安全講演会 |
安全講演会には、 住友金属鉱山(株)エネルギー・環境事業部 技術センター ) 及び関係会社の社員 23 名が出席されました。
講演会の冒頭、 技術センター ・ センター長 鍋島 正宏様より、技術センターの概要のご紹介があり、「 茨城県による無通告の通報連絡訓練が既に始まっているが、このような訓練のあるなしにかかわらず、全技術センターが緊張感を持って業務にあたっている。NSネットから職場安全風土にかかわる提言を受けて例えば、管理監督者であるグループリーダーが“私の安全取り組み宣言”を行うなど、安全改善に取り組んでいる。」 とのご挨拶がありました。
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安全講演会の様子 |
ご挨拶の後、NSネット事業部より日本原子力技術協会設立の基本的考え方や活動方針、 NS ネット事業部の活動状況などを紹介し、引き続き、 北海道電力(株)泊原子力事務所原子力訓練センター所長 の大塚 英司 様 より、 「 泊発電所における安全確保への取り組み 」 と題して、ご講演いただきました
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大塚 英司 氏 |
講演会では、
○泊発電所では建設段階から現在に至るまで大切にしてきた活動がある。これらは マイプラント意識、社員は現場に、協力会社の皆様を大切に、後発のメリット、トラブルの水平展開、整理整頓、ABC運動(あたりまえのことを、ぼんやりせずに、ちゃんとやる)といったものである。 これらは特別な取組みではないが、 泊発電所では、これらのものを 長く、大切と信じ、定着し、しかも折に触れてその必要性を継続して訴えており、 泊発電所 の文化、風土と言ってもいいかもしれない。
○原子力は大きなシステムであるが、技術は基本的に確立されている。原子力においては、つまらないミスによるトラブルをなんとしても避けなければならない。従って、ルールを守り、気をつけて、責任をもって、あたりまえに業務を行うことが安全確保の鍵を握る。
○技術力は安全確保の前提であり、技術力がなければ安全を確保することはできない。泊では教育訓練の対象に協力会社を含め、技術力の維持・向上、若い人たちへの技術継承、人材育成などに不断の取り組みを続けている。
○泊発電所では美浜 3 号機事故に関連した調査の結果、肉厚管理が未実施の部位は無く、適切に管理されていることを確認しているが、事故調査委員会中間取りまとめを踏まえ、管理体制、ルール、更には作業安全確保等の確認、充実をはかることとしている。
とのお話をいただきました。
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講演会終了後のアンケートでは、
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説明内容が具体的で理解し易かった。また、経営層を含む全社員及び協力会社が一体となることが安全確保には、不可欠であることを痛感しました。 |
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規模等の違いはありますが、安全確保を第一と考えるということは共通であり特に現場の整理整頓、ABC運動を自分の現場にも取り入れて行きたいと思います。 |
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マイプラント意識、ABC運動、全員の声掛け運動、現場との良い意味での緊張感とオープンな関係(現場では誠実に対応し談笑する)など、特別なこととせずに実行していくことが安全確保につながるものと痛感し参考になりました。 |
などのご意見をいただきました。 |
安全情報交換会 |
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安全情報交換会の様子 |

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野村 紀男 氏 |
安全情報交換会では、 核燃料サイクル開発機構大洗工学センター・安全管理部安全対策課長代理 野村 紀男様より、 「サイクル機構大洗におけるリスクアセスメントの実施状況−リスクアセスメント活動の定着に向けて−」と題して、 過去の災害に学ぶという管理手法に加えて、リスクを先取りした管理手法が求められるようになってきており、そのためリスクの程度を定量的に評価し予防を行うリスクアセスメント手法に着目し、 導入経緯、採用したリスクアセスメントの実施手順等が紹介された。また、平成 16年度には導入後3ヵ年の結果を踏まえ、実効性の確認および手順の見直しを行い、この検討結果から、大きなリスクをリスクアセスメントで改善し、小さなリスクを事前のKYによって改善する等 が説明されました。
また、 住友金属鉱山(株)エネルギー・環境事業部技術センター主任技師・梅津 浩様より、技術センターにおける安全文化醸成活動の概要の説明があり、「全員がヒヤリカードないし気づきカードを出すことが奨励されており、毎週のスタッフミーティングで懸案事項の評価を行うなど、小さな職場の利点を生かして、スタッフレベルからのきめ細かい対応を行っている。また 2005年2月に安全衛生方針を策定し、リスクアセスメントを含む労働安全マネジメントシステムの導入を展開している。」との説明がありました。 |
この活動紹介に基づき、リスクアセスメントを展開する上での、種々の知見について、主として次のような意見交換が行われました。
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注意喚起は人に依存する部分でリスクを下げたことにならない。 このような理解が深まったことから、 リスクアセスメントを導入すると共に、この手法を KYプロセスにつなげ、リスクアセスメントとKYを一体化させた。 |
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リスクアセスメントを 導入して良かったのは、管理者の意識が 共有されたことであり、 作業者の問題意識が反映されるということで、現場が率先して取り組んだことである。 |
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現場KYの中身を見ると、そのレベルは種々雑多であるが、意識が変わってきた。KYは必ずフォローすることが重要と考えている。 |
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リスクの定着に関して、基本はマンネリ化しないようにすることである。3年ぐらいを目処に改善を行うことで作業者に対して意識を持ってもらうことが重要である。そしてヒヤリハットは必ずレビューすることである。目標が達成されれば、次のハードルを上げることだと思う。 |
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住友金属鉱山では、今年から全社で労働安全衛生のリスクアセスメントを開始したが、現場によってその適用方法、内容が異なっている。しかし、基本は同じで、いろいろ考えながらリスク評価・改善していくのが重要と思っている。 |
などがありました。
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以 上
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