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日本原子力発電株式会社 敦賀発電所 に対する
相互評価(ピアレビュー)結果の概要について

2004年 6月30日
N S ネ ッ ト

 NSネットでは、第40回の相互評価(ピアレビュー)を 2004年 5月11日(火)から 5月14日(金)までの4日間にわたり、日本原子力発電株式会社敦賀発電所に対して実施しました。
 その概要は以下の通りです。


1.対象事業所 (所在地)
 日本原子力発電株式会社 敦賀発電所 (福井県敦賀市)

2.事業所の概要
 敦賀発電所1号機(沸騰水型軽水炉、定格電気出力35.7万kW)は日本で初めての商業用軽水型原子力発電所として1970年3月に、また2号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力116万kW)はわが国初のプレストレスト・コンクリート製格納容器を採用した発電所として1987年2月に営業運転を開始している。この発電所で作られた電気は、中部電力、北陸電力及び関西電力を通じて工場や家庭に送られています。
  なお、本レビューの対象施設は、「組織・運営」、「緊急時対策」、「教育・訓練」の各分野については敦賀発電所全体とし、その他「運転・保守」等の分野については、代表として敦賀2号機とした。

3.レビューチームの構成及びレビューの方法
Aグループ: 石川島播磨重工業(株)、九州電力(株)
(レビュー分野 : 組織・運営、緊急時対策、教育・訓練)

Bグループ: 東京電力(株)、住友金属鉱山(株)
(レビュー分野:運転・保守)

Cグループ: 原子燃料工業(株)、NSネット
(レビュー分野:放射線防護、重要課題対応)
レビュー方法:上記分野について、現場観察、関係者との面談及び書類確認



敦賀発電所


レビュー状況

4.レビュー結果
(1)主な結論
    
今回の本発電所に対するレビュー結果を総括すると、原子力安全の面で直ちに改善措置を施さなければ重大な事故の発生に繋がるような項目は見出されなかった。 
本発電所においては、「原子力発電所では安全が全てに優先する。その上で安定した運転を経済的に行う発電所運営及び地域との共生に取組むこと。」との所長方針のもとに、全所員が一体となって、原子力安全確保を継続・強化していくため、真剣かつ誠実に取り組んでいることを確認した。 
安全意識レベルの向上と風通しの良い職場作りのため、所員及び協力会社社員とのコミュニケーションを重視し、また安全月間の諸活動、ヒューマンファクター活動等を展開している。 
さらに本発電所では、2種類の炉型(PWR及びBWR)があり、定期検査時の安全確保には特に配慮していることを確認した。 
今後、本発電所は、現状に満足することなく、なお一層の安全文化の向上を目指してさらなる自主保安努力を継続していくことが望まれる。 

(2)良好事例及び改善提案
 今回のレビューにおいて、NSネットの他の会員さらには原子力産業界に広く紹介されるべきいくつかの良好事例を見出した。一方、本発電所における安全文化の更なる向上に役立つものとしていくつかの提案を行った。

 良好事例*1と改善提案*2の一覧は次のとおり。

○良好事例
レビュー分野 良好事例の概要
組織・運営
定検ハンドブックの作成・配布による方針等の周知・徹底
「GOGO運動」による定期検査時の協力会社社員との意思疎通の強化 
所長と所員との懇談会の実施
次長職以上による「今日のメッセージ」の発信 
ワンエラーを想定した作業手順書の作成 
各課毎の安全十訓設定 
充実した社外者表彰制度 
緊急時対策
定期的な通報訓練の実施 
教育・訓練
小型シミュレータの有効活用
運転・保守
当直引継ぎ後のKY(危険予知)活動による作業前の注意喚起の実施 
運転手順書の改正に関する多角的な審議
社内規程等の所員への確実な周知 
作業重要度分類に応じたチェックシートの色分けによる人的過誤防止 
緊急時の発電長支援システム、異常徴候早期発見支援システム(PATDAS)及び系統別隔離支援システム(TOMMCAT)の導入 
安全意識の高揚の定着化(TIMESの浸透) 
保守作業の直営化と保修課員の社内アライアンス運用 
顔写真入りの座席表等による作業員への配慮 
定期検査短縮と保守作業に係る時間外労働増加抑制 
協力会社との積極的なコミュニケーションの実施 
放射線防護
作業毎の被ばく低減にチェックシート等の活用 
定期検査時における協力会社を含めた連絡体制
電子線量計の開発と実用化によるより効果的な線量管理の実施
電子線量計開発成果の積極的な公表 
協力会社と一体になった放射性固体廃棄物の発生量低減化 
重要課題対応
定期検査時のヒューマンエラー防止の活動 
移動可能な手順書によるヒューマンエラー防止 
注)太字は、主な結論に記載した項目。

○改善提案
レビュー分野 改善提案の概要
放射線防護 
被ばく線量データの防護手段
重要課題対応 
ヒヤリハット事例のより効果的な活用へ向けた改善 
注)太字は、主な結論に記載した項目。

5.相互評価報告書
相互評価報告書本文及び参考図は、こちらをご覧下さい。

相互評価報告書本文(PDF形式: 380KByte)
参考図

以 上



*1 良好事例
 当該事業所の安全確保活動のうち、的確かつ効果的で独自性のある手法を取り入れている事例であって、NSネットの会員さらには原子力産業界に広く伝えたい、優れた事例を示したもの。

*2 改善提案
 原子力の安全性を最高水準へと目指す視点から、原子力産業界でのベストプラクティスに照らして、当該事業所の安全確保活動をさらに向上・改善させるための提案などを示したもの。そのため、現状の活動が原子力産業界の一般的な水準以上であっても、改善提案の対象として取り上げる場合がある。

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