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1.NSネットの活動紹介 |
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NSネットの安全部長 田中靖久
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2.米国産業界における企業倫理の実態に関する講演 |
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・「米国産業界における倫理プログラムに関する調査について」
サウスウエストリサーチインスティチュート
応用研究本部 ディレクター グレン・ライト 氏
・「テキサスインスツルメンツにおける企業倫理への取組みについて」
テキサスインスツルメンツ副社長
倫理・コンプライアンス部門担当ディレクター デビッド・リード 氏
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グレン・ライト 氏
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デビッド・リード 氏
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ライト氏の講演では、ボーイング社、ロッキード・マーチン社など米国産業界を代表する企業や原子力関連企業に対して実施した倫理プログラムの実態、その有効性などの調査結果についてお話がありました。
「全ての企業において、"Corporate Culture(企業文化)"がその倫理プログラムを支え、かつ企業文化は、経営トップの積極的なサポートを基礎に構築されるものと信じられている。例えば、『従業員は、だれでも安心して、内部の問題提起ができる風土がある』ということである」
「調査対象全ての企業において、社員がその企業倫理プログラムの有効性について肯定的な考えをもっており、企業としてもその倫理プログラムが成功しているものと信じていた」
一方、リード氏の講演では、テキサスインスツルメンツ社の企業倫理の歩み、具体的な倫理プログラムの内容及びそれを効果的に実効するためのリーダーの役割など、同社の企業倫理への取組みについてお話がありました。
「TIでは、倫理メッセージ 『"Integrity(誠実)"が、企業活動と全ての意思決定において重要なものであり、これは、明確な期待、目に見える行動、そして的確な認識に基づく環境において育まれるものである』を発信し、社員に対し『常に"Integrity(誠実)"であれ』と指導している」
「倫理プログラムを効果的なものとするには、リーダーが企業倫理遂行上の率先者"チアリーダー"となり、社員に対し頻繁に"TI value"について話をし、彼らの頭の中にそれを思い描くような環境を作るようにしている。また、全ての社員に対し、倫理的な問題について『常にアンテナを張る』ようにと言っている。すなわち、倫理問題について、常に関心を持って、適切な行為かどうか判断するということである」
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講演終了後のアンケートでは、
「"倫理プログラム"という言葉は非常にむずかしい言葉というイメージであるが、米国における倫理への取組みを聞かせていただき、倫理観をいかにして全社員に伝えて確実なものにするか、また、トップも含めたコミュニケーションを日常業務の中で展開していく必要性をあらためて認識した」
「技術倫理は、米国でかなり進んでいると聞いていたが、米国企業では一般の倫理/コンプライアンス・プログラムの中に含まれ、特別なプログラムはないという話は意外であった。今後は、日本型の技術者倫理プログラムはどうあるべきか、会員間での議論に期待したい」
「T I 社における価値観と企業倫理を通して感じたことは、職場において最も大事な事は、何事についても個々の意見を発言でき、またそれを聞いてくれるようなオープンな雰囲気であることと、自分の仕事に誇りと責任を持つことであるいうことを再認識した。また、マニュアル化を追求するより、誠実な人間をつくる方が効果があるとするT I の方針に感銘した」
「Business Ethics を推進するにあたって、全てに詳細のRuleを決めてしばるのではなく、同じ価値観を社員が共有するというところにpointが置かれている説明に共感しました。また、具体的小冊子を作成し『すぐれた論理はすぐれたビジネスに通じる』との理念で企業活動を行っているところは、多いに参考となる」
など、多数のご意見をいただきました。
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ピアレビューの良好事例紹介
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良好事例紹介の様子
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その後、会員を代表して四国電力(株)、日本原燃(株)、日本原子力研究所の3会員から、それぞれの事業所で実施されたピアレビューで見出された良好事例の中から、「協力会社も含めた『伊方ネット21』活動の発足」(四国電力)、「パソコン利用による緊急時の召集及び通報連絡システム構築への取組み」等(日本原燃)、「原子力事業所安全協力協定(東海ノア)による各原子力事業所の安全確保」等(日本原子力研究所)が紹介された後、会場の参加者との間で意見交換が行われました。
以 上 |
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