情報・分析部長の大部です。

2008年6月に現職を拝命して1年が経過しました。 国内外原子力発電所の故障・トラブル情報を主とする運転情報の収集・分析およびその活用に携わり、情報・分析部の果たすべき役割と責任の重要性を改めて認識しています。 また、この度策定された原技協中長期ビジョンの検討にあたり、原技協の基幹事業のひとつである運転情報の収集・分析およびその活用についても、これまでの活動の総括と現状認識を踏まえて今後の目指すべき姿を描きました。
運転情報の収集・分析については、電中研原子力情報センター(NICS)から継承した事業をもとに業務を着実に実施し、これまで4年間で国内外の運転情報約13,000件の分析を行い、そのうち約1,500件を共有すべき情報として提供してきました。 また、INPO(米国原子力発電運転協会)などの海外機関が提供する有益な情報を電力会員にタイムリーに紹介しています。 そして、これらの情報をもとに電力会社に対する通知文書等の発行を行っており、運転情報の活用による故障・トラブル等の再発防止、未然防止の側面で多少なりとも貢献することができたものと考えています。
一方では、原技協が提供する運転情報の分析・評価結果が、より幅広く効果的に活用される仕組みをつくるという重要な課題については、これを着実に達成していくために以下に示すような活動に注力しなければなりません。
1.
情報分析力の強化
2.
分析結果の提供先と内容の多様化
3.
電力別、発電所別のパフォーマンス評価と改善活動の支援
4.
根本原因分析(RCA)、ヒューマンエラー分析における事業者支援を含めた原技協の関わりの強化 等々
ご存知のように、原技協は原子力発電に関わる計画、設計、製作、工事、運転、メンテナンスに携わる多くの会員によって構成されています。 そして、その会員は広範囲な技術領域において、それぞれが高い専門性を有しているという国外にもあまり類をみないユニークな組織です。 原技協の情報分析や技術評価の力を高めていくためには、この会員構成の特徴を活かし、会員がその技術力を発揮して頂く機会を増やしていくことが大切であります。 既に、重要事象の技術評価では電力会社やプラントメーカに情報提供、技術検討面の協力をお願いしていますが、このような連携をさらに深めていくことによって原技協の特徴を大いに活かすことができると考えます。
た、平成19年1月に活動を始めた発電所における各種検査対応情報の収集と共有化、および電力会社の自主保安体制推進活動の支援業務については、その活動成果と必要性を評価しながら取組みを進めます。
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