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第9回管理者セミナーを実施

 平成16年11月9日に東京都千代田区の大手町サンスカイルームにおいて、会員の管理者クラスを対象に第9回管理者セミナーを開催し、約90名の方に参加いただきました。
 今回のセミナーでは、「重大事故から教訓を学ぶ」をテーマとした2つの講演を行い、会員組織の安全風土の更なる改善に役立つ興味深いご講演をいただきました。

 

講 演

東洋英和女学院大学 岡本 浩一 氏

 

NSネット町田事務局長の挨拶に引続き、笠井安全部長、西野交流部長から活動成果報告後、東洋英和女学院大学人間科学部教授の岡本浩一氏から、 「JCO事故の分析と無責任の構造」と題し 、JCO事故の経緯、組織的な背景要因、無責任の構造に陥る企業風土とその克服の方法などについて、ご講演いただきました。講演では、

● 事故発生に至る作業工程の変遷、3年半の注文途絶とその間の実働部門に重点を置いた経営合理化、新しい作業者による業務再開、作業者への教育活動の欠如等の他に、象徴的なリーダーと実務的リーダーによる“二階建てリーダーシップ”にも問題があった。また、意志決定機構にも構造的問題があり、安全のチェック機能が働かなかった。

●無責任の構造に陥りやすいのは、ある一つの原理で物事を割り切ろうとする“権威主義”やその変形である“属人思考”がはびこっている風土である。あるドグマをつくると、他のことまでそれで割り切る教条主義、前例のあることで無条件に良しとする因習主義、形式で中身の議論を押し切る形式主義は、権威主義の構成要素である。 個人の権威主義が、風土を権威主義的にし、それに適応する権威主義的な人が組織に残り、風土も手続きもますます権威主義的になるという循環に陥る。属人思考は、意志決定において“人による判断”が“ことがらによる判断”に優先するもので日本に多い。過剰な属人的風土が起こってくると、採算重視、安全軽視が起こりがちである。組織的違反を減らすには、属人風土を改善することが必要である。

●意思決定には人間の持っている心理的なバイアスが影響する。組織面からは、意思決定の手続きを管理する必要がある。

など、注意すべき事項の具体例を挙げて説明された。



コンピュータソフト開発(株)小島 重雄 氏

 

次に、コンピュータソフト開発(株)信頼性技術グループ主管の小島重雄氏から、「コロンビア事故の教訓と組織の安全風土」と題し、スペースシャトル・コロンビア号事故の発生原因及び組織的な背景とわが国への教訓などについてご講演いただきました。講演では、

● 事故の物理的原因として断熱材落下による左翼前縁の熱防護システムの裂目、組織的要因として安全情報の伝達を妨げたり、専門的意見の相違を抑圧する組織的障壁があったこと、計画を横断的・統合的に管理していないことや組織の規則に則らない意思決定プロセスの存在などがあげられる。

● 事故の教訓として、@組織文化、安全文化の実態把握と改善、A独立した安全評価体制、Bリスク情報の伝達・利用の改善が必要である。

● 米海軍の良好事例(ミスからの学習、少数意見の奨励など)に言 及し、組織の安全風土を構築する方法として、@意思決定プロセ スの民主化、独立安全技術組織の導入、A誤った意思決定を招 く組織風土のチェック、B後追い的対応ではなく、リスクの予見とリスク対応能力の準備と組織化が必要である。 など、詳細な紹介をいただきました。

 

 講演終了後のアンケートでは、

東洋英和女学院 岡本氏の講演

● JCO事故については他に種々の報告等を読んでいるが、組織の在り方という観点から問題点の整理が大変良かった。

● JCO事故の事故調査報告やその影響に関して、原子力に携わるものとして認識していましたが、今回のご講演を通して組織風土やトップマネジメントの重要性を新ためて痛感しました。

コンピュータソフト開発(株)小島氏の講演

● NASAの活動や組織などが詳しく紹介され有意義なご講演でした。先端技術の象徴であるNASAがリスクマネジメントや意思決定プロセスが必ずしも秀れていないことが判りました。原子力分野を含め、安全文化はまだまだ途上にあることを再認識しました。

●「海軍の良好事例」並びに「安全〜」と名称よいも「リスク〜」という名称の方が何をやるのか分り易いということが特に興味あるところであった。

など、多数のご意見をいただきました。  

 

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