4.レビュー結果
(1)主な結論 |
- 今回の本事業所(神戸地区)に対するレビュー結果を総括すると、原子力安全の面で直ちに改善措置を施さなければならないような事項は見出されなかった。
- 三菱電機(株)においては、より良い製品の提供を最優先としており、品質管理については1958年に当時の社長が表明した「品質に関する覚書」が礎になっており、2001年7月からの新コーポレートステートメントである"Changes for the Better"に代表される、安全な製品に対する従業員の自覚を促すための活動が展開され本事業所においても積極的に行われている。
- また、本事業所では三菱グループとしての原子力品質保証重点施策に対して原子力安全を確保することの重要性を認識し、各職場において目標を設定するなど緻密な品質保証活動が行われている。
- また本事業所の職場環境は、風通しの良いことを所長の方針とし、不適合事象情報の円滑な伝達習慣の定着、企業倫理面での活動を積極的に実施しているほか、所内イントラネットを広範に活用してかつこれを協力会社にも公開することにより情報の共有化に寄与している。
- 教育面については、業務に即した資格取得を計画的に推進するとともに、技術・技能の伝承のため優れた技術力を有する人材の活用を図っていることは評価されるものと考えられる。
- 労働安全については、類似災害の繰り返しを防ぐため安全面での強化が図られており、その一例としてリスクアセスメントを取り込んだ労働安全マネージメントシステムを導入している。
- 今後、本事業所は、現状に満足することなく、なお一層の安全文化の向上を目指して更なる自主努力を継続していくことが望まれる。
- また、今回のレビューで得られた成果が、本事業所より、原子力プロジェクト体制に関係するその他の事業所に、さらには協力会社に対しても展開されることが期待される。
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(2)良好事例及び改善提案 |
今回のレビューにおいて、NSネットの他の会員さらには原子力産業界に広く紹介されるべきいくつかの良好事例を見出した。一方、本事業所の安全文化をさらに向上させるためのいくつかの提案を行った。
良好事例*1と改善提案*2 の一覧は次のとおり。 |
○「良好事例」
レビュー分野
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良好事例の概要
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T 組織・運営 |
・携帯カードの有効活用による目標の浸透と自覚の促進
・フォローアップシートによる目標達成評価とその情報の共有化
・『企業倫理ガイドライン』の作成と社内報を活用した企業倫理の理解度チェック
・開かれた職場環境の推進 |
U 教育・訓練 |
・ 有資格者の掲示による意識高揚策の実施
・ 実機環境模擬試験設備の構築による実務能力強化の推進
・ 多面的な技術・技能伝承のための主管技師長、主席技師長制度の導入 |
V 設計・製造 |
・適切な要員配置のための「技術マップ」の作成と活用
・ 多面的な設計審査のための「BEST30」評価システムの導入 |
W 重要課題対応 |
・ 現場における労働安全マネージメントシステムの導入による「リスクアセスメント」の実施
・ ヒューマンエラー過去事例のポケットカード化による周知
・ 現地工事でのヒューマンエラー防止のための技術員認定制度
・ 「MAPLE手法」による現地工事でのヒューマンエラー防止活動
・ トラブル再発防止対策等の風化防止活動 |
注)太字は代表的な良好事例
○「改善提案」
レビュー分野
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改善提案の概要
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T 組織・運営 |
・所内報における企業倫理の理解度クイズ回答欄の更なる工夫 |
W 重要課題対応 |
・ メリハリの利いた現場掲示
・ 安全改善活動の成果の協力会社との一層の共有化 |
5.相互評価報告書
相互評価報告書本文及び参考図は、こちらをご覧下さい。
●相互評価報告書本文(PDF形式:267KByte)
●参考図
6.その他
生活情報評論家である井上チイ子氏(社団 女性職能集団WARP理事長)のオブザーバー参加を実施。(オブザーバーのご意見・ご感想の取りまとめ結果は、別途NSネットのホームページにて公表しています。)
以 上
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*1良好事例
当該事業所の安全確保活動のうち、的確かつ効果的で独自性のある手法を取り入れている事例であって、NSネットの会員さらには原子力産業界に広く伝えたい、優れた事例を示したもの。
*2改善提案
原子力の安全性を最高水準へと目指す視点から、原子力産業界でのベストプラクティスに照らして、当該事業所の安全確保活動をさらに向上・改善させるための提案などを示したもの。そのため、現状の活動が原子力産業界の一般的な水準以上であっても、改善提案の対象として取り上げる場合がある。 |
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