ずしも「安全よりも経済性」という判断が行われていたわけではない。それよりも、「決められたことが徐々に守られなくなっていく」という「逸脱の常態化」が事故を引き起こす原因となっているのである。

 そこで、航空産業・化学産業で実際に行われているユニークな取り組み事例をもとに、取組み方法の案として、(1)「よいルール」をつくる、(2)ルールを周知・徹底する、(3)遵守状況を常に確認する、(4)遵守状況を評価し適切に賞罰を与える、という4ステップに整理した

など、ご講演をいただきました。

(2) JR東日本総合研修センター「事故の歴史展示館」に学ぶ
   ジェイアール東日本パーソネルサービス HRD事業本部 研修事業部 顧問 関口 雅夫 氏
 JR東日本総合研修センターにある「事故の歴史展示館」見学しました。

 

 2.平成19年5月31日(木)

体験学習の様子(ダミー人形を使った救出訓練)

(1)体験学習
 ジェイアール東日本パーソネルサービス
 HRD事業本部 研修事業部 顧問 関口 雅夫 氏

 JR東日本総合研修センターの実習線において、踏切内での緊急時対応訓練や踏切事故における列車の緊急停止訓練など、JRにおける豊富な現場経験に基づいた体験学習を行っていただきました。

(2) 講演
 ジェイアール東日本パーソネルサービス
 HRD事業本部 研修事業部 顧問 関口 雅夫 氏

関口先生から
「事故の失敗から学ぶ 安全への意識改革」
と題して

 仕事の原点に関わる事故事例、安全の原点に関わる事故事例、安全な仕事をするために、と鉄道事故の原因から得られる教訓を整理し、自らの事業所への警鐘とすると共に、今後の安全な風土作りへの参考となる講演をいただきました。

 

セミナー終了後のアンケートでは

(1) 講演について

●安全文化の確立に向けて各企業なりに取り組み、労働災害、設備損傷などの被害を無くす努力を行っている立場からは、事例を基としたポイント解説が有効であると感じています。その様々な点では首藤講師の講演内容はわかり易く、有意義な事例も紹介されていたと思います。大企業における“決まりごとを守る”行為は時に、個人の認識の違いから失敗に繋がることが多々有りますが、少しでも無くすことができる様に努めたいと思いました。

●問題点が、ルールを守らないということではなく、わかりにくいルール、不要なルールが多いことであること、守りにくいルール、一方的に現場を知らない側から作られたルールがあることであるという点が勉強になった。また、ルールに対して、逸脱の常態化が安全文化上、非常に問題となっていることは、大変重要で、問題の本質であることがわかり、非常に参考になった。

●チャレンジャー事故・JCO事故、共に事故に至るまでには数々のプロセス(回避できる)があったはずである。なのにどうして、事故は起るのか、安全を軽視・無視する訳ではないのに事故は起る。ルールに縛られる、縛られるが故に身動きがとれずそれを排除しようとする。その行動がヒューマンエラーへと発展するヒューマンエラーの背景には会社の経営方針がある事、今回の講演を聴いて考え直すこと再認識することが沢山ありました。安全についてのヒントを沢山頂きました。ありがとうございます。

●まさに、現在、ルールが複雑で多すぎる、人手が足りないので改革も出来ないという、悪いループに落ちていっています。今回の内容をぜひ活かせる様考えて行きたいと思います。

●トップの安全に対する姿勢の大切さ、ルールとは厳格に守る。守れないルールは直す、など大切なことだと感じた。

 

(2) 体験学習について

● 鉄道事業の体験学習でしたが、原子力発電事業におけるヒューマンエラー防止の取り組みに共有する部分が多く存在し、有意義な研修でした。安全確認、指揮命令、正確な操作、適切な報・連・相、設備・インターロックの改造、改善など、数限りなくなりますが、一方で人材の育成、特に意識の向上が大切であると感じました。また、管理職としての実践力も必要であると認識しました。

●JR東日本の安全に対する、並大抵でない取り組み、また、関口講師の熱意がひしひしと伝わってきて、体験学習では喉が痛くなるほど真剣に取組むことが出来た。感謝。JRの事故の歴史は貴重な財産であり、多くの人達に知ってもらいたい。

●机上では分かっていても、現場で事故にあった場合に日常から訓練していないと何も出来ないことを痛感した。習うより慣れる、体で覚えることの重要性、また、自分達で日頃から議論することの重要性を感じ、これからの業務で少しでも広めていきたい。

●電力とは違った業種とはいえ、安全文化の重要性、安全の基本は同じであり、その心構えは同じである。JRにおける緊急時の対応、ホームでの転落者救出など、実際に体を動かしてみて、初めて分かる安全の基本、管理者としての心構えを経験・勉強することができて大変参考になった。

●前日の講演の内容も引用しながら体験学習を行っていただき、良い経験となった。盲目的にルールを守れといっても守れるものではなく、自分がルールを守らなければどうなるのか。その場の全ての責任は自分にあるという意気込みが必要だということが良く分かった。私は現在研修業務に従事しているが、先生の熱意を生徒が感じるようでなければいけないことが良く分かりました。

など、多数のご意見をいただきました。  

 

[↑]PageTop

HOME協会のご紹介活動状況設備稼働状況関連情報ご意見・ご質問

Copyright © 2005 Japan Nuclear Technology Institute, All Rights Reserved.