WWW.GENGIKYO.JP 
メールでのご意見・お問い合わせはこちらへどうぞ
当サイトのサイトマップです
English version
有限責任中間法人 日本原子力技術協会  
HOME 協会の御紹介 活動状況 関連情報 問い合わせ先  
活動状況
日立造船メカニカル株式会社にて第81回安全キャラバンを実施
全体
情報・分析
NSネット
規格基準
技術基盤


 Contents
理事部長
    メッセージ
   
活動内容紹介
ピア・レビュー
安全
    キャラバン
セミナー
NSネット
      ニュース

 

 平成18年5月26日、熊本県玉名郡長洲町にある日立造船メカニカル株式会社において、第81回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

安全講演会の様子

 安全講演会には、日立造船メカニカル株式会社の社員26名が出席されました。 講演会の冒頭、日立造船メカニカル 取締役 原子力開発室長 浅野 良二様から「前回の安全キャラバンは平成14年度に行っていただき、今回は第3回目である。当社は、原子力のキャスクを含む大型機器を製造しており、安全は最優先のテーマである。また、原子力では今年がチェルノブイリの20周年目に当たり、改めて安全の重要性が認識されている時だと考えている。このような時期に安全キャラバンに来ていただき、午前中の松尾先生の講演、午後の安全情報交換会を通じて安全についての考えを新たにする、また、当社の安全活動に対して貴重なアドバイスをもらえる機会を設けていただいたことに感謝している。今日は1日長丁場になるが、ご指導のほどよろしくお願いする。」とのごあいさつを頂きました。

 ごあいさつの後、NSネット事業部から、日本原子力技術協会の活動方針やNSネット事業部の活動状況を紹介し、引き続き、北九州市立大学 文学部人間関係学科 教授 松尾 太加志様から「ヒューマンエラーと安全文化」と題してご講演頂きました。

松尾 太加志 氏

 講演では、
●なぜヒューマンエラーを起こすのか?
 人間は、現実世界に適応的に生活している動物である。進化の歴史を考えると、細かな正確さが要求されるような環境で生活してこなかったため、正確さよりも効率を優先させており、正確で論理的な行為や決定ができるはずはない。そのため、エラー(ヒューマンエラー)を起こすのは人間の基本的特性である。ヒューマンエラーが問題になるのは、@人間がエネルギーの大きな道具や機械を操作するにようになった、A分業がなされ、情報伝達がうまくいかなくなったためである。つまり、人間個人の問題ではなく、情報を伝達するしくみやモノの問題である。


●ヒューマンエラーの防止対策
 ヒューマンエラーを防止するには、エラー発生そのものを低減させるエラーレジスタントなアプローチと、エラーが発生しても事故に至らないようにするエラートレラントなアプローチが必要である。エラー低減のためには、作業機会自体を少なくすること、わかりやすい作業にすること、情報を共有する ことが必要である。事故に至 らないようにするためには、エラーであることに気づかせる外的手がかりのしくみを作ることが大切である。外的手がかりとしては、対象、表示、ドキュメント、人の4要素が考えられ、それらの利用可能性、実現可能性を考慮した安全システムの構築が必要となる。 個人としては、作業スキル向上、リスク認知を高める、専門的知識を高めることが必要だが、さらに、安全文化のために何を理解すべきかを共有することが大切である。


●安全文化の確立に向けて
 安全文化の確立には、組織としての取り組みが必要である。個人の行動は、個人の利害に依存するため、安全行動はコストとして受け取られ、かりに注意などが喚起されても、永続的な安全行動にはつながらない。組織として、安全行動の社会規範を形成することが必要である。しかし、例外規定が存在していたり、遵守することにコストがかかってしまうと、遵守されないことが規範として確立してしまう。  安全なシステムを確立するには事故やヒヤリハットを教訓としなければならない。事故当事者を罰したり、解雇したりすることによって問題解決を図るのではなく、事故原因を明らかにし、事故防止を目指し、事故を今後の学習に活かすことが必要である。むしろ、事故当事者を免責にし、 事故原因を究明し、将来発生するかもしれない多くの犠牲を防いで公共の利益につながるようしなければならない。

などの貴重なお話を頂きました。

講演会終了後のアンケートでは、

●「もともと、人間は正しい決定や行為ができているわけではない」という、性悪説的な考え方は、新鮮であった。記述的規範となっているかもしれない当社の「管理規定」について、性悪説的な観点から見直して実施したい。

● 印象に残った点は @人間の歴史に於いて論理性が必要になった時期は 100 年程度 A人間はミスをするとの前提が必要。“もの”の改善が必要。“ミス”に対する評価を改める必要があるように感じた。
● ケアレスミスを防ぐためにはどうしたらよいのか、常々考えていますが、今回の講演であった「古典的精神主義」を多くの場合、実践しています。画期的方法に行き着いていないのが現状です。今回の講演でヒントを頂きましたので、参考にしたいと思います。

などのご意見をいただきました。

安全情報交換会

坂上 義満 氏

 (1)取組み紹介と意見交換
 安全情報交換会では、原子燃料工業株式会社 熊取事業所 坂上義満様においでいただき、熊取事業所におけるリスクアセスメント活動の推進について詳しくご紹介頂きました。

 また、日立造船メカニカル 安全課長 浦上 悟様よりリスク評価による安全活動について紹介がありました。

 

安全情報交換会の様子

 紹介の後、上記の活動や取組みについて情報や意見の交換を行いました。

(2) その他
 NSネット事業部の有する原子力安全文化醸成に関するデータベースや情報などについてNSネット事業部より紹介しました。

[↑]PageTop

HOME協会のご紹介活動状況設備稼働状況関連情報ご意見・ご質問

Copyright © 2005 Japan Nuclear Technology Institute, All Rights Reserved.