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核燃料サイクル開発機構 大洗工学センター に対する
相互評価(ピアレビュー)結果の概要について

2004年 4月23日
N S ネ ッ ト

 NSネットでは、第39回の相互評価(ピアレビュー)を 2004年 3月2日(火)から 3月5日(金)までの4日間にわたり、核燃料サイクル開発機構大洗工学センターに対して相互評価(ピアレビュー)を実施しました。その概要は以下の通りです。


1.対象事業所 (所在地)
 核燃料サイクル開発機構 大洗工学センター 高速実験炉「常陽」
(茨城県東茨城郡大洗町)

2.事業所の概要
 大洗工学センターは、高速増殖炉と関連する核燃料サイクルの開発において、中核的な研究開発センターとしての役割を担うため、1970年に発足した。1977年には高速実験炉「常陽」を増殖用炉心MK-Tで初臨界とし、以降研究開発を進めている。
 なお、本レビューの対象施設は、「教育・訓練」、「運転・保守」、「放射線防護」及び「重要課題対応」の各分野については「常陽」とし、「組織・運営」及び「緊急時対策」の分野については、大洗工学センター全体とした。

3.レビューチームの構成及びレビューの方法
Aグループ: 関西電力(株)、(株)グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン
(レビュー分野:組織・運営、緊急時対策、教育・訓練)

Bグループ: (株)日立製作所、ニュークリア・デベロップメント(株)
(レビュー分野:運転・保守)

Cグループ: 日本原燃(株)、NSネット事務局
(レビュー分野:放射線防護、重要課題対応)
レビュー方法:上記分野について、現場観察、関係者との面談および書類確認



大洗工学センター 全景


レビュー状況

4.レビュー結果
(1)主な結論
今回の核燃料サイクル開発機構大洗工学センターに対するレビュー結果を総括すると、原子力安全の面で、直ちに改善を施さなければ重大な事故の発生に繋がるような項目は見出されなかった。
本センターにおいては、原子力安全に対する取り組みとして、「リスクアセスメント」による作業安全の徹底、緊急時対応へのきめ細かなフォロー、MK−V冷却系改造工事における徹底した安全への取り組み、臨界安全教育のテキストの充実、ナトリウム火災対応の徹底等が確認された。
動燃改革の柱のひとつとしての意識改革への積極的な取り組みがなされており、『行動憲章』及び行動指針に基づき、所長を始めとして全職員が毎年度「意識改革行動計画書」を作成し、行動結果を確認するというモラル向上に向けた取り組みが定着していることが確認された。
今後、大洗工学センターでは、現状に満足することなく、なお一層の安全文化の向上を目指して更なる自主努力を継続していくことが望まれる。

(2)良好事例及び改善提案
 今回のレビューにおいて、NSネットの他の会員さらには原子力産業界に広く紹介されるべきいくつかの良好事例を見出した。一方、本事業所における安全文化の更なる向上に役立つものとしていくつかの提案を行った。

 良好事例*1と改善提案*2の一覧は次のとおり。

○良好事例
レビュー分野 良好事例の概要
組織・運営
外部専門家の参画による安全性の向上
リスクアセスメント活動の定着
『行動憲章』に基づく意識改革の全所的な取り組み
地元地域への理解促進活動−女性PAチーム「シュガーズ」
緊急時対策
通報訓練の充実
事故対策本部活動におけるチェックシートの充実
教育・訓練
人材育成体系におけるわかりやすい個人の教育計画
若い世代への原子力安全に関するアプローチ
経験ノウハウのデータベース化による技術伝承
運転・保守
中央制御室への運転員のコメント書き込み用マニュアル類の別途設置
MK−V改造後運転マニュアルの運転訓練用シミュレータによる事前検証
シミュレータによる運転操作訓練の運転直間相互評価による技術レベル向上
シミュレータ訓練の課長評価及び良好点/改善点情報の伝達による運転直のレベルアップ
保守支援システムの開発・整備による業務効率化
運転支援システムによる運転/保守部門の連携強化
改造工事のビデオ撮影による記録、若手技術者教育の推進
予防保全の観点からの長期的な自主点検計画の策定
MK−V冷却系改造工事における他事業所技術者、「常陽」OB参画連絡会議の運営
放射線防護
フルモックアップモデルの採用等による被ばく低減対策
「放管情報遠隔監視システム」等のデータの監視・閲覧
廃棄物処理の原研大洗研究所との共同運営による効率化
重要課題対応
活用しやすさを目指したテキストによる臨界安全教育の実施
火災・爆発事故対策の徹底
注)太字は、主な結論に記載した項目。

○改善提案
レビュー分野 改善提案の概要
組織・運営
コンプライアンスの視点からの企業倫理の展開
ご意見箱の効果的な活用方法
緊急時対策
特になし
教育・訓練
資格認定制度における更新管理
運転・保守
将来的な、「常陽」運転・保守支援システムの統合
長期保全における保守管理基準の保守業務要領への反映
放射線防護
特になし
重要課題対応
特になし
注)太字は、主な結論に記載した項目。

5.相互評価報告書
相互評価報告書本文及び参考図は、こちらをご覧下さい。

相互評価報告書本文(PDF形式: 382KByte)
参考図

以 上



*1 良好事例
 当該事業所の安全確保活動のうち、的確かつ効果的で独自性のある手法を取り入れている事例であって、NSネットの会員さらには原子力産業界に広く伝えたい、優れた事例を示したもの。

*2 改善提案
 原子力の安全性を最高水準へと目指す視点から、原子力産業界でのベストプラクティスに照らして、当該事業所の安全確保活動をさらに向上・改善させるための提案などを示したもの。そのため、現状の活動が原子力産業界の一般的な水準以上であっても、改善提案の対象として取り上げる場合がある。

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