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株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパンにて
第91回安全キャラバンを実施
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 平成19年2月2日、神奈川県横須賀市にある株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパンにおいて、第91回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

安全講演会の様子

 

 安全講演会には 株式会社 グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン の社員約 80 名が出席されました。

 講演会の冒頭、 株式会社 グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン 取締役社長 櫻井 三紀夫 様から「 原子燃料製造の事業を行う際には、いかに安全な職場、安全な製品を作り出していくか、大変大きな課題である。本日は、これを教えていただき、参考にさせていただきたいと思う。ISQOの精神に基づいて、ヒューマンエラーがない、安全文化の浸透した会社を、ぜひ作り上げて行きたいと思う。 」とのご挨拶を頂きました。

 ご挨拶の後、日本原子力技術協会 野田専務理事より当協会の活動概要を紹介し、引き続き、北九州市立大学 文学部 人間関係学科 教授 松尾 太加志 氏から「ヒューマンエラーと安全文化」と題してご講演頂きました。

講演では、

北九州市立大学 文学部
教授 松尾 太加志 様

○なぜヒューマンエラーを起こすのか?
  人間は、現実世界に適応して生活している動物である。進化の歴史を考えると、細かな正確さが要求されるような環境で生活してこなかったため、正確さよりも効率を優先させており、正確で論理的な行為や決定が苦手である。そのため、エラー(ヒューマンエラー)を起こすのは人間の自然な行動の一部である。ヒューマンエラーが問題になるようになったのは、 @ 人間がエネルギーの大きな道具や機械を操作するにようになった、 A 分業がなされ、情報伝達が複雑になってきたためである。

○ ヒューマンエラーの防止対策
 ヒューマンエラーを防止するには、エラー発生そのものを低減させるエラーレジスタントなアプローチと、エラーが発生しても事故に至らないようにするエラートレラントなアプローチが必要である。エラー低減のためには、人が係わる作業機会自体を少なくすること、わかりやすい作業にすること、情報を共有することが必要である。一方,事故に至らないようにするためには、エラーであることに気づかせる外的手がかりのしくみを作ることが大切である。外的手がかりとしては、対象とするハードを間違わない設計にする(フールプルーフ)こと、わかりやすい表示にすること、マニュアル、手順書などを工夫してわかり易くすること、及び他の人に気付いてもらうことの4要素が考えられる。

○個人としての取り組み
 個人としては、作業スキル向上、リスク認知を高める、専門的知識を高めること及び安全文化のために何をすべきかを理解して組織で共有することが大切である。

○安全文化の確立に向けて
 安全文化の確立には、組織としての取り組みが必要である。個人の行動は、個人の利害に依存するが、安全行動は個人に利益をもたらさないとして受け取られ、かりに注意などが喚起されても、永続的な安全行動にはつながらない。組織として、安全行動の社会規範を形成することが必要である。しかし、例外規定が存在したり、遵守することに労力がかかってしまうと、遵守されないことが規範として確立してしまう。安全なシステムを確立するには事故やヒヤリ・ハットを教訓としなければならない。事故当事者を罰したり、解雇したりすることによって問題解決を図るのではなく、事故原因を明らかにし、事故防止を目指し、事故を今後の学習に活かすことが必要である。むしろ、事故当事者を免責にし、 事故原因を究明し、将来発生するかもしれない多くの犠牲を防いで公共の利益につながるようしなければならない。

との貴重なお話を頂きました。

講演会終了後のアンケートでは、
●人間は human error を起こすことが当たり前であり、これを責めたりすることは間違いであること、また、システムを構築したり、手順を定める時は human error 発生を前提にすべき事が良く分かりました。
●人間に対する暖かい思想が根底に流れていて、聞く人にやる気を起こさせてくれる講演であった。常日頃、つい目の前の対応、対策に気を取られ、高い視点、一歩引いた所からのアプローチが欠けがちになってしまう。大局的な対策を考える参考になると思います。
●「ヒューマンエラーを起こすのは、人間の基本的特性である。」との言葉はとても衝撃的に心に残りました。ミスを犯した人だけが悪いのではなく、周囲も気がついて未然にエラー要因を防ぐ試みを増やしていくことが大切だと感じました。

などのご意見 ・ご感想をいただきました。

安全情報交換会

安全情報交換会の様子

 安全情報交換会では、 株式会社 グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパンよりご要望があった 関西電力 ( 株 ) 高浜発電所 におけるピアレビューで良好事例として抽出された「 運転技術の伝承によるヒューマンエラー防止に関する取り組み」について 関西電力 ( 株 ) 高浜発電所 第二発電室 当直課長 中川 章  氏 、運営係 澤本 真 氏においでいただき、詳しくご紹介頂きました。

以 上

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