平成20年11月28日
改訂1版
日本原子力技術協会
今回は、健全性確認の状況に関して、比較的点検等が進んでいる7号機についてとりまとめた。
東京電力ではプラント全体の健全性評価を、以下のフローのとおり着実に作業を進め、随時その結果を報告している。
東京電力の報告の主なポイント(健全性評価の状況)は以下のとおりである。
なお、東京電力の原子炉機器の健全性評価に当たっては、当協会に設置した「中越沖地震後の原子炉機器の健全性評価委員会」(主査:野本敏治 東大名誉教授)の成果の多くが用いられている(第17報参照)。
今後、柏崎刈羽原子力発電所7号機確認状況に関する状況の概要[PDF]については、当協会ウェブサイト上で確認フローを掲載し、随時アップデートを行うので併せてこちらをご参照いただきたい。当該資料では、東京電力のウェブサイトにリンクし、プレスリリースや公表された報告書、資料等を閲覧できるようにしました。詳細はそちらをご確認ください。
<国等の審議の状況>
柏崎刈羽原子力発電所の健全性の評価については原子力安全・保安院(以下、保安院)や原子力安全委員会で審議されている。
保安院では7号機の機器単位の設備健全性は維持されていると判断したことを10月3日に公表した。また、保安院は、東京電力の策定した基準地震動に対して、耐震設計審査指針などを踏まえ妥当と判断し、中間報告案を取りまとめている。
(国等の委員会等審議状況の一覧[PDF]はこちらを参照)
* 基準地震動Ssについて
東京電力では、平成20年5月22日に「地震観測データの分析及び基準地震動に係る報告書」を提出した(第16報参照)。
その後、経済産業省安全・保安院による審議、原子力安全委員会、自治体による委員会からの意見を踏まえ、主に基準地震動について見直しを行い、9月22日に再度報告書を提出した。その結果は、下表のとおりである。
これは、F-B断層の断層長さを、不確かさを考慮した結果34kmから36kmとしたことなどにより、基準地震動を再評価した結果である。
数値は東西方向の値(単位:Gal)
対象とする地震動 | 1号機 | 2号機 | 3号機 | 4号機 | 5号機 | 6号機 | 7号機 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
新潟県中越沖地震(観測値) | 680 | 606 | 384 | 492 | 442 | 322 | 356 | |
耐震強化に向けた建屋のゆれ設定値 | 1,000 | |||||||
基準地震動Ssによる応答 (原子炉建屋基礎版上) |
再評価値 | 845 | 809 | 761 | 704 | 606 | 724 | 738 |
5/22報告 | 829 | 739 | 663 | 699 | 543 | 656 | 642 | |
基準地震動Ssの最大値 (解放基盤表面) |
再評価値 | 2,300 | 1,209 | |||||
5/22報告 | 2,280 | 1,156 |
以 上