安全講演会 |
安全講演会には、日立製作所および関連会社の社員約 180 名が出席されました。
講演会の冒頭、日立事業所長 山田 保夫氏より「 技術者の倫理、あるいは企業倫理という観点で札野先生のお話を参考にさせていただいて、仕事あるいは生活にぜひ生かしていきたい と思います。」とのご挨拶を頂きました。 |

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講演会の様子
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ご挨拶の後、NSネット町田事務局長より、NSネットの活動を紹介し、引き続き、金沢工業大学 工学部 教授の札野 順氏より「 技術者倫理と企業倫理−価値の共有を目指して− 」と題して、ご講演頂きました。 |

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札野 順 氏
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講演では、
技術者倫理とはいったい何なのか、技術倫理に関連する事件、技術者倫理と企業倫理という問題、そして、企業倫理の中でいったいどういうことをやっていかなければいけないのかという価値共有プログラムについて紹介があり、技術者にとっての倫理は周辺領域ではない。技術者は、医者や弁護士と同じ知的な専門職業であり、 自分の行動=倫理をどのように作り上げるかは、自分の存在意義に関わる中核的な問題である。 組織では、技術者が内部告発をしなくてもよい、追いつめられなくてもよいような組織、倫理プログラムを作っていく必要がある。 倫理プログラムというのは、効果的なマネージメントであり、国際的なビジネス・スタンダードになっていく。
とのお話しをいただきました。 |
講演会終了後のアンケートでは、
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「価値のバランス」というキーワードについては、現場技術者が日々悩みながら業務を遂行する中で解決策として大変参考になりました。 |
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普段から倫理、コンプライアンスという言葉を毎日のように聞いているが、それについて深く考えたことはなかった。(ただ守れば良いという考えでしかなかった。)講演を聞いて複数の価値のバランスをはかることという考えが新鮮で全くその通りであると強く感じた。 |
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倫理についてはやはりかたいイメージがあります。少しは理解出来たとは思いますが、価値の共有とかも含め個人ベースではなく全体としての意志の統一には、時間も必要かと思います。また、指導者的な人による道の提示も必要かとは思います。 |
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講演の最初に技術者倫理とはべからず集ではなく、価値のバランスであると言われた時から非常に共感して聞き入りましたが、更に参加型の講演で最後まで興味を持って聞くことができました。今日出席できなかった部下の人達へも是非内容を伝えられる機会を設けたいと思います。 などのご意見を頂きました。 |
など、多数のご意見をいただきました。 |
安全情報交換会
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安全情報交換会の様子
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(1) 良好事例の紹介と意見交換 |
安全情報交換会では、日立製作所よりご要望のあった三菱重工業 神戸造船所における相互評価で良好事例として抽出された「 調達先等協力会社との良好な意志疎通」について、三菱重工業 神戸造船所 品質保証部原子力品質保証課 主席チーム統括 江畑輝雄 氏においで頂き、より詳しくご紹介頂きました。 主な情報・意見交換として、
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このQA/QC交流会のきっかけ、特に何かあって、こういうきっかけでこういうことをやろうと、そういうのがあったら教えていただきたい。 |
○ |
きっかけというのは、品質月間の活動として社内だけでは狭いので、調達先の皆さんとのいろいろな意見交換をする場が必要だろうという発想で実施しております。 |
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最近はホームページとかメールとかで情報を流したらたくさん一度に送れるというかたちがあるのですが、あえて交流会を年に1回、これだけの 200 社とか何百人ぐらい集めてやるというのはやはりそれ だけのメリットがあるからと考えていらっしゃるのですか。 |
○ |
調達先の皆さんとのインターネットを通じた情報伝達も行っておりますが、やはり最大に違いますのは、交流会では一方通行ではなくて皆さんの意見が聞けますし、メーカー間の意見交換にもなっています。 |
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案内を出されるメーカーさんの対象のクラスというのは、相手にお任せするのか、あるいは「幹部レベルとしてください」とか、「担当としてください」とか、お願いしているのですか。 |
○ |
それは私どもから出席者のクラスはお願いいたしません。品質保証部門のトップの方に案内をお出しするわけですが、どのクラスの方が来られるのかは調達先の皆さんにお任せいたしております。 |
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一次の会社しか参加されないということですが、二次以降の会社への伝達事項みたいなのはどのようにやるのですか。 |
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二次・三次の方へはQA/QC交流よりは、個々のプロジェクトでのコミュニケーションが重要と考えておりますので、一次メーカーの方に確実に伝えていただくようにしております。 |
などがありました。
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(2) 安全文化醸成活動紹介 |
日立製作所から 最近の日立における原子力安全文化醸成活動の紹介ということで、コンプライアンス推進活動 [ @遵法教育講演会の実施、A倫理相談窓口の設置、B不適切/注意事項の事例のデータベース化、C業務成果発表会でのコンプライアンスの浸透活動PR ] と安全・品質強化運動 [ @幹部の現場巡視、A基本ルールの遵守・徹底についての現場での指導、事例検討会の実施、B各職制の職務の明確化、事前検討会の充実、作業要領書の総点検、工事用設備・道工具の総点検、それから作業の改善提案の活動推進、C情報共有・連絡の徹底 ]について紹介されました。 |
(3) その他の情報の紹介と意見交換 |
NSネットより、原子力安全文化醸成に関する情報として、会員用Webサイトにある各種データベースについて紹介しました。 |
以 上
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