今回は、健全性確認の状況に関して、比較的点検等が進んでいる7号機についてとりまとめた。
東京電力ではプラント全体の健全性評価を、以下のフローのとおり着実に作業を進め、随時その結果を報告している。

東京電力の報告の主なポイント(健全性評価の状況)は以下のとおりである。
なお、東京電力の原子炉機器の健全性評価に当たっては、当協会に設置した「中越沖地震後の原子炉機器の健全性評価委員会」(主査:野本敏治 東大名誉教授)の成果の多くが用いられている(第17報参照)。

今後、柏崎刈羽原子力発電所7号機確認状況に関する状況の概要については、当協会ウェブサイト上で確認フローを掲載し、随時アップデートを行うので併せてこちらをご参照いただきたい。当該資料では、東京電力のウェブサイトにリンクし、プレスリリースや公表された報告書、資料等を閲覧できるようにしました。詳細はそちらをご確認ください。
<国等の審議の状況>
柏崎刈羽原子力発電所の健全性の評価については原子力安全・保安院(以下、保安院)や原子力安全委員会で審議されている。
保安院では7号機の機器単位の設備健全性は維持されていると判断したことを10月3日に公表した。また、保安院は、東京電力の策定した基準地震動に対して、耐震設計審査指針などを踏まえ妥当と判断し、中間報告案を取りまとめている。
(国等の委員会等審議状況の一覧はこちらを参照)
* 基準地震動Ssについて
東京電力では、平成20年5月22日に「地震観測データの分析及び基準地震動に係る報告書」を提出した(第16報参照)。
その後、経済産業省安全・保安院による審議、原子力安全委員会、自治体による委員会からの意見を踏まえ、主に基準地震動について見直しを行い、9月22日に再度報告書を提出した。その結果は、下表のとおりである。
これは、F-B断層の断層長さを、不確かさを考慮した結果34kmから36kmとしたことなどにより、基準地震動を再評価した結果である。
数値は東西方向の値(単位:Gal)
対象とする地震動 |
1号機 |
2号機 |
3号機 |
4号機 |
5号機 |
6号機 |
7号機 |
新潟県中越沖地震(観測値) |
680 |
606 |
384 |
492 |
442 |
322 |
356 |
耐震強化に向けた建屋のゆれ設定値 |
1,000 |
基準地震動Ssによる応答 (原子炉建屋基礎版上)
|
再評価値 |
845 |
809 |
761 |
704 |
606 |
724 |
738 |
5/22報告 |
829 |
739 |
663 |
699 |
543 |
656 |
642 |
基準地震動Ssの最大値 (解放基盤表面)
|
再評価値 |
2,300 |
1,209 |
5/22報告 |
2,280 |
1,156 |
以 上
|