WWW.GENGIKYO.JP 
メールでのご意見・お問い合わせはこちらへどうぞ
当サイトのサイトマップです
English version
有限責任中間法人 日本原子力技術協会  
HOME 協会の御紹介 活動状況 関連情報 問い合わせ先  
活動状況
第12回管理者セミナーを実施
全体
情報・分析
NSネット
規格基準
技術基盤


 Contents
理事部長
    メッセージ
   
活動内容紹介
ピア・レビュー
安全
    キャラバン
セミナー
NSネット
      ニュース

 

 平成18年12月15日に東京都港区の東京グランドホテルにおいて、会員の管理者クラスを対象に第12回管理者セミナーを開催し、約120名の方に参加いただきました。  今回のセミナーでは、野田専務理事の挨拶に引続き、ヒューマンファクター及びヒューマンファクターに影響を及ぼす組織要因と、その根底にある安全文化にフォーカスした2つの講演を行い、その取り組みについて会員間で認識を共有しました。

講演

 第一部
     演題 : 「ヒューマンファクターに起因するトラブルとその未然防止」
      早稲田大学理工学術院 経営システム工学科 教授 小松原 明哲 氏

早稲田大学理工学術院
 経営システム工学科 
教授 小松原 明哲 氏

講演では、人間工学の御紹介、ヒューマンエラーと事故との関係や


・目標(すべきこと)と結果(実際にやったこと)のミスマッチをヒューマンエラーと言う。


・見にくい、聞きにくい、覚えにくい等“にくい”ものを放置しておくとヒューマンエラーは必ず起こる。


・人間は、過去の経験や、その場の雰囲気によって勝手に思い込みをして行動する傾向があり、ベテランになればなるほど、思い込みというタイプのヒューマンエラーが増える。


・重要な仕事のメイン部分の前後は、エラーを起こしやすい。


・事故防止は、有名な“事故防止のABC”「A:当たり前のことを」「B:ぼんやりしないで」「C:ちゃんとやれ」と言う言葉に尽きる。
などの講演をいただきました。

第二部
     演題 : 「航空管制の現場からリスク管理を考える」
      国土交通省 東京航空局東京空港事務所 航空管制官 駒井 繁利 氏

国土交通省
 東京航空局東京空港事務所
 航空管制官 駒井 繁利 氏

航空関係のトラブル事例、トラブルを減らす対策について

・航空の分野は、過去の事故事例を教訓に比較的早くからヒューマンファクターズの研究に取り組み、その成果を教育・訓練に取り入れることによってヒューマンエラー対策に精力を傾けてきた。それにもかかわらずトラブルが多発している現状は、安全を維持し続けることの難しさの表れでもある。

・2005年と2006年に発生した3件のトラブル事例を取り上げ検証したところ、どのケースでも現場におけるヒューマンエラーが直接的な原因ではあるものの、組織的なマネージメント上の問題が大きく影響していることが分かった。更に、燃料費の高騰や規制緩和に伴う競争激化がマネージメントに影響していると推論された。

・この結果から、様々な不安全要素を排除して安全を保ち続けるためには、現場における戦術的リスク管理と組織マネージメントにおける戦略的リスク管理の協調が重要であることが分かる。そこで、情報管理、環境管理、人員管理、状況管理という4つのマネージメントをシステマティックに行いリスク管理をする必要がある。

・まとめとして、「たゆまぬ注意力で安全レベルを高める」、「組織の戦略と現場の戦術でリスク管理をする」、「他人の行動に期待する前に自分には何が出来るか考える」の3点を挙げる。

などの講演をいただきました。

講演会終了後のアンケートでは、
早稲田大学理工学術院 経営システム工学科 教授 小松原 明哲 氏の講演

●単にヒューマンエラーに対する対策やルールを紹介するのではなく、ヒューマンエラーの背景にあるもの、考え方を中心に紹介していただき、自分達の事業所の特徴を踏まえ、どのような対応をとっていけばよいか、考える良いきっかけ、ヒントになったと思います。「〜にくい」ものの調査は実践したいと考えます。

●ヒューマンエラー防止について人間特性にさかのぼって考えることの重要性を感じた。特にルール、手順は常にその意義を問い、環境の変化等で意味を失ったルール、手順は速やかに見直さなければ、ルール遵守意識の形骸化に繋がるのではないかと感じた。

●失敗して覚えることが許されない現在では、危険やエラーを明確にして教育していくことが重要だと思います。先生のまとめに共感を覚えました。

国土交通省 東京航空局東京空港事務所 航空管制官 駒井 繁利 氏の講演

●職場の第一線で苦労されていることが感じられた。小松原先生の講演の実技編というとらえ方もでき、組み合わせも良かったと思います。プロが変化に弱い、プチ成功の連続はリスク感度を鈍くする等示唆に富んだ説明も良かった。

●航空業界と原子力業界の類似性を思い、航空業界の経験は我々の業務で見習う事は多いと感じた。歴史の長さから、航空業界が先行した部分は多いと思う。

●現場での実体験と客観的なデータを組み合わせた説得力のある内容であったと思います。「航空会社の苦悩」と言う状況は、現在どの企業にも当てはまり、その様な中、安全を維持していくのは大変だと思います。社会全体で、安全に対してはもっとコストをかけるべきという認識を共有する必要もあると思いました。

など、多数のご意見をいただきました。  



以 上

[↑]PageTop

HOME協会のご紹介活動状況設備稼働状況関連情報ご意見・ご質問

Copyright © 2005 Japan Nuclear Technology Institute, All Rights Reserved.