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東北電力株式会社 女川原子力発電所にて第90回安全キャラバンを実施
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 平成18年11月30日、宮城県牡鹿郡女川町および石巻市にある東北電力株式会社 女川原子力発電所において、第90回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

安全講演会の様子

 安全講演会には東北電力株式会社の社員および協力企業の方94名が出席されました。

講演会の冒頭、東北電力株式会社 執行役員 女川原子力発電所長 佐久間 洋 様から 「本日は、安全キャラバンを開催できたことに感謝している。この度、原子力安全・保安院から原子力発電所の品質保証体制の総点検指示をうけ、実効的な再発防止対策として17項目を打ち立て、原子力安全・保安院および地元自治体へ報告した。この対策は、概ね妥当であるとの理解を頂いている。
この品質保証体制総点検を通じて感じた課題は、意識改革と調達管理のあり方である。再発防止対策のひとつである品質目標のリニューアルでは3つの目標を設定した。1つは安全最優先、2つめは常に問い直す習慣、3つめはコミュニケーションである。このシンプルな目標を心に刻みながら、発電所の品質向上、安全・安定運転の継続を行い、地域の皆様の信頼回復に努めたい。
今日は、安全キャラバンでの講演、意見交換を通じて、女川原子力発電所で我々が進めている意思改革が、一段と進むことを期待している。 」 とのごあいさつを頂きました。

ご挨拶の後、日本原子力技術協会 理事長 石川迪夫から、「中国史に見るトップのリーダーシップ」と題して、郡県制度、万里の長城の建設などを推し進めた秦の始皇帝と、晋の王衍(おうえん)を例に、リーダーシップの働きと歴史の流れについての講話を行いました。

引き続き、東北大学 名誉教授 北村 正晴 様から「技術者の対社会責任と倫理」と題してご講演頂きました。

講演では、

東北大学 名誉教授 北村 正晴 様

社会と技術者、組織の間には相互作用が存在し、その関係を健全に維持することは容易ではない。健全性向上のカギは、組織の行動規範に対する社会の信頼であり、信頼こそが最重要要因であることを認識すべきである。特に原子力関係者は他産業分野以上にこの重要さを意識すべきである。
原子力事業者が、社会責任(CSR)向上の取り組みを積極的に推進しているが、最近、重大な不祥事でメディアをにぎわした企業には,CSRの仕組みが高く評価されている企業もある。すなわち、CSRなど仕組み作りを進めても、技術者に高い倫理規範が無ければ、その仕組みはいずれ形骸化してしまう。組織の行動規範も、ホンネとは乖離している場合は、仕組みの形骸化が急速に進み、企業と社会との信頼関係は損なわれてしまう。
仕組みや組織作りを進めるには、個人的要因、組織要因、社会的要因のそれぞれの影響に関心を向けるべきである。組織内で対応できるものは継続的な対応を進め、そうでないものは外部組織との双方向コミュニケーション、コラボレーションを通じての改善を進めるべきであり、社会との連携を維持できない組織では健全な事業継続は不可能である。

原子力を囲む社会的状況は厳しいが、この状況に出口がないわけではない。出口への道筋はまだ見通しを得るには至っていないが、まずは原子力技術者の行動により、不祥事の形で顕在化した問題を解消することが先決である。そのためには、個人的要因、組織要因、社会的要因を明確に認識し、 その上で、いわゆる「言えない、言う気にならない症候群」や「技術的逸脱の標準化」が蔓延しない職場環境 に努めることが重要である。
それらを出発点として、技術者が矜持と責任感を持ちつつ業務を遂行すること、その実践の中から次第に道筋が明らかになっていくはずである。そのような営為を真摯に続けることこそ、高いポテンシャルを持つ原子力技術を担う技術者の倫理であり対社会責任である。

との貴重なお話を頂きました。

講演会終了後のアンケートでは、
●「安全」は守るものではなく更に進んだ「安全」を目指すものという内容に感銘した。
●社会的にも、現在「技術者倫理」について非常に話題が挙がっているところであるので、特にコミュニケーションの重要さについて良く理解できた。
●「信頼こそが、社会構成員として企業や組織が認知されるための最重要要因であることを認識すべき」ということ「まずは組織内コミュニケーション」ということは我々が組織の一員である以上最も大事なことであるということを改めて感じた。
●現状を把握すべきとの視点は、全く同感である。「言うに言えない」等は自分を含めて問題に感じている。
●原子力性悪とするのはメディアが悪いと思っていたが、今回の内容で気持ちの変化、意識の変化に努めたい。
●他者の眼を知る。技術者は、同じ村の視点から外を見て、思考をめぐらしがちであり、私も肝に命じなければと意を新たにした。

などのご意見がありました。

安全情報交換会

(1)取組み紹介と意見交換

安全情報交換会の様子

安全情報交換会では、電力中央研究所 ヒューマンファクター研究センター長の堀江康夫様においでいただき、「実効的安全対策の維持について」と題してご紹介頂きました。
 また、東北電力 女川原子力発電所 技術課長 青木様より「品質保証体制の総点検結果の内容について」紹介がありました。 紹介の後、上記の活動や取組みについて情報や意見の交換を行いました。

(2)その他
日本原子力技術協会 NSネット事業部の有する原子力安全文化醸成に関するデータベースなどについて紹介しました。

以 上

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