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東京電力株式会社 福島第二原子力発電所にて
第70
回安全キャラバンを実施

 平成 17年 1月 31日(月)、東京電力株式会社 福島第二原子力発電所において、第70回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

 安全講演会には、東京電力(株)及び協力会社の社員 92名が出席されました。


 講演会の冒頭、東京電力梶@福島第二原子力発電所 副所長 野村 正博 様より、「本日の福島第二原子力発電所での安全キャラバンは第70回とのことです。
  午前は熊本大学の吉田先生による「組織の安全管理と人間理解」の安全講演があります。午後の意見交換会と併せて良い機会なので、今後の我々の業務に是非参考にしたいと思います。」とのご挨拶がありました。

 

安全講演会の様子

 ご挨拶の後、NSネット事務局長の町田よりNSネットの活動を紹介し、引き続き、熊本大学 教育学部附属教育実践総合センター 教授 吉田 道雄 様より、「組織の安全管理と人間理解 −ヒューマン・エラーのグループ・ダイナミックス−」と題して、ご講演いただきました。

吉田 道雄 氏

講演会では、

 組織の安全管理と人間理解の観点から安全文化醸成に関し以下の通りご講演頂きました。

  ・機器や設備の設計と運転は、Fail-safeで、それを運用する人間はFeel-unsafeでいきたい。つまり「何かおかしい」と感じたら、それは「危険ではないか」と考える感受性が求められているのである。自分の思い過ごしや間違いなどといった判断はしない方がいい。
・安全に関する「知識」がなければ、安全を確保しようがない。しかし、「知識」があっても事故は起こる。そこに、「知識」を生かす「意識」が必要であり、さらに「意識」が「行動」になってはじめて安全が実現する。
・間違ったら謝ることに快感を覚えるような組織・環境が大事だ。こうした職場風土がなければ、ミスや事故につながるヒヤリハット体験も表に出てこない。
・組織を脅かす悪魔の法則が5つある。(「慣れ」、「経験の誤った一般化」、「記憶の加工・物語づくり」、「マニュアル違反でも事故らない」、「マニュアルを守っても事故る」。)
・個人の平和、幸せ、健康、安全(PHS)が確保できてこそ組織のPHSが実現できる。モラルの崩壊の前にモラール(士気)の低下が現れる。モラールアップにはリーダーシップの有無が大きく作用する。人的要因の基礎は対人関係とリーダーシップである。
・ヒューマンエラーをゼロにするには仕事をしないことである。それでは問題の解決にはならない。ヒューマンエラーによる重大な事故のリスクがあるということは、それだけ重要な仕事をしているという証でもあり、原子力発電所は、まさにそうした組織なのである。その意味で、みなさんは自信と誇りを持って仕事にあたっていただきたい。

とのお話をいただきました。

 

講演会終了後のアンケートでは、

「仕事をする上でヒューマンエラーは起きる。」の言葉が印象に残りました。ヒューマンエラーを少なくするには、原因の分析、おかしく思ったら立ち止ることが大切であり、今私たちが取り組んでいることそのものと感じました。

原子力分野以外での経験を交えてお話を頂き、業務の参考となりました。ただし、私たちが今回の話を現場にどのように反映できるかがポイントであると考えております。
原子力安全管理について、次の点を興味深く聞くことができました。ハード的なFail Safeのみならず、使用する人間の判断も同様にすべきこと。Moral以上にMoraleを優先させること。集団として成果を上げるための因子として、人的要因(リーダシップ、決定に参加、プライド、満足感)が大事なこと。安全の意味として安心も含まれること。組織に関する事故には、集団(ルール等)と個人(自分)の関わり方(発言)が重要であること

などのご意見をいただきました。

安全情報交換会

安全情報交換会の様子

飯開 宏一 氏
  安全情報交換会では、九州電力梶@玄海原子力発電所 安全品質保証第二統括室課長の 飯開 宏一 様においでいただき、「玄海原子力発電所における安全文化醸成活動への取組みについて」紹介頂きました。
  また、東京電力梶@福島第二原子力発電所 タービングループマネージャー の森 浩明 様より「美浜3号機事故に対する取組みについて」の紹介も頂き、併せて安全文化や職場のリーダーシップなどについても意見交換しました。

主な情報・意見交換として、

九電殿の現場第一主義に関して協力企業事務所の隣接立地も重要な役割を待っていると思う。九電殿の場合、立地をうまくコンパクト化されている。

リーダーシップは訓練によって改善できるが、その人の性格もあって、行動の変化に時間のかかる人とそうでない人がいるのは事実だ。しかし、変われることを信じながら継続していくことが重要だ。例えば部下から20個の要望が出たとして、自分で納得し、自分でまずできる1〜2項目でも部下に見えるようにやってみると、他の項目についても部下からの評価が良くなってくるものだ。また、自分の視点にも変化が生まれる。
パイロットの仕事は、見方によっては単純でおもしろくなさそうな作業から構成されている。人の指示がないと1mすら動けないし、狭い空間で、多くの手順に従い、注意を集中するのは初めと終わりだけのように見える。しかし、パイロットは人や物を安全・確実に運ぶという使命を持ち、誇りを持って仕事をしている。運転員も同様に自分たちの作業に対する意味づけをしながら、誇りに繋げていけるようになるといいのではないか。

などがありました。

 

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以 上

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