WWW.GENGIKYO.JP 
メールでのご意見・お問い合わせはこちらへどうぞ
当サイトのサイトマップです
English version
有限責任中間法人 日本原子力技術協会  
HOME 協会の御紹介 活動状況 関連情報 問い合わせ先  
活動状況 相互評価(ピアレビュー)
全体
情報・分析
NSネット
規格基準
技術基盤


 Contents
理事部長
    メッセージ
   
活動内容紹介
ピア・レビュー
安全
    キャラバン
セミナー
NSネット
      ニュース

 

三井造船(株)玉野事業所に対する
相互評価(ピアレビュー)報告書について

2003年4月14日
N S ネ ッ ト

 NSネットでは、第30回の相互評価(ピアレビュー)を三井造船(株)玉野事業所において実施しました。その概要は以下のとおりです。

1.対象事業所(所在地)

 三井造船(株) 玉野事業所 (岡山県玉野市)

 

2.実施日

 2003年2月18日(火)〜20日(木)



3.事業所の概要及びレビュー対象

 三井造船(株)は造船事業を初めとする総合重工業企業である。その中で原子力関連事業としては、1957年の原子力船の開発に始まり、現在は使用済み燃料再処理などの原子燃料サイクル関連、放射性廃棄物処理、輸送・貯蔵容器(キャスク)等を主要事業分野として、研究開発からプラント建設、アフターサービスなどが行われている。
 玉野事業所では、新造船から各種プラント、未来の新製品まで多彩な商品群が製造されているが、原子力関係では、キャスク、原子炉本体基礎構造物、高放射化物用遮蔽容器、使用済燃料運搬船等各種製品を製作している。
 本レビューでは、同事業所におけるキャスクの設計・製造に係る安全推進活動を対象とした。


4.レビューチームの構成およびレビューの方法

 Aグループ

:九州電力(株)、原子燃料工業(株)
(レビュー分野:組織・運営、教育・訓練)

 Bグループ
 

:(財)電力中央研究所、NSネット事務局
(レビュー分野:設計・製造、重要課題対応)

 レビュー方法

:上記分野について、現場観察、関係者との面談および書類確認


三井造船(株) 玉野事業所 全景

書類確認状況


5.レビュー結果

(1)主な結論

  • 今回の三井造船(株)に対するレビュー結果を総括すると、原子力安全の面で、直ちに改善を施さなければ重大な事故の発生に繋がるような項目は見出されなかった。
  • レビューを通じて、「No Change No Chance」のスローガンのもと組織及び個人の変革活動を実施し、品質、技術、原子力安全・労働安全の確保に真剣かつ誠実に取り組んでいる状況が確認された。
  • キャスクのデータ改ざん問題や原子力発電所のデータ不正問題等については速やかに関連図書や記録の総点検を行い、不正が無いことを確認するとともに、本年1月に社長より「コンプライアンス宣言」がなされ、企業行動基準を含んだガイドブックが全社員に配布され、周知徹底されていることが確認された。
  • 今後、三井造船(株)は、現状に満足することなく、なお一層の安全文化の向上を目指して更なる自主努力を継続していくことが望まれる。
  • また、今回のレビューで得られた成果が、現場作業に関係する協力会社に対しても展開されることが期待される。

(2)良好事例及び改善提案

 今回のレビューにおいて、NSネットの他の会員さらには原子力産業界に広く紹介されるべきいくつかの良好事例を見出した。一方、三井造船(株)における安全文化の更なる向上に役立つものとしていくつかの提案を行った。
 良好事例*1と改善提案*2 の一覧は次のとおり。

 ○「良好事例」

レビュー分野

良好事例の概要

組織・運営

・品質方針等のスクリーンセーバー表示による安全意識・モラル向上
・綿密な階層別パトロールによる安全意識の浸透
「モニタリングシート」を活用した効果的な予防保全活動の実施
「セーフティアップ運動」の実施による活動方針浸透及び目標達成の管理

教育・訓練

・「スキル一覧表」の作成による技能の向上及び伝承
「革新的リーダー研修会」等による組織的意識変革の実施

設計・製造

・設計図書類の複数部署による審査
・協力会社への原子力製品の認識の徹底

重要課題対応

・データ改ざん問題の風化防止の活動
合同QCパトロールによる製品安全に対する取り組み
作業者自ら毎日安全目標の確認
・メンタルヘルスに対する全社的取り組み
・トラブル事例研修会の活動によるトラブル再発防止
BPS全社活動によるトラブル削減活動

 

注)太字は代表的な良好事例


 ○「改善提案」

レビュー分野

改善提案の概要

教育・訓練

原子力に対するより一層の理解促進のための教育訓練資料へのカラーイラスト等の活用

設計・製造 緊急時連絡要領の現場表示等のさらなる工夫

重要課題対応

RI取扱施設における更なる安全管理の徹底

 

6.相互評価報告書
  相互評価報告書本文及び参考図は、こちらをご覧下さい。
  ●相互評価報告書本文(PDF形式:138KByte)
  ●参考図

7.その他
 デュポン(株)安全衛生環境部長 兼 セーフティ リソース事業開発部長の 竹川土夫 氏がオブザーバーとして参加。安全衛生の専門家の目でレビューを確認。(オブザーバーのご意見・ご感想の取りまとめ結果は、別途NSネットのホームページにて公表しています。)

以 上


*1 良好事例
 当該事業所の安全確保活動のうち、的確かつ効果的で独自性のある手法を取り入れている事例であって、NSネットの会員さらには原子力産業界に広く伝えたい、優れた事例を示したもの。
*2 改善提案
 原子力の安全性を最高水準へと目指す視点から、原子力産業界でのベストプラクティスに照らして、当該事業所の安全確保活動をさらに向上・改善させるための提案などを示したもの。そのため、現状の活動が原子力産業界の一般的な水準以上であっても、改善提案の対象として取り上げる場合がある。

[↑]PageTop

HOME協会のご紹介活動状況設備稼働状況関連情報ご意見・ご質問

Copyright © 2005 Japan Nuclear Technology Institute, All Rights Reserved.