ページ内を移動するためのリンクです。
ここからメインコンテンツです

原子燃料工業(株)にて第125回安全キャラバンを実施

平成23年9月2日、茨城県那珂郡東海村にある原子燃料工業株式会社 東海事業所において、第125回安全キャラバンを実施しました。

安全講演会

原子燃料工業株式会社の社員約30名が出席されました。

講演会の冒頭、原子燃料工業株式会社 常務執行役員 東海事業所長 田尻 寛 様から「この安全キャラバンは、安全意識の徹底、安全文化の共有化・向上を図るため、各電力会社やメーカーにおいて開催されており、東海事業所としては2002年5月に開催し、今回は2回目ということになります。NSネットの安全文化アンケートによりますと、組織内のコミュニケーションが円滑になれば、潜在的リスクの認識など安全に対する意識が向上する事が分かっております。安全文化の醸成においては、上から命令する軍隊型の組織というのはなじみません。安全のレベルを上げるには、双方向のコミュニケーションを活性化し、活発な職場を築いて行かなければなりません。以上のことから、今回の安全キャラバンでは、職場を活性化するためのコミュニケーションについて、いろいろなご指導やヒントをいただけるものと、期待しております。 一方、当事業所は、東日本大震災の災害復旧を非常にスピーディーに安全に実行できたわけですが、大震災以降原子力を取り巻く環境はご存じのとおり非常に厳しいものがあります。地域社会のみならず全国的にも原子力事業所の安全への取り組みはかつて無い注目を浴びております。こうした中、安全キャラバンを開催し、私どもの安全の意識をさらに高める機会を与えて頂き、吉田先生と日本原子力技術協会の皆様に感謝申し上げる次第でございます。地域や顧客から信頼されるため、事業所全体のさらなる安全レベルの向上を図っていきたいと思います。」とのご挨拶を頂きました。

安全講演会の様子

ご挨拶の後、熊本大学 教育学部附属教育実践総合センター 教授 吉田道雄 様から「コミュニケーション・スキルアップと働く意欲の向上 ―こころの筋肉運動のすすめ―」と題して、ご講演とグループワークを実施して頂きました。

 

講演では

◆職場での良好なコミュニケーションを保つためには、インフラ、すなわち良好な人間関係を確立させることが重要である。何かを伝えようという時にも、日頃から人間関係がうまくいっている場合には、全体の80%の情報しか伝えられていなくても残りの20%を補いながら聞くことで、通じる可能性がある。一方で、人間関係がうまくいっていない場合には、聞き手の許容量が落ちてしまい、120%の情報を伝えられたとしても通じない可能性がある。すなわち、伝えたものが正しいか正しくないかという事実だけの問題ではなく、それを伝えるインフラが問題になる。

◆インフラとしての人間関係を良好にするためには、日頃からエクササイズをして鍛えていく必要がある。例えば、挨拶のような小さな事でも大きく評価したり、他の人が褒めないような小さな所に注目して褒めると、部下の意欲が高まることがある。しかしそのためには、自分自身が褒められ憧れられるような上司となることや、日常生活の中で小さなことでも喜べるような習慣をつけることが重要である。

講演の様子

◆コミュニケーションのスキルアップの向上のために、具体的な手法(グループワーク)を紹介する。これは、自分自身を知らせるためのメモと、他人に対するイメージのメモを作成し、それを使ってグループで発表しあうものである。この中では、「自分を知らせる」「他人を知る」「自分を知る」ということを目的としており、自分が自分自身について発表するときには「聞こえる声で、聞いてもらえる声で」「顔と目で笑って」「大きなジェスチャーで」ということを心がけると良く、他人の発表を聞くときにも、同じポイントを心得ながら聞くと円滑に進む。また、自分以外のメンバーが作成した自分に対するイメージのメモを発表してもらい、それをとりまとめて自分自身について振り返りを行う。他人のイメージと自分の考えとで、当たっている部分と外れている部分があると思うが、それぞれのイメージについて考察し、今後の考動(考えて動くための)目標を定めると、自分自身の意欲やパワーの変革につながる

 

との貴重なお話をいただきました。

また、今回のグループワークは講演参加者を6名ずつのグループに分けた後、「自分を知らせる、他人を知る、そして自分を知ることを通じて対人関係の基礎技術を学ぶ」ことを目的として実施しました。

講演会終了後のアンケート

・非常に良い講演でした。講演会で感じた事を自分なりにこれからの部下、上司とのコミュニケーション役立てたい。講演を聞くだけではなく、演習を行ったことも非常に良かった。

・大変楽しく聴かせて頂きました。内容が通常の半分程度との事が残念です。「小さな事を見つけて褒める」ことが印象に残っています。

  • ・講演は分かりやすくとても良かったと思います。一部の人だけに講演をするより、社員全体に聞いてもらいたいと思います。
  • ・講演の中にグループ討議があったため、非常に理解しやすい内容であった。今後、説明いただいたツールを職場会合等で実践し、コミュニケーションアップを図っていきたい。

 

などのご意見・ご感想をいただきました。

安全情報交換会

安全情報交換会では、原子燃料工業株式会社殿から「職場内ミーティングの取り組み状況」の紹介を頂きました。その後、原技協から「職場内ミーティングの活性化に関する事例の紹介」を行い、上記の取り組みに関する意見の交換を行いました。

情報交換会の様子

 

以 上