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日本核燃料開発株式会社にて第126回安全キャラバンを実施

平成23年11月29日、茨城県東茨城郡大洗町にある日本核燃料開発株式会社(NFD)において第126回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

講演会の冒頭、日本核燃料開発株式会社 代表取締役社長 上村明様よりご挨拶をいただきました。

  

ご挨拶の後、慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授 高野研一 様から「安全文化醸成に向けた『見える化活動』」と題して、ご講演をして頂きました。

安全講演会の様子

講演会の様子

講演では


まず米国の原子力発電所の良好な事例や最近の日本の報道を賑わせた事故事例の組織事故としての原因分析から、安全文化の醸成が必要とされ、安全文化醸成のために組織統率、責任関与、動機付け、コミュニケーションに関連した組織文化の基盤と資源管理、業務実施、学習伝承、危険認識に関連した業務運営の基盤が必要とされる。 これらを整備するために、業務の合理化、中間管理職の意識改革、チームワークの強化、部門間連携が必要であり、これらを養成する方法の例として部門横断型小集団活動がある。また、モチベーション強化とパフォーマンス向上としてトップダウンとボトムアップアプローチの融合が必要となる。 これらを具体化する方法の例として、種々の「見える化」が有効である。潜在的問題・リスクの「見える化」、作業標準・手順の「見える化」、禁止行為の「見える化」、配慮・価値の「見える化」等を行ってリスクの減少を図り、安全パフォーマンスを向上できる。

とのお話を頂きました。

講演会の後に質疑応答が行われました。質問としては、事故等の発生と安全文化の向上との相関関係、原子力分野以外の安全文化の総合指標の例、「見える化」活動を実施すると負担が増えるのではないか、リスクアセスメントの評価方法は、というものがあり、恐れを忘れないこと、総合指標の例で食料品工業等の製造業のものがあること、一度「見える化」すれば永久に使えるので結局負担が減る、リスクアセスメントの評価方法では労働災害においてデータベースができているので参考にできる、と回答されました。

 

 

 

 

講演の様子

慶應義塾大学大学院 
システムデザイン・マネジメント研究科 
 教授 高野 研一 様

講演会終了後のアンケート

安全文化を醸成するための『見える化』活動の具体例を多く紹介いただいたので参考になった、等のご意見・ご感想をいただきました。


安全情報交換会

安全情報交換会では9名の管理職の方が参加され、NFD殿から、H22年秋に実施されたJANTI ピアレビュー改善提案に対する取組み状況の紹介等がありました。例えば、提案された改善項目の一つである原子力施設の安全リスクの更なる低減については、低減対策の優先度を設定し、実施するための社内の仕組みを策定した等の説明があり、 また、昨年3月の東日本大震災発生時の対応及びその後の施設の安全確保の取組み状況について説明がありました。  これを受けて、JANTIより「NFD殿取組みに関するヒントについて」と題して、NFD殿が上記課題に取組む際の人間的な特性や現場の納得感等に配慮して進めるように、と説明しました。  これら2件の発表を基に、議論が行われました。カリスマ美容師のように若者が積極的にマネするような環境の整備の例、ヒヤリハットは交通ヒヤリのように身近なレベルから段階を上げていく方法、ネガティブな意見に対しては責めるよりもまず発言行為を褒めたり感謝したりすること、インセンティブとして褒める方法とその過程での良好な人間関係の構築、テーマ毎のリーダーの輪番制、等についての議論が行われました。  最後に講師の高野先生より、NFD殿はピアレビューでの課題に真摯に取組んでいる、との印象であるが、システムや仕組みを作っても現場の納得感が得られないと機能しないおそれもあるのでFACE TO FACEでざっくばらんに話せる職場環境が大事である、また非定常作業での事故が他産業でも多いので、手順書の充実に配慮するように、との感想が話されて、安全情報交換会を終了しました。

情報交換会の様子

安全情報交換会の様子

 

以 上