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(株) ジェー・シー・オー 東海事業所に対する
相互評価(ピアレビュー)報告書について

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2002年5月31日
N S ネ ッ ト

 2002年4月16日から19日にかけて、茨城県那珂郡東海村の(株) ジェー・シー・オー東海事業所に対して相互評価(ピアレビュー)を実施しましたが、5月31日にその結果を取りまとめた報告書を(株) ジェー・シー・オーに提出いたしましたのでお知らせします。
 この結果については、全文をNSネットのホームページに公表しております。  
 その概要は以下のとおりです。


1.対象事業所(所在地)

 (株)ジェー・シー・オー 東海事業所 (茨城県那珂郡東海村)

2.事業所の概要

 (株)ジェー・シー・オー 東海事業所(以下、「JCO」という。)は、1999年9月30日に発生した臨界事故により加工事業の許可が取り消され、2000年3月15日付の使用変更許可のもとで施設内のウラン約260トンの搬出を行った。搬出完了に伴い同年9月29日に使用量変更の届出及び使用の目的変更等の使用変更許可申請を行い、同年11月22日付で許可を取得した。その結果、現在JCOでは、主に以下の業務を行っている。
○施設の安全管理(非稼働機器の保管・管理を含む。)
○固体廃棄物の安全管理


3.レビューチームの構成およびレビューの方法
 Aグループ
:日本原燃(株)、東北電力(株)、(株)東芝
(レビュー分野:組織・運営、緊急時対策、教育・訓練)
 Bグループ
 
:九州電力(株)、日立造船(株)
(レビュー分野:運転・保守、放射線防護、重大事故防止)
 レビュー方法 :上記分野について、現場観察、関係者との面談および書類確認

JCO東海事業所 外観

現場観察(第2管理棟)

4.レビュー結果
(1)主な結論
  • 今回のJCOに対するレビュー結果を総括すると、原子力安全の面で直ちに改善措置を施さなければ重大な事故の発生に繋がるような事項は見出されなかった。 JCOにおいては、臨界事故後、2000年2月に安全確保を第一とした「企業行動計画」が設定・公表され、同年5月には組織改正と体制の刷新を行い事故後対応に専念できる体制となり現在に至っている。また、施設内のウランの搬出完了に伴い同年11月には使用が許可されている核燃料物質の全量を一箇所に集めたとしても臨界に達する可能性はない施設として、国の変更許可を取得している。 JCOでは、2000年5月に事故発生の当事者としての深い反省を踏まえて、「絶対安全、絶対無事故」、「基本を大切に、基本を守る」を「JCO行動指針」として掲げ、以後約2年にわたり、社長以下経営トップが率先垂範して、コンプライアンス(法令遵守) の所員への浸透、「報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)」の徹底などの種々の安全活動に工夫しながら取り組んできており、今回のレビューにおいては、これらの活動が着実に全所員に浸透しつつあることが確認された。 加えて、東海事業所長による朝礼時の安全講話・原子力安全クイズ・安全に関するパネルディスカッションなどの安全文化醸成活動、臨界安全に関する繰り返し教育・法令勉強会などの教育の充実、緊急召集・事故対策組織の立ち上げ・所外関係機関への通報・連絡等の緊急時訓練の強化など、新たな取り組みが展開されていることが確認された。 一方、JCOの企業活動が事故後対応に限定されていることに鑑み、上記活動の動機付けとして、「短期的目標の達成」の積み重ねによる「信用・信頼の回復」に向け取り組んでいることが確認された。
  • 今後、JCOは、現状の安全活動を確実に定着させるとともに、なお一層の安全文化の醸成を目指してさらなる自主努力を継続・強化することにより、原子力の信頼回復に繋がるよう努めていくことが望まれる。
(2)良好事例及び改善提案
 今回のレビューにおいて、NSネットの他の会員さらには原子力産業界に広く紹介されるべきいくつかの良好事例を見出した。一方、本事業所の安全文化をさらに向上させるためのいくつかの提案を行った。
 良好事例*1と改善提案*2 の一覧は次のとおり。

 ○「良好事例」

レビュー分野
良好事例の概要
T 組織・運営

安全監査結果等を踏まえたコンプライアンスに対する認識の強化
事業所トップの率先垂範による各種安全文化醸成活動の展開

W 運転・保守

「1人KYシート」や「安全カード」等による「JCO行動指針」の定着
・各規定に基づく選任者職務概要の作成とその有効活用
・地元の安心感醸成の視点に基づく廃棄物安全管理の強化

X 放射線防護 ・管理区域入域時の個人線量計着用徹底のための工夫
Y 重大事故防止

防火管理者を中心とした「防火管理委員会」による活発な防火管理施策展開

注)太字は代表的な良好事例


 ○「改善提案」

レビュー分野
改善提案の概要
T 組織・運営 トラブル事例の反映活動等の位置付けの明確化・文書化による一層の定着
V 教育・訓練 教育・訓練の体系化及び個人別履歴管理の確立
W 運転・保守 各作業現場への「作業手順書」等の配備
現場点検等記録類の位置付けの明確化

5.相互評価報告書
  相互評価報告書本文及び参考図は、こちらをご覧下さい。
  ●相互評価報告書本文(PDF形式:257KByte)
  ●参考図

以 上


*1良好事例
 当該事業所の安全確保活動のうち、的確かつ効果的で独自性のある手法を取り入れている事例であって、NSネットの会員さらには原子力産業界に広く伝えたい、優れた事例を示したもの。
*2改善提案
 原子力の安全性を最高水準へと目指す視点から、原子力産業界でのベストプラクティスに照らして、当該事業所の安全確保活動をさらに向上・改善させるための提案などを示したもの。そのため、現状の活動が原子力産業界の一般的な水準以上であっても、改善提案の対象として取り上げる場合がある。
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