安全講演会 |
安全講演会には、志賀原子力発電所の所員および協力企業の社員約120名が出席されました。
講演会の冒頭、志賀原子力発電所長 千代鴻一郎 氏より「NSネットの安全キャラバンなどを通じて、安全に関する気持を再確認し、また、常日頃から安全の意識を持ち続けることは大変有意義。原子力産業は、戦後、民間の原子力の平和利用ということで、新技術を開発しつつ今日まで至っている。一方、航空機産業においても、戦後のジェットエンジン〜人工衛星の開発という、正に原子力産業と同じような道を歩み、これを安全かつ品質上信頼性のあるものに構築する仕事に従事されてこられた小早川さんのお話しは、我々にとって安全確保の今後の考え方・指針となる有意義なもの。本日の講演を今後の業務の参考にしたい」とのご挨拶がありました。
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講演会の様子
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挨拶の後、NSネット田中安全部長よりNSネットの活動を紹介。引き続き、三菱重工業株式会社 技術顧問 小早川 真也 氏より「人工衛星打ち上げ用ロケットの品質保証について」と題して、ご講演いただきました。 |

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小早川 真也 氏
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講演では、
航空宇宙産業に長年に携わってきた豊富な経験より、宇宙開発の目的、H-UAロケットの概要及び品質保証についてご紹介頂いた後、今後の宇宙開発に向け、製造(含む検査)及び品質管理面からの取組みについてお話がありました。製造面では溶接のミニマム化(機械加工での一体化)、品質管理面では、「品質ヒヤリ・ハット」の収集と活用、バリデーションツリー法によるヒューマンファクター分析、顧客/メーカ情報システムの拡充などに取組んでいる旨の紹介がありました。
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講演会終了後のアンケートでは、
●今回の講演は、単なる品質保証の枠を超え、技術開発全体に及ぶ話として大変参考となる講演でした。多重化が重量軽減化上困難なシステムにおける試験、検査による品質保証の方法についても興味深いものがありました。
●設計から製作、打ち上げ直前後に至るまで厳しい品質保証がなされていても、失敗することがあり、とても大変であることが分った。原子力発電所でも同様で、今後さらに安全意識を高めて業務を行っていかなければならないことを痛感した。
●安全裕度を多くとる原子力発電所と、ギリギリの設計であるロケット。基本的な設計思想は違うが、品質保証や危機管理は同様に感じました。大変な業務と思いますが、今後の日本の未来のため頑張って欲しい。
など、多数のご意見をいただきました。 |
安全情報交換会 |
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安全情報交換会の様子
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安全情報交換会では、志賀原子力発電所より要望があった関西電力(株)大飯発電所における相互評価の良好事例「パフォーマンス指標の効果的な運用による安全文化醸成」及び「大飯発電所 第一・第二発電室 安全活動について(技術伝承DB・定検操作DB)」の2件について、 大飯発電所から竹越和久 氏、田中利博 氏、伊藤幸典 氏の3名にお出で頂き、詳しくご紹介頂きました。
その後、良好事例の内容について、活発な質疑、情報・意見交換がなされました。続いて志賀原子力発電所から原子力安全文化醸成に関する取組みについて紹介があり、その後、情報・意見交換を行いました。
主な情報・意見交換として、
●安全文化・モラル研修の対象者や頻度は(NSネット)
○所員全員を対象に実施しており、今年度から新入社員に対しても新入社員教育にてモラルについての教育を実施している。また、金沢工業大学 札野教授にご講演を頂き、ビデオ等を用いた研修を紹介して頂いた。現在、良い教材を探しているところである。(北陸電力)
●協力会社の安全意識を高めるためどのような活動を行っているのか(関西電力)
○協力会社と協議会を設置し、随時安全について紹介している。また、協力会社の上層部とは特にテーマを決めずにミーティングを行っている。協力会社同士の横の情報交換が少ないようなので、お互い良い情報が得られる。(北陸電力)
などがありました。
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以 上
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