1.対象事業所 (所在地) |
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株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン (神奈川県横須賀市)
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2.事業所の概要 |
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株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン(GNF−J:Global Nuclear
Fuel-Japan Co.,Ltd.)は、世界中の原子力発電所で使用される燃料の設計、開発ならびに製造を行う国際燃料合弁会社の一部として、GNF(Global Nuclear Fuel)の下で、日本の原子力発電所で使用される燃料に関する事業を担っている。
GNF−Jの前身であるJNFは、1967年に米国GEと東芝、日立製作所の燃料製造合弁会社として設立された。2000年1月に設計、開発部門が3社から移管され、日米に拠点を持つ合弁会社の一翼を担う会社となり2001年9月に社名をGNF−Jに変更した。GNF−Jは操業以来、現在に至るまで7万体以上の燃料を製造し、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、中国電力、日本原子力発電各社の原子力発電所向けに納入している。
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3.レビューチームの構成及びレビューの方法 |
Aグループ: |
九州電力株式会社、三井造船株式会社
(レビュー分野 : 組織・運営、放射線防護) |
Bグループ: |
関西電力株式会社、NSネット事務局
(レビュー分野 : 教育・訓練、運転・保守、特定評価項目)
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レビュー方法:上記分野について、現場観察、関係者との面談および書類確認 |
(株)グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン |
レビュー状況 |
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4.レビュー結果 |
(1)主な結論 |
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今回のレビュー結果を総括すると、原子力安全の面で直ちに改善措置を施さなければ重大な事故の発生に繋がるような項目は見出されなかった。 |
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同社では、ISQO(Integrity-Safety-Quality-Output)の理念に基づく「保安品質方針」が定められ、この方針及び方針を受けた行動基準に基づく諸活動を展開し、社長をはじめ全社員が安全確保に取り組んでいる。また、コンプライアンスに関しては、オンブズパーソン制度の積極的活用、定期的な「インテグリティ教育」などにより取り組んでいる。さらに、環境・安全・衛生の活動手引きとして「EHSハンドブック」を全従業員に配布し活用するなどして安全意識の徹底に繋げている。 |
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今後も現状に満足することなく、なお一層の安全文化の向上を目指してさらなる自主保安努力を継続していくことが望まれる。 |
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(2)良好事例及び改善提案 |
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今回のレビューにおいて、NSネットの他の会員さらには原子力産業界に広く紹介されるべきいくつかの良好事例を見出した。一方、安全文化の更なる向上に役立つものとしていくつかの提案を行った。
良好事例*1と改善提案*2の一覧は次のとおり。 |
○良好事例 |
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レビュー分野 |
良好事例の概要 |
組織・運営 |
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環境・安全衛生・原子力安全に関する情報を集約した小冊子「EHSハンドブック」の作成及び活用 |
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オンラインによる改善報告システムの運用 |
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安全衛生活動推進のためのポイントカードの導入 |
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教育・訓練 |
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「e−ラーニング」方式による現業部門以外の従事者への自習教育 |
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運転・保守 |
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作業経験からの知見等の教育訓練プログラムへの活用 |
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「インテグリティ教育」による意識の浸透、定着 |
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特定評価項目 |
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作業安全分析(JSA)による危険要因・リスクの抽出及び対策の実施 |
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○改善提案 |
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レビュー分野 |
改善提案の概要 |
組織・運営 |
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教育・訓練 |
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教育終了後のフォローと結果の次回教育への確実な反映 |
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運転・保守 |
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設備改造時における設計要求事項の反映審査の具体化 |
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設備改造後の文書類の見直し方法 |
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5.相互評価報告書 |
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相互評価報告書本文及び参考図は、こちらをご覧下さい。
●相互評価報告書本文(PDF形式: 157KByte)
●参考図 |
以 上 |
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*1 良好事例 |
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当該事業所の安全確保活動のうち、的確かつ効果的で独自性のある手法を取り入れている事例であって、NSネットの会員さらには原子力産業界に広く伝えたい、優れた事例を示したもの。 |
*2 改善提案 |
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原子力の安全性を最高水準へと目指す視点から、原子力産業界でのベストプラクティスに照らして、当該事業所の安全確保活動をさらに向上・改善させるための提案などを示したもの。そのため、現状の活動が原子力産業界の一般的な水準以上であっても、改善提案の対象として取り上げる場合がある。 |
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