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九州電力株式会社   川内原子力発電所 にて
第73回安全キャラバンを実施
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  平成 17年5月13日、鹿児島県薩摩川内市にある九州電力株式会社 川内原子力発電所において、第73回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

  安全講演会には、九州電力 (株)及び協力会社の社員75名が出席されました。
  講演会の冒頭、九州電力 (株) 川内原子力発電所長 段上 守様より、「本日の川内原子力発電所での安全キャラバンは日本原子力技術協会で最初の記念すべきキャラバンとなりました。当発電所は日頃から安全優先でやってきており、幸い大きなトラブルは起きていませんが、ヒューマンエラーは、出来るだけゼロに近づける意志を持つ事が大事であります。本日は、 JALで整備や品質保証に造詣の深い渡利様の講演という事でヒューマンエラー撲滅へのヒントになればと期待しています。」とのご挨拶がありました。

 

講演会の様子

  ご挨拶の後、NSネット事業部より日本原子力技術協会設立の基本的考え方や活動方針、 NSネットの活動状況などを紹介し、引き続き、日本ヒューマンファクター研究所 品質保証研究室長の渡利 邦宏  様 より、「ヒューマンファクターと安全の考え方」と題して、ご講演いただきました。


渡利 邦宏 氏

講演会では、

○安全というものは存在しない。存在するのは社会が許容する危険であり、それが許容の限度を超えた時事故となる。その許容レベルは曖昧で時間と共に変動し、また技術者と社会で異なる。
○ 安全を考える上で人間の情報処理の特徴を知る必要がある。人間は、入力情報の検知能力は高いが、中枢処理能力は低い上に単一情報処理系である。また、処理能力は意識水準により大きく異なり、適度の緊張がある場合がエラーの発生確率を極小化できる。しかしその状態は長続きしない。パイロットの場合、クリティカルイレブンミニッツというのがあって、離陸3分、着陸8分、合計 11分が最も集中を必要とする時間である。
○ 人間とは最初からエラーをしようとして行動するものではなく、エラーは人間の自然な行動の一部であるとの認識、前提でエラーの発生をできるだけ少なくする工夫が必要である
○ 連続事故の構図としては、まず成功の歴史があり、過去への過信、慢心、おごりが気づかないうちに芽を出す。その時事故が発生すると偶発と考え、問題意識を持たない。次に事故が起こるとミスは現場の問題であり、社内のメンツや保身により、まだ大丈夫との意識を持ち、社外へのメンツ、コストの観点などから消極的対策に終わる。この繰り返しで事故が再発していくと自分は関係ないとの意識をもち、社員意欲の低下が起こり、大事故へと進んでいく。従って以下が 重要である。


  @過去の栄光・慢心・おごりを捨てる。
  A失敗(ネガティブ)の経験を再発防止(ポジティブ)に生かす。
  Bトラブルを他人事と考えない。
  C上下の隔てなく、率直に意見が言える風土を築く。
  D企業にとって、安全が最優先と考える。

とのお話をいただきました。

 

講演会終了後のアンケートでは、

●予防安全に力を入れていく事の大切さが理解できました。他の部門での問題であっても自分のこととして積極的な取組みを行っていきたい。

●大変有意義な講演でした。「人間は過ちを犯すもの」という事を肝に銘じて予防安全の意識をもって取組みを進め、エラー防止につとめていきたいと思います。

●ヒューマンエラーに関する精神論的な事象を判り易く解析して下さり、ヒューマンエラーを担当する者として反映すべき事項の多い、有意義な講演でした。


などのご意見をいただきました。

安全情報交換会

安全情報交換会の様子

山手 浩一 氏
 

 

安全情報交換会では、九州電力 (株)よりご要望があった「美浜3号機二次系配管破損事故を踏まえた今後の課題と取組み」について、 関西電力 原子力事業本部 原燃品質・安全グループ チーフマネジャー 山手 浩一 様 においでいただき、詳しく紹介して頂きました。
一方、 九州電力梶@ 川内原子力発電所 技術課長 川江 隆文 様より 九州電力鰍ノおける安全文化醸成活動への取組みを紹介して戴きました。 


主な情報・意見交換として、 協力会社への委託方法に関して

●委託時は、電力から委託の目的・背景及び方針を示す。重要案件は業務のプロセスを確認し、検査も実施する。

○仕様書に詳細をできるだけ記載する方向である。また、誤解が発生しないように電力と協力会社とのコミュニケーション向上が必要である。

●特に仕様変更時の管理が重要であり、よく情報の周知徹底を図る必要がある。

などがありました。 また、必要な情報の水平展開について、

●仕組みも重要ではあるが、基本には自分の仕事に対する認識、即ち何のための業務かを理解していれば、他プラントへの影響を考慮し、幅広く見て水平展開するのではないか。

○水平展開についてもやはり安全優先の認識が根底になければならない。

●協力会社から九州電力へ改善提案を行う仕組みがある。協力会社にとっても結果的に自社作業の効率化にも繋がっている。マイプラント意識を電力、協力会社とも持っているので方向性は同じであり、毎定検多くの提案が採用されている。

などがありました。

以 上

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