日本原燃(株) 濃縮・埋設事業所 にて
第58回安全キャラバンを実施

 平成16年 2月 5日、青森県上北郡六ヶ所村にある 日本原燃(株) 濃縮・埋設事業所において、第58回安全キャラバンを実施しました。

 

安全講演会

 安全講演会には、日本原燃(株)の社員約60名が出席されました。
 講演会の冒頭、日本原燃(株)代表取締役副社長 猪股 俊雄氏より、「平成12年7月に当社においてNSネットの第1回安全キャラバンを開催しましたが、約3年半の間に、原子力発電所の点検データ不正記載問題、当社再処理事業所の使用済み燃料貯蔵プールの不良溶接問題が発生しております。
 これらは、いずれも当社の事業に深い関わりを持っており、企業倫理の強化、経営トップの関与を品質保証体制に取り込むなどの改善策に取り組んできました。
 本日は、安全講演会、安全情報交換会において、企業倫理等を含め有益な情報を入手し、取り入れ当社の事業に大きな成果を上げられると思っております。」とのご挨拶がありました。

講演会の様子
  ご挨拶の後、NSネット町田事務局長よりNSネットの活動を紹介し、引き続き、企業行動研究センター所長の菱山 隆二 氏より、「いま問われる企業倫理 -企業行動の基盤の見直し-」と題して、ご講演いただきました。

菱山 隆二 氏

講演では、具体的な事例を交え、

「企業の不祥事の事例があるのになぜ企業はそれを学ばないのか。不祥事は隠せない。
 また、発見されると代償が大きく、ひどい場合には企業が淘汰されることもある。 『会社のため』、『職場のため』と言って、意図的に不正行為をする。それは『部分最善・全体最悪』であり、会社全体でみると最悪の結果をもたらすことが多い。社会の信頼がないビジネスは有り得ない。
 また、役員を含むトップが『自分がいかに企業倫理に関心を払っているか』ということを示す時代になっている。 トップのリーダーシップの発揮が必要である」

とのお話をいただきました。

講演会終了後のアンケートでは、

日本原燃社員として又、技術者として、他企業の様々な事例を通して企業理念のあり方、管理者としての取り組み方について大変参考となる講演を伺いましたので、これからの業務に反映させていきたいと思います。
目の前の一時的なものを見て、誤った対応をすると代償は大きく、社会からの信頼もなくなる。日頃から現場の生の声を吸い上げ、マイナス情報には特に注意して工夫していきたい。企業倫理が浸透するには時間がかかると思うが、取り組みは重要である。
断片的に起きていることを新聞報道で知っているが、事件性のない動きについては、今回始めて知ったことが多い。特にCSRに対する企業、国際機関の動き等を含めて、体系的に説明していただき、有意義であった。

 などのご意見をいただきました。 

 

安全情報交換会

安全情報交換会の様子

鈴木 敏雄 氏
 安全情報交換会では、日本原燃(株)よりご要望があった(株)日立製作所 日立事業所における相互評価で良好事例として抽出された「トップの率先垂範と従業員との双方向コミュニケーションの実践」について、(株) 日立製作所 電力・電機グループ 原子力事業部 原子力品質保証本部 原子力品質保証部長  鈴木 敏雄氏においでいただき、より詳しく紹介頂きました。
主な情報・意見交換として、
若手従業員から「組織やまたは自分達が抱えている課題の抽出、解決のためのアクションについて検討結果」を発表していますが、同じ日に事業部長から「経営環境、経営方針、コンプライアンスの浸透、品質・安全の向上、技術力向上」と言った事業体質強化の取り組みについて説明するのですか。
発表会が事業部長と若手従業員の双方向コミュニケーションの場になるように同じ日に実施しています。また、事業部長の方針は本部長、部長等から伝わっており、若手発表会のテーマも事業部長の方針とリンクがあります。前回の具体的な若手従業員のテーマは「マーケットドリブンを実践するために」、「世界一の原子力メーカになるために」、「製品品質の向上を実現するために」等があります。
今回の事例において、日立全社で実施しているものと事業部内限りで実施している活動を教えてください。
事業部長の方針説明はどこの事業部でも実施しています。シックスシグマ活動(原子力事業部の抱える問題を事業部あげて戦略的に解決していく活動)は全事業部で行っているものではありません。若手技術者懇談会は各事業部において様々な形で行っています。
幹部オンライン(目安箱)において、投稿者が不利益になることはないのですか。
そのようなことは聞いたことがありません。なお、オンラインには数種類あり、社長、グループ長、事業部長へのオンラインのほか、コンプライアンスに関するオンラインもあり、投稿者が選択できるようになっています。基本は、その職場の中で問題の吸い上げが出来るような風通しの良い職場にすることであると考えています。

などがありました。

以 上