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日本原子力発電株式会社 敦賀発電所にて第85回安全キャラバンを実施
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 平成18年7月20日、福井県敦賀市にある日本原子力発電(株) 敦賀発電所において、第85回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

安全講演会の様子

 日本原子力発電株式会社および協力会社の社員55名が出席されました。
 講演会の冒頭、日本原子力発電(株) 取締役 敦賀発電所長 加藤 眞治 様より「我々、原子力発電所で働くものとして、常に安全に対して自信を持って仕事をしていると思うが、特に、原電社員と協力会社の皆様が一体となって発電所を運営する上で、様々な活動を通じてコミュニケーションを行い、情報を共有し、同じ意識レベルで諸活動に取り組むことが重要であると考えている。我々は、いくつかのトラブルを経験してきたが、多くの機器がある中で異常な状態の機器を如何に早く察知し、適切な保全措置を行っていくことも安全文化の一つであると考えている。現在、敦賀2号機は調整運転中であるが、定期検査中にしっかり点検することによって異常を発見し、それを適切に処理し、次回定期検査までの13ヶ月間、安全・安定運転につなげていくことも安全文化の一つである。本日の講演を通じて、我々の仕事に何を取り入れたらいいのか、何が不足していたのかを是非とも考えていただき、これからの活動に活かして頂きたい。」とのごあいさつを頂きました。

 ごあいさつの後、日本原子力技術協会から活動状況などを紹介し、引き続き 東日本旅客鉄道(株) JR東日本研究開発センター 安全研究所 次長 楠神 健 様から
「鉄道の安全とヒューマンファクター」と題してご講演頂きました。


ご講演では、

楠神 健 氏

 人間のエラーに起因する事故防止という観点では@ベテランのエラーを理解する。Aエラーをどう防ぐのか Bチームで守る安全とは C異常時は何が難しいか。D安全文化は重要 といった点を理解する必要がある。

【ベテランエラーを理解しよう】
  新人は、慣れるにつれ、作業が上手くできるようになる。このように習熟にはよい点もあるが、一方で、無意識のうちに体が動く変化も生じ(無意識的行動)、ベテランのエラーを誘発する大きな要因となっている。ベテランのエラーをよく理解し、エラー防止を考える必要がある。

【エラーをどう防いでいくのか】
  人は作業時間中、常に最大の注意力で仕事することはできない。注意力が高まることもあれば低下することもある。そのような人間の特性を踏まえた上で、エラー防止策を考える必要がある。そのためには、エラーが起こりやすい環境・状況や自分自身の心理状態の中で、どういうときが要注意かを意識しながら作業する必要がある。

【チームで守る安全とは】
  異常時には、チーム力が大事になる。そのため、発生した異常時対応から教訓を抽出・共有し、異常時のチームパフォーマンスを継続的に向上させるためのJR型CRMを指令室で実施している。チーム全員がざっくばらんに話すことによって、互いに気づかなかった問題点がすぐにオープンになり、教訓・ノウハウの蓄積・共有や、スピーディーな改善が可能になる。この手法は現場の安全力を向上させる上で、非常に有効な方法だと思う。

【異常時は、何が難しいか】
  鉄道従事員にはダイヤ通りに運転したいといった意識がある。これ自体が悪いわけではないが、安全が脅かされる状況では、平常時の価値観から、安全を基準にした行動に転換できることが重要であり、そのためシミュレーション訓練などを実施している。

【安全文化は重要だ】
  安全文化は簡単に言うと、「安全が第一」を全社員がどれだけ本気で思っているかに帰着すると思われるが、その認識の深さには個人差がある。理解が浅いと、「安全が大事? 当たり前じゃない」といった反応になる。その理解を深めるためには、やはり事故の悲惨さの理解が大事であり、被害者やその家族の立場で事故が認識できたとき、初めて、安全の意味、安全の重要さが理解できる。

などの貴重なお話を頂きました。

講演会終了後のアンケートでは、

●JR殿の取組に加え一般的な知見等もあり、全体として理解しやすい内容だった。特にリスク・ホメオスタシス説については、個人的にも気づかされる部分があり、安全文化上の雰囲気の進化に、個人および周辺と共に努めたい。
●不安全行動を断つためには、日頃から安全意識を持つことが大切であり、自分がとるべき行動を見据えながら、安全第一で取り組んでいきたい。
●原子力発電所の安全・安定運転を行うにあたっては、鉄道業界と同様にヒューマンエラー、異常時の対応等をどうするか?というところが重要であり、本日の安全講演会は役に立った。講演内容を参考に、業務上のヒューマンエラーを防ぐために自分自身の普段の行動を見つめなおし、今後の業務に活用したい。安全の重要性を再認識した。
●ヒューマンエラーについて非常に体系的な内容であり、有意義であった。特にベテランのエラー、チームで守る安全、時間軸の行動が印象的であり、今後に反映していきたいと感じた。

などのご意見がありました。

安全情報交換会

(1)取組み紹介と意見交換
 安全情報交換会では、GNF-J コンプライアンスGr グループリーダー 吉田 賢二 様においでいただき、インテグリティを基盤とした安全意識の浸透・定着について詳しくご紹介頂きました。

吉田 賢二 氏

 また、日本原子力発電(株) 敦賀発電所 運営管理グループ GM 吉野 景三郎 様より敦賀発電所におけるヒューマンエラー防止対策について紹介がありました。 紹介の後、上記の活動や取組みについて情報や意見の交換を行いました。

(2)その他
 NSネット事業部の有する原子力安全文化醸成に関するデータベースや情報などについてNSネット事業部より紹介しました。

以 上

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