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中部電力(株)浜岡原子力発電所に対する
相互評価(ピアレビュー)結果の概要について

2003年11月20日
N S ネ ッ ト

 NSネットでは、第35回の相互評価(ピアレビュー)を中部電力兜l岡原子力発電所において実施しました。その概要は以下の通りです。

1.対象事業所(所在地)

 中部電力(株) 浜岡原子力発電所 (静岡県小笠郡浜岡町)

 

2.実施日

 2003年9月30日(火)〜10月3日(金)



3.事業所の概要及びレビュー対象

 浜岡原子力発電所は、1号機(電気出力54万kW)は1976年3月、2号機(電気出力84万kW)は1978年11月、3号機(電気出力110万kW)は1987年8月、4号機(電気出力113.7万kW)は1993年9月に営業運転を開始している。
 なお、本レビューの対象施設は、「組織・運営」、「緊急時対策」、「教育・訓練」の各分野については浜岡原子力発電所全体とし、その他「運転・保守」等の分野については代表として浜岡1、2号機とした。

 

4.レビューチームの構成およびレビューの方法

 Aグループ

:核燃料サイクル開発機構、(株)神戸製鋼所
(レビュー分野:組織・運営、緊急時対策、教育・訓練)

 Bグループ
 

:四国電力(株)、三菱重工業(株)
(レビュー分野:運転・保守)

 Cグループ
:三菱原子燃料(株)、NSネット
(レビュー分野:放射線防護、重要課題対応)

 レビュー方法

:上記分野について、現場観察、関係者との面談および書類確認


浜岡原子力発電所 全景

レビュー状況

 

5.レビュー結果

(1)主な結論

  • 今回の浜岡原子力発電所に対するレビュー結果を総括すると、原子力安全の面で、直ちに改善を施さなければ重大な事故の発生に繋がるような項目は見出されなかった。
  • 本発電所では、発電所長をはじめ全所員が協力会社も含め一体となって、原子力安全確保を継続・強化していくため、真剣かつ誠実に取組んでいる実態が確認された。それらの例として、機会あるごとのトップメッセージの発信、協力会社とのコミュニケーションの重視、充実した教育訓練の実施、運転員の資質向上への取り組み等が挙げられる。
  • また、コンプライアンスについて、全社の取り組みを受けて、本発電所においても活発に活動を推進している状況が確認された。
  • 今後、本発電所は、現状に満足することなく、なお一層の安全文化の向上を目指して更なる自主保安努力を継続していくことが望まれる。
  • 今回のレビューで得られた成果が、本発電所の協力会社に対しても展開されることが期待される。

(2)良好事例及び改善提案

 今回のレビューにおいて、NSネットの他の会員さらには原子力産業界に広く紹介されるべきいくつかの良好事例を見出した。一方、本発電所における安全文化の更なる向上に役立つものとしていくつかの提案を行った。
 良好事例*1と改善提案*2 の一覧は次のとおり。

 ○「良好事例」

レビュー分野

良好事例(20件)の概要

組織・運営

  • 発電所管理指標の整備と活用
  • 経営基本方針から各課の業務執行計画までの有機的具現化
  • 協力会社の現場監督者との良好なコミュニケーション
  • コンプライアンスの取り組み
  • 周辺住民への理解獲得活動の推進
  • 緊急事対策

  • 緊急時対策所の整備
  • 運転訓練シミュレータを用いたブラインド緊急事態対策訓練の実施
  • 教育・訓練
  • 「失敗に学ぶ回廊」の設置
  • 原子力研修センターによる全技術系所員の教育プログラムの確立
  • 運転・保守

  • 発電部関係者のコミュニケーション向上に努めている姿勢
  • 指針類の定期確認による文書改訂の厳密化及び最新化
  • 賞詞制度を活用した、協力会社も含めた意識の高揚及び職場の活性化
  • 作業依頼票の電子情報での運用
  • 「安推協ニュース」活用による協力会社社員も含めた情報の共有化
  • 放射線防護
  • 警報付電子式線量計(EPD)を活用したシステムによる厳格な被ばく管理
  • ALARA計画による放射線業務従事者の被ばく線量低減
  • 使用済樹脂貯槽修理工事作業における作業方法の工夫による大幅な被ばく量の低減
  • 工具持ち込み制限、保管場所確保、工事前の廃棄物低減計画策定等による放射性廃棄物発生量の低減化
  • 重要課題対応

  • 他発電所等のトラブル事例の水平展開、再発防止策の立案のための検討会の検討対象範囲及び検討メンバーの拡大による、より有効なトラブル事例の活用
  • プラントの異常徴候の確実な判断システムの設置
  • 注) 太字は、主な結論に記載した項目


     ○「改善提案」

    レビュー分野

    改善提案(2件)の概要

    放射線防護

  • インターネットホームページの説明の詳細化
  • 重要課題対応

  • ヒヤリハット事例のより高度な活用
  • 注) 太字は、主な結論に記載した項目

     

    6.相互評価報告書
      相互評価報告書本文及び参考図は、こちらをご覧下さい。
      ●相互評価報告書本文(PDF形式:265KByte)
      ●参考図

    7.その他
     科学ジャーナリストで元読売新聞論説委員 の 中村政雄氏 にオブザーバー参加していただき、ピアレビュー活動をご確認いただいた。(オブザーバーのご意見・ご感想の取りまとめ結果は、別途NSネットのホームページにて公表しています。)

    以 上


     

     

    *1 良好事例
     当該事業所の安全確保活動のうち、的確かつ効果的で独自性のある手法を取り入れている事例であって、NSネットの会員さらには原子力産業界に広く伝えたい、優れた事例を示したもの。
    *2 改善提案
     原子力の安全性を最高水準へと目指す視点から、原子力産業界でのベストプラクティスに照らして、当該事業所の安全確保活動をさらに向上・改善させるための提案などを示したもの。そのため、現状の活動が原子力産業界の一般的な水準以上であっても、改善提案の対象として取り上げる場合がある。

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