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レーザー濃縮技術研究組合 東海濃縮実験所に対する
相互評価(ピアレビュー)報告書について

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2002年7月11日
N S ネ ッ ト

 2002年5月28日から30日にかけて、茨城県那珂郡東海村のレーザー濃縮技術研究組合 東海濃縮実験所に対して相互評価(ピアレビュー)を実施しましたが、7月11日にその結果を取りまとめた報告書をレーザー濃縮技術研究組合に提出いたしましたのでお知らせします。
 この結果については、全文をNSネットのホームページに公表しております。  
 その概要は以下のとおりです。


1.対象事業所(所在地)

 レーザー濃縮技術研究組合 東海濃縮実験所 (茨城県那珂郡東海村)

2.事業所の概要

 レーザー濃縮技術研究組合は、次世代のウラン濃縮法の一つとして注目される原子レーザー法ウラン濃縮技術 に係わる試験研究を行うことを目的として、電力9社、日本原子力発電株式会社、日本原燃株式会社並びに財団法人電力中央研究所により設立され、「鉱工業技術研究組合法 」に基づき、科学技術庁(現:文部科学省)、通商産業省(現:経済産業省)を主務官庁として1987年4月に法人として設立認可を受けた。
 レーザー濃縮技術研究組合東海濃縮実験所(以下「本実験所」という。)では、1987年度から1992年度までの6年間、原子レーザー法の技術的成立性の確認等を目的に、第一期研究開発として、年間1トンSWU 規模の装置開発を行い、各種機器運転特性試験及びウラン濃縮実証試験を実施している。この一連の試験により、エンジニアリングデータの収集、スケールアップに伴う技術開発課題の抽出を行っている。1993年度から1999年度までは、第二期研究開発としてそれまでの成果を踏まえ、商業機を目指した要素機器の開発を進め、商業規模の分離装置を用いた性能(蒸発)試験等を実施して、レーザー装置とともに所期の性能を有していることを確認している。さらに、要素機器である分離装置とレーザー装置を組み合わせた濃縮試験を本年3月に実施し、システム全体の性能を確認・評価しているところである。
 研究終了に伴い、今後は主に施設の解体・撤去及び発生した放射性固体廃棄物の保管管理業務を行っていくこととしている。


3.レビューチームの構成およびレビューの方法
 Aグループ
:北陸電力(株)、日本核燃料開発(株)、三井造船(株)
(レビュー分野:組織・運営、緊急時対策、教育・訓練)
 Bグループ
 
:北海道電力(株)、(株)日立製作所
(レビュー分野:運転・保守、放射線防護、重大事故防止)
 レビュー方法 :上記分野について、現場観察、関係者との面談および書類確認

レーザー濃縮技術研究組合 外観

現場観察(中央操作室)

4.レビュー結果
(1)主な結論
  • 今回のレーザー濃縮技術研究組合東海濃縮実験所に対するレビュー結果を総括すると、原子力安全の面で直ちに改善措置を施さなければ重大な事故の発生に繋がるような事項は見出されなかった。 本実験所においては、1987年4月の設置以来、15年間にわたり無事故・無災害を継続しており、この無事故・無災害を今後も継続すべく、安全確保に東海実験所長が率先垂範して取り組んでいる様子が確認できた。 「安全なくして開発なし」と「国際価格に比肩し得る濃縮役務費見通しの達成」を目標に常に新たな課題へ取り組み、高度先端技術の塊であるレーザー濃縮に携わることを誇りに、安全確保を最優先し、開発を推進してきた。また、コミュニケーションが取りやすい少人数の事業所の利点を生かして、所長自らの座右の銘である「和而不同(和して同ぜず) 」に沿って所長から担当者クラスまで活発な議論が行われ、目標が協力会社を含め職員全体に浸透していることが確認された。
  • 本実験所は、本年3月の濃縮実験終了という節目を迎えて、今後は設備の撤去工事と廃棄物の保管管理が主要業務となるが、これらの業務の遂行にあたってもこれまで通り安全確保を常に心がけ、なお一層の安全文化の醸成を目指してさらなる安全活動を継続し、無事故・無災害が続くことが望まれる。
(2)良好事例及び改善提案
 今回のレビューにおいて、NSネットの他の会員さらには原子力産業界に広く紹介されるべきいくつかの良好事例を見出した。一方、本事業所の安全文化をさらに向上させるためのいくつかの提案を行った。
 良好事例*1と改善提案*2 の一覧は次のとおり。

 ○「良好事例」

レビュー分野
良好事例の概要
T 組織・運営

・自主的に定めた『保安管理規程』による保安活動
延べ15年間の無事故・無災害の達成
濃縮試験におけるヒューマンエラー防止対策の積極的な採用

U 緊急時対策

・地元消防署との積極的な情報交換及び消防署員による講演会の実施

V 教育・訓練 ・資格取得の奨励と高い資格取得率
W 運転・保守 ・安全作業に係る文書類の体系的な制定・管理
・安全確保に留意したレーザー装置の保管措置
ウラン廃棄物の保管廃棄における工夫
X 放射線防護 ・等価線量のきめ細やかな管理
Y 重大事故防止

ウラン屑に対する多重の火災防止対策
・多種多様な安全パトロールによる防火点検の実施

注)太字は代表的な良好事例


 ○「改善提案」

レビュー分野
改善提案の概要
T 組織・運営 地元地域や一般へのタイムリーな情報発信
ヒヤリハットや他施設トラブル事例等の水平展開システムの創設
V 教育・訓練 JCO事故の教訓を踏まえた倫理教育等の教育カリキュラムへの追加
W 運転・保守 ・チェックリスト等を用いた確実なチェック
・規程類改訂時の所員への周知徹底の改善
X 放射線防護 ・被ばく線量測定器の着用徹底のための取り組み

5.相互評価報告書
  相互評価報告書本文及び参考図は、こちらをご覧下さい。
  ●相互評価報告書本文(PDF形式:257KByte)
  ●参考図

以 上


*1良好事例
 当該事業所の安全確保活動のうち、的確かつ効果的で独自性のある手法を取り入れている事例であって、NSネットの会員さらには原子力産業界に広く伝えたい、優れた事例を示したもの。
*2改善提案
 原子力の安全性を最高水準へと目指す視点から、原子力産業界でのベストプラクティスに照らして、当該事業所の安全確保活動をさらに向上・改善させるための提案などを示したもの。そのため、現状の活動が原子力産業界の一般的な水準以上であっても、改善提案の対象として取り上げる場合がある。
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