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国際シンポジウム(於:米国)での藤江理事長の講演について

2012年2月26日から3月1日にかけて、米国アリゾナ州フェニックスのフェニックスコンベンションセンターにおいて、「放射性廃棄物管理に関する国際シンポジウム(Waste Management Symposia 2012)」が、世界の26ヶ国から約2,000名の参加者を集めて開催されました。
この国際シンポジウムの冒頭で、当協会の藤江理事長が「福島事故;何が起こったのか?(The Accident at Fukushima: What Happened? )」と題して招待講演を行いましたので、概要等を報告します。

冒頭、気仙沼を襲う津波のビデオ映像(海上保安庁撮影)を紹介した後、東京電力福島第一原子力発電所の事故直後の発電所員の献身的な対応やこれまでの事故収束に向けた活動および今後の廃炉に向けた中長期計画について、写真等を用いて分かりやすく説明しました。次いで、今回の事故の教訓を活かして原子力施設の安全性向上を行うとともに、今後、国際協力の下で廃炉に向けた活動が推進されていくよう期待を表明し、最後に、これらの活動で得られる新しい知見や成果を次世代に引き継ぐことが我々の責務であると訴え、講演を締めくくりました。
講演の反響は大きく、WM Symposia で発行している“Insight”というニュースレターの翌日の一面トップで、写真入で講演のエッセンスが紹介され、参加者からも非常に好評を得ました。
招待講演は、藤江理事長の他、B&W Conversation Services社社長の George E. Dials氏、米国エネルギー省(DOE)のSenior Advisor for Environmental ManagementのDavid Huzienga氏より行われました。

招待講演に続いて100を超えるテクニカルセッションで、発表やパネル討論が行われ、特別セッションとして、初日は福島事故関連セッション、二日目はDOEのオークリッジの研究施設等のクリーンアップ、三日目はDOEのポーツマスサイトの活動、四日目はブルーリボン委員会による報告内容の紹介が行われました。

また、WMSでは毎年、優秀な大学生に奨学金を授与し研究の支援を行っていまが、本年は10名の内、日本から初めて名古屋大学大学院生が授与されました。

世界各国の関連メーカ・研究機関が出展している展示会のスケールも大きく、今年は180社・機関が参加し、広い会場で様々な展示や実演などが行われ、放射性廃棄物管理に関する最新技術の紹介や情報交換が行われました。

会場の様子


講演中の藤江理事長

(参考) Waste Management Symposia(WM Symposia)について

WM Symposia は、放射性廃棄物管理に関する教育・研究の場を提供する非営利組織で、毎年2,000名を超える世界各国の関係者が一同に会して、情報交換を行う国際会議を開催しています。歴史も古く、第1回は、1974年に開かれ、以来2008年まで米国アリゾナ州のツーソン(Tucson)で開かれていましたが、交通の便等の理由から2009年以降は同州のフェニックス(Phoenix)に会場を移し、今回が第38回目となりました。

初めはDOEの支援のもとでアリゾナ大学がスポンサーとなり、高レベル廃棄物の管理を主題としていましたが、その後、廃棄物に関連する他の分野に拡大し、協賛する組織も米国原子力学会(ANS),米国機械学会(ASME),経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)等に増え、更に、米国エネルギー省(USDOE),原子力規制委員会(NRC),環境保護庁(EPA),国際原子力機関(IAEA)等とも連携して会議が運営されています。また、世界各国の廃棄物関連のメーカ・研究機関などがスポンサーとなり、一大展示会が開催されています。