WWW.GENGIKYO.JP 
メールでのご意見・お問い合わせはこちらへどうぞ
当サイトのサイトマップです
English version
有限責任中間法人 日本原子力技術協会  
HOME 協会の御紹介 活動状況 関連情報 問い合わせ先  
活動状況
日本核燃料開発株式会社にて
第94回安全キャラバンを実施
全体
情報・分析
NSネット
規格基準
技術基盤


 Contents
理事部長
    メッセージ
   
活動内容紹介
ピア・レビュー
安全
    キャラバン
セミナー
NSネット
      ニュース

 

 平成19年4月19日、茨城県東茨城郡大洗町にある日本核燃料開発株式会社において、第94回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

安全講演会の様子

 

 日本核燃料開発株式会社の社員および協力会社の職員約50名が出席されました。

 講演会の冒頭、代表取締役社長 大部 悦二 様から 「我々の事業には、色々な方が色々な作業にかかわっている。本日の安全キャラバンの安全講演会では、それらの作業に携わる人間の思考、判断、行動がトラブルにどのように係わるのか、ヒューマンエラーをどのようにすれば防止できるのかなどについての話を聞けると期待している。
また、情報交換会では我々より良好事例紹介として予防保全関係の話を希望した。我々の施設は、この地で事業を開始し、30年が経過しているため、設備・機器等の高経年化対策の実施を経営課題としてとらえている。また、世代交代による技術伝承も重要な課題である。そういう観点からも本日の情報交換が参考になるものと期待している。
常日頃、当社の事業のあるべき姿として、世界最高水準の技術力を持ち、お客様の期待に応えるアウトプットを出すこと、また、当社の施設を安全に運営し、地元のご理解・ご支援を得てこそ当地で事業が継続できるということを言っている。
今日の安全キャラバンを通じて、学んだことや議論したことを皆の今後の糧とし仕事に反映してもらいたい。当社の安全文化の醸成につながることを期待している。
」とのご挨拶を頂きました。

 ご挨拶の後、日本原子力技術協会 成瀬理事より当協会の活動概要を紹介し、引き続き、電力中央研究所 ヒューマンファクター研究センター長 研究参事 堀江 康夫 様から「事故・トラブルに至るプロセスとその防止対策」と題してご講演頂きました。

講演では、

電力中央研究所 
ヒューマンファクター研究センター長 
研究参事 堀江 康夫 様
●ヒューマンファクターとは
人間の持つ特徴として、状況認識(特徴抽出)する能力や、想像(創造)する能力などがある。これらは人間の優れた特徴であると同時に、不確実さにつながる特徴でもある。認識時の見落しや、補完時に不正確な情報を取り込むことによって、人間の判断に影響を与え、結果として不適切な行動(操作等)となる。ここではヒューマンファクターを「人間の行動に影響するもの」と表現した。これはPerformance Shaping Factor(PSF)の概念に近い。人間の行動に影響する要因を考えると、社内レベルの要因として作業条件、作業環境、作業管理、組織風土などがあり、更に、社外に目を向けると、規制や社会のあり方も影響する。

●ヒューマンエラーの防止
  ヒューマンエラーという言葉は、人や機関によって定義が異なるが「許容範囲を逸脱する行為」ということが定義の核となる。事故やトラブルは、潜在的な危険が安全対策を破り顕在化することによって生じる。このプロセスを事象の連鎖というがヒューマンエラーやルール違反がきっかけとなることが多く、そこには背後要因が存在する。再発防止策はこの背後要因を見つけ出し、それに対する防止策を立てなければならない。この対策には、人間側の防護層と機械側の防護層で実現される。

●安全のためにすべきこと
  安全の実現のためには、経営者、管理者、作業者がすべき活動として、現場の実状把握、人事制度、安全対策費の投資、懲罰的処遇の廃止などがある。



との貴重なお話を頂きました。

講演会終了後のアンケートでは、
●身近な視点から、分かり易くヒューマンファクターの説明を頂き、ともすると慣れにより、注意が散漫になりがちな安全に対する意識について認識を深めることが出来ました。潜在的な危険因子の存在を認識し、エラー防止に向けた様々な施策により事故の発生を防ぐ取組みについては、終わりが無く、作業に関わる人々のそれぞれの立場でマンネリ化とならないようにする難しさとともに、取り組みに対する考え方、姿勢について参考となる内容でした。
●これまで、どう取組んでいけばよいのか、なかなかすっきりした取り組み方法が見つからなかったヒューマンファクターについて、パフォーマンス向上のための階層構造を考え、直接関与することができない組織風土・文化や安全意識、安全行動に対して安全管理を介して組織として介入し、安全パフォーマンスを上げるという話、背後要因の分析には「言い訳しましょう。させましょう」という話が印象的でした。貴重な講演をいただきありがとうございました。これらを参考に、当社としても肩肘張らず活動を進めて行きたいと思います。
●ヒューマンエラーの防止策の一つとして、トラブルが起ったときに、当事者に言い訳をさせて、そこから何が問題だったかを探るというのは「目からウロコ」の意外な方法でした。その他にも、自分自身の安全意識が向上するような貴重なお話を拝聴させて頂き、感謝申し上げます。

などのご意見 ・ご感想をいただきました。

安全情報交換会

安全情報交換会の様子

 安全情報交換会では、日本核燃料開発株式会社殿からご要望があった「予防保全支援システム」の開発と運用について」について、三菱重工業 神戸造船所 原子力保全技術部次長 宮口 仁一様においでいただき、詳しくご紹介頂きました。
紹介の後、上記の取組みについて意見の交換を行いました。

以 上

[↑]PageTop

HOME協会のご紹介活動状況設備稼働状況関連情報ご意見・ご質問

Copyright © 2005 Japan Nuclear Technology Institute, All Rights Reserved.