安全講演会 |
安全講演会には、富士電機システムズ(株)及び協力会社の社員約70名が出席されました。
講演会の冒頭、富士電機システムズ(株)発電プラント本部 原子力統括部長 秋定俊裕氏より、「原子力関係に限らず、安全を守ると言うことは、あらゆる分野で一番大切なことと皆様も承知されていると思います。
安全を守るには、品質マネジメントシステムを築き、それに則り業務を遂行することや、遵法にまつわるルールの遵守など、仕事を行うための仕組みが大切であり、その仕組みに対し心を込め、安全意識を高く持ち続ける必要があると思います。
本日はご講演、NSネットの活動紹介の中から、その仕組み、仕事のやり方などについて参考にさせて頂き、安全に対するモチベーションを高めていきたいと思います。」とのご挨拶がありました。
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安全講演会の様子 |
ご挨拶の後、NSネット町田事務局長よりNSネットの活動を紹介し、引き続き、電力中央研究所ヒューマンファクター研究センター上席研究員の長坂 彰彦氏より、「ヒューマンファクター面からみた設計要求事項について」と題して、ご講演いただきました。
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長坂 彰彦 氏 |
講演会では、
ヒューマンファクター面からみた設計要求事項について、電力中央研究所で行った研究成果をもとに、制御盤の設計を行ううえで必要なヒューマンファクター面からみた設計要求事項について、詳細にご紹介頂きました。
『ヒューマンファクターが生まれた背景として,組立ラインで働く作業者の人間疎外の問題や,第二次大戦中の戦闘機の激突事故がある。機械がすばらしいものであっても、人間が扱い難いものであれば不測の事態が生じる。ヒューマンファクター面からみた設計要求事項としては,「人間を機械に合わせるのでなく,機械を人間に合うように設計する」という思想のもとさまざまな課題に対処している。
これらの要求事項は今まで色々な分野で研究されている。古くから取り組んでいるのはアメリカ国防省で、その研究成果はNUREG-0700などの文献にまとめられている。
電力中央研究所では、日本工業規格、日本電機工業会規格、NUREG-0700などを参考に「現場制御盤に対するヒューマンファクター面からみた共通要求事項」を整理した。この共通要求事項には、器具の取り付け高さ等を考慮したパネルレイアウトや、計器,操作スイッチ等を配置する際の一般的なパネルレイアウト、また、色の表す意味に関する一般原則等をまとめている。
ヒューマンファクター面からみた設計要求事項を考慮し、実際に紙面上で設計した非常用ディーゼル発電機制御盤では、表示器具や操作器具を適正な高さに設置したり、機能毎にグループ分けすることなど、人の身体機能,生理機能,習慣などに合致する設計としている。』
とのお話をいただきました。
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講演会終了後のアンケートでは、
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安全を確保するためには、設計者等が使いやすさなど、使用者の立場に立った配慮をしていくことが重要であると思う。安全意識の向上は、「人間は間違いやすいもの」といった前提に立ち、運転者、使用者のことを考える「思いやり意識」から生まれるのではないかと感じた。 |
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人間工学の問題は昔からいわれており、今後も検討を進めていかなければならない問題だと思う。プラントの顧客ごとにも要求が異なる面もあるため、よく調整が必要となる。 |
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身体機能、生理機能、習慣を考慮したシステム設計の重要性を認識した。機械を人間に合わせる思想を会社での設計に植え付けていきたいと感じた。 |
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人間工学に基づく設計を考慮することは、今まで「使いやすさ」という点では気に留めていたが、それにより誤操作(ヒューマンエラー)の低減につながるという考え方は「なるほど!」と思いました。慣行に基づく感覚的な機器の動作に対して、操作スイッチの動作等が異なっている場合は、特に分かりやすい操作表示を行う必要があると感じた。特定の業種の場合、通常考えられる人間工学とは異なる慣行があるのではないか?ということも考慮した設計を行うことも、時には必要なのではないかと思った。 |
などのご意見をいただきました。 |
安全情報交換会 |
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安全情報交換会の様子 |

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鈴木 敏雄 氏 |
安全情報交換会では、富士電機システムズ鰍謔閧イ要望があった鞄立製作所 日立事業所における相互評価で良好事例として抽出された「設計部門の情報伝達・設計管理のIT化」について、 日立製作所 電力グループ 原子力事業部 原子力品質保証統括部長 鈴木 敏雄 氏においでいただき、詳しくご紹介頂きました。
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主な情報・意見交換として、
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設計・研究案件などの書類も全て設計ドキュメント管理システムの中に登録されているのですか? |
○ |
設計ドキュメント管理システムはワークフローに従って作成されており、全て登録されています。 |
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設計ドキュメント管理システムへは担当者個人個人が登録するのですか? |
○ |
登録センターでドキュメントを受付登録しています。 |
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登録センターへ提出するのは原図(紙)で行っているのですか? |
○ |
原図(紙)で行っています。登録後は電子化した電子媒体を原本として扱っています。 |
などがありました。
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以 上
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