2002年11月20日 NSネット
2002年10月2日から4日の間で三菱電機(株)電力・産業システム事業所(神戸市)に対して実施した第25回ピアレビューにおいて、NSネットの会員外から生活情報評論家である井上チイ子氏(WARP理事長)に二日間(10月2日及び3日)にわたりオブザーバー参加頂きました。その際のご意見・ご感想が以下の通り取りまとめられましたので、ご紹介致します。
1.ピアレビューの進め方に対して
(1)オブザーバーのあり方について
専門家ではない自分が第三者オブザーバーとしてピアレビューに参加した結果、下記のようなことを感じた。
@
ホスト(レビューを受ける組織)とレビュー者については、役割に対する対応人員等のボリュームは相応だったと思われるが、第三者オブザーバーについても役割に相応するボリュームとした方がいいと思う。
A
専門家でないオブザーバーの場合は、1人でレビュー全体をカバーすることが難しいので、複数人の参加(オブザーバーチーム的なもの)が必要と思う。
(2)レビュー者について
バランスよく様々な視点からレビューができるように、視点の異なるレビュー者(例えば、女性を参加させるとか)も必要ではないかと思う。
(3)説明にについて
効率的な時間配分を考えたためと思うが、ホストからの説明は管理者が整然と行っていた。なんとなく形式的に見えるので、実務者が説明し、さらに管理者から補足して頂いた方がいいと思う。
現場確認はレビュー者2人にホスト側1人くらいの割合で付いて説明をして頂いた方がレビュー者側の質問もしやすいと思う。
2.安全活動に関する感想 (ピアレビューを通して感じたこと)
(1)安全・安心意識について
原子力に携わる人達にとっては、原子力は最高のレベルで作っているのだからこれで十分なのだと思うかもしれないが、原子力に関する安全の要求度というのは、市民の心情としてそんなレベルではなく、安心できるものでなければならない。安全・安心文化が必要だ。
市民的な目線で見ると物事の安全というのは技術レベルに対して思うものであり、このような人達の思いと技術で作っているのであれば、市民が安心して受け止めることができる。それが安全・安心文化であり、そういう風に両面で捉えて物作りをして頂ければと思う。
B
“お客様は誰ですか?”と考えて欲しい。今、社会のキーワードはトレーサビリティだと思う。一体これは誰が作って、どういうところにコンセプトがあって、そこには、最良の品質、これ以上の品質は世の中にはないという安心を届けてくれるとか、ブランドとしての誇りを届けてくれるというものが私達の所に来た時、初めて品質を信頼するということになる。
(2)三菱電機に対しての感想
三菱電機が品質管理に力を入れているのが良く分かった。即ち、いろいろな仕組みをたくさん構築しており、社内の風通しも非常によく、トラブルに対する体制、ホットラインの設置、管理職の研修等々本当によくやっておられる。 工場も綺麗。
3.オブザーバー: 井上 チイ子 氏 (プロフィールは別紙参照)
(1)参加ピアレビュー (場所)
第25回ピアレビュー (兵庫県神戸市)
(2)参加スケジュール
2002年10月2日から4日のレビュー期間中の内、2、3日の二日間
氏 名
:
井上 チイ子(いのうえ ちいこ)
職 業
生活情報評論家
女性職能集団 WARP理事長
主なご経歴
高等学校生物学教諭
サンケイ教育新聞編集委員
千里山生活協同組合理事、商品開発委員長
女性のための就業セミナー開設
くらし学講座開設
元 姫路独協大学地域センター講師
元 三田市女性センター所長(H8.11〜H12.3)
公 職
大阪放送局審議委員会
川西市女性問題懇談会座長
西宮市女性問題懇話会委員
厚生労働省(兵庫県雇用均等室協助員)
内閣府市民参加懇談会委員
(財)社会経済生産性本部「フォーラムエネルギー」を考える会会員(ETT)
原子力委員会市民参加懇談会企画メンバー
前 宝塚市労政審議会委員
前 香芝市女性施策懇話会座長
元 三田市女性行政改革審議会委員
元 雪印(株)経営諮問委員会委員(H12〜H13.3)
著 書
「台所からの女性学」(共著)
「コンシューマリズムと女性の労働」(論文)
「高齢女性の社会参加」(共著)
専門とされる分野
エネルギー環境問題、女性問題、女性の就労(再就職)、
能力開発、仕事づくり生涯教育と学習地域活性化リーダー養成、
地域づくりまちづくり人材活性化
受 賞
国際ソロプチミスト宝塚賞(女性の地位向上)
宝塚市市政四十周年市民功労賞(女性の地位向上)