
専務理事の鈴木康郎です。
当協会は、設立後4年を経過し、これまで中心としてきた安全文化の推進、情報の収集・分析・活用、民間規格の整備の3本柱の活動に加え、新保全プログラムに係る電力共通技術基盤の整備と原子力技術者の育成・維持についても本格的な取組みを開始しました。また、原子力産業界を取り巻く環境の変化や会員の皆様の要請に対応して、「中越沖地震後の原子力機器の健全性評価委員会」の活動や日本原燃の特定評価等も実施しています。今後もこのページを見ていただいている皆様とのコミュニケーションを大切にしながら取り組んでまいりたいと思います。
また、今までの活動を振り返ると共に、原子力産業界を取り巻く状況や将来の展望を踏まえて、「日本原子力技術協会 中長期ビジョン−自己改革、さらに期待に応える組織に−」を取りまとめました。内容は是非実際の「ビジョン」を手にとってご一読いただきたいと思いますが、この「ビジョン」の検討を通じて改めて強く感じましたのは、会員の皆様との「協働」という考え方が極めて重要だということです。これは当協会の業務が原子力産業界の共通の技術的課題への取組みの一部であることからくる必然と思います。
会員の皆様と目的意識を合致させ、情報を共有し、技術力を磨いてしっかりとした成果を提供することが基本ですが、それだけでは十分ではありません。自主保安のレベルを高めていただくためには提供した成果を使っていただかなければなりません。例えば、ピアレビューでの良好事例は会員の皆様に使っていただくことによって成果となるものですし、トラブル情報も水平展開されることによって価値が生まれます。また、トラブル情報などの取り扱いでは適用の範囲や迅速さによって価値は異なるものになります。会員の皆様から良いフィードバックをいただくことも当協会の活動を改善していくために是非必要な事項です。
原子力に対する社会からの期待を具体的に感じることが出来る今は原子力産業界の発展のための絶好の機会と考えます。今後も会員の皆様との「協働」という考え方を基本として、原子力産業界の活性化という共通の目的のために活動してまいりたいと思います。皆様のご指導をよろしくお願いいたします。
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