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原燃輸送(株)に対する
相互評価(ピアレビュー)報告書について

2003年2月10日
N S ネ ッ ト

 NSネットでは、第28回の相互評価(ピアレビュー)を原燃輸送(株)において実施しました。その概要は以下のとおりです。

1.対象事業所(所在地)

 原燃輸送(株) 本店(東京都港区芝大門)及び六ヶ所輸送事業所(青森県上北郡六ヶ所村)


2.実施日

 2002年12月3日(火)・・・六ヶ所輸送事業所にて現場観察(関連書類確認含む)
 2002年12月18日(水)〜20日(金)・・本店にて、書類確認、面談


3.事業所の概要及びレビュー対象

 原燃輸送(株)は、1973年4月に旧社名(株)エヌ・ティー・エスとして使用済燃料等の輸送を目的に設立され、その後、1986年6月に現社名となり、原子燃料サイクル事業における放射性物質の輸送専門会社として、使用済燃料や低レベル放射性廃棄物、返還ガラス固化体、天然六フッ化ウランなどの安全で確実な海上・陸上輸送の経験と技術を積み重ねている。
 六ヶ所輸送事業所は、現地における輸送計画・管理等を目的に1992年4月に設置され、地域に密着した輸送責任体制の確立を図っている。
 レビューは、このような現場事業所を含めた輸送全体の安全管理等に対する一貫した体制、取り組みを確認することとし、本店及び六ヶ所輸送事業所を対象として実施した。



4.レビューチームの構成およびレビューの方法

 Aグループ

:(株)日立製作所、中国電力(株)
(レビュー分野:組織・運営、緊急時対策、教育・訓練、重要課題対応(社会的信頼性向上に対する取り組み)

 Bグループ
 

:ニュークリア・デベロップメント(株)、NSネット事務局
(レビュー分野:設計・輸送・保守管理、重要課題対応(社会的信頼性向上に対する取り組み除く)

 レビュー方法

:上記分野について、現場観察、関係者との面談および書類確認

原燃輸送(株)六ヶ所輸送事業所

現場観察状況

書類確認状況


5.レビュー結果

(1)主な結論(抜粋)

  • 今回の原燃輸送に対するレビュー結果を総括すると、原子力安全の面で直ちに改善措置を施さなければ重大な事故の発生に繋がるような項目は見出されなかった。
  • 原燃輸送においては、情報の共有化、風通しのよい風土づくり、コンプライアンス(法令遵守)の徹底を、社長自ら先陣を切って行動するなど全社員が安全確保に対して真剣かつ誠実に取り組んでいる状況が確認された。
  • また、発注元として経験した「レジン問題」(使用済み燃料輸送容器の中性子遮へい剤(レジン)データ改ざん問題)の教訓を風化させないよう「反省の日」の行事等を設けて継続的に技術者倫理に関するプログラムを実行するとともに、東電問題にもすばやく対応し、自主的に記録の再チェックを行うなど安全確保に係る活動として実践されている状況が確認された。
  • このような状況が、原子燃料サイクルにおける輸送事業の安全確保を継続・強化していくための安全文化の確立にうまく寄与していくものと評価される。
  • 今後、原燃輸送は、現状に満足することなく、なお一層の安全文化の向上を目指して更なる自主努力を継続していくことが望まれる。
  • また、今回のレビューで得られた成果が、運搬船、輸送車両、クレーン等の運転や維持管理業務などの現場作業に関係する協力会社に対しても展開されることが期待される。

(2)良好事例及び改善提案

 ・ 今回のレビューにおいて、NSネットの他の会員さらには原子力産業界に広く紹介されるべきいくつかの良好事例を見出した。一方、原燃輸送における安全文化の更なる向上に役立つものとしていくつかの提案を行った。
 良好事例*1と改善提案*2の一覧は次のとおり。

 ○「良好事例」

レビュー分野

良好事例の概要

組織・運営

多様な場でのトップ方針の各部門への周知・徹底(*)
部門間・経営層とのコミュニケーションの推進(*)
・品質方針等をまとめて記入した携行カード
・過去の教訓をまとめた「ルネッサンスNFT」の作成、配布による安全文化の醸成

教育・訓練

体系的かつきめ細かな資格認定制度の実施
・研修実施時におけるアンケート調査の有効的な活用
・イメージトレーニングを取り入れた緊急時模擬訓練の実施
・プロパー社員及び出向社員の効果的配員による技術伝承の円滑化

設計・輸送・保守管理

・社内LAN活用による手順書の制・改定の周知徹底及び内容理解促進
・多様な観点からの設計検証の実施
東電問題を契機とした輸送容器定期自主検査記録の自主的再確認

重要課題対応

協力会社との多種多様なコミュニケーションの実施(*)
「反省の日(毎年10月6日)」の制定による「レジン問題」の風化防止
・FMEA(3)手法を用いた輸送容器の定期点検周期の妥当性確認

(*)三つを「社内外での良好なコミュニケーションの推進」と纏め、主な結論に記載。

(3)FMEA:Failure Mode and Effect Analysis/故障モード影響分析。


 ○「改善提案」

レビュー分野

改善提案の概要

組織・運営

・常設のメンタルヘルス対応窓口の開設
・各部門の品質目標の更なる数値化

緊急時対策

故障・トラブル時における情報発信対応の広報・渉外マニュアルへの追加

設計・輸送・保守管理

・ 設計審査での指摘事項処置の管理等の充実
内部監査への安全・保安関係項目導入の検討
・NFT型輸送容器の保守履歴の管理充実

重要課題対応

ヒヤリハット事例のより積極的な活用

注)太字は報告書「主な結論」に記載

7.相互評価報告書
  相互評価報告書本文及び参考図は、こちらをご覧下さい。
  ●相互評価報告書本文(PDF形式:284KByte)
  ●参考図

 

8.その他
 東京大学大学院教授の古田一雄氏がオブザーバーとして参加。学識経験者の目でレビューを確認。(オブザーバーのご意見・ご感想の取りまとめ結果は、別途NSネットのホームページにて公表しています。)

以 上


*1良好事例
 当該事業所の安全確保活動のうち、的確かつ効果的で独自性のある手法を取り入れている事例であって、NSネットの会員さらには原子力産業界に広く伝えたい、優れた事例を示したもの。
*2改善提案
 原子力の安全性を最高水準へと目指す視点から、原子力産業界でのベストプラクティスに照らして、当該事業所の安全確保活動をさらに向上・改善させるための提案などを示したもの。そのため、現状の活動が原子力産業界の一般的な水準以上であっても、改善提案の対象として取り上げる場合がある。

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