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北陸電力(株)志賀原子力発電所に対する相互評価(ピアレビュー)について
2001年9月14日
N S ネ ッ ト

 2001年8月7日から10日にかけて、石川県羽咋郡志賀町の北陸電力(株)志賀原子力発電所において第15回の相互評価(ピアレビュー)を実施しました。
 その概要は以下のとおりです。

1.対象事業所およびレビューの概要
(1)対象事業所(所在地)
  北陸電力(株) 志賀原子力発電所 (石川県羽咋郡志賀町)
(2)事業所の概要およびレビュー対象施設

 本発電所は、日本海に面した能登半島のほぼ中央に位置し、敷地面積は約160万m2である。主要建物は地上の高さをできるだけ低くして環境との調和を図るとともに、取放水路は海底トンネルを採用し海岸保全を図っている。1995年度には、通産省のグッドデザイン施設に選定されており、1999年12月には、環境管理の国際規格であるISO14001の認証を取得している。また、1号機の北側に隣接して建設中の2号機は、2006年3月に営業運転を開始する予定である。
 今回のレビューは、運転中の1号機を対象として実施した。

[運転中]
号機
電気出力
(MW)
炉形式
営業運転
開始年月
運転実績(累計)(2001年3月末まで)
発電電力量
(億kWh)
設備利用率
(%)
540
BWR
1993年7月
302.7
83.4

[建設中]
号機
電気出力
(MW)
炉形式
営業運転
(開始年月)
着工年月
工事進捗率(%)
(2001年7月末まで)
1358
改良型
BWR
(2006年3月)
1999年8月
19.7
(3) レビューチームの構成およびレビューの方法
   Aグループ
:三菱マテリアル(株),日本原子力発電(株)
(レビュー分野:組織・運営、緊急時対策、教育・訓練)
 Bグループ
 
:関西電力(株),富士電機(株)
(レビュー分野:運転・保守)
 Cグループ :ニュークリア・デベロップメント(株)、NSネット事務局
(レビュー分野:放射線防護,重要課題対応)
レビュー方法:上記分野について、現場の観察・調査、関係者との面談および文書調査



志賀原子力発電所全景



現場観察


2.レビュー結果
(1)主な結論
  • 今回の北陸電力株式会社志賀原子力発電所に対するレビュー結果を総括すると、原子力安全の面で直ちに改善措置を施さなければ重大な事故の発生に繋がるような項目は見出されなかった。
  • 所長をはじめ全発電所員が協力会社も含め一体となって、原子力安全確保を継続・強化していくために真剣にかつ実直に取り組んでいる実態が確認された。
  • 本発電所は、1993年7月に営業運転を開始した比較的新しいプラントで、先行運転中の原子力発電所の経験を十分に取り入れ、地元に根付かせ「志賀の風土に育つ安全文化」として醸成し、原子力発電所の運転・保守の業務を遂行している。
  • 言葉では伝えにくい「安全」というキーワードを所内に浸透させるために、例えば日常パトロールにおいても1つ1つの計器の値を見落とさないなど日々の作業に密着したところで着実に業務が行われ、更には基盤となる社員倫理意識の維持向上のための取り組みを積極的に行っており、これは安全確保と品質保証を実証する「安全あっての原子力」という所長方針にも表れている。
  • 今後、本発電所は、現状に満足することなく、なお一層の安全文化の向上を目指してさらなる自主保安努力を継続していくことが望まれる。
  • 今回のレビューで得られた成果が、本発電所より、本発電所の協力会社に対しても展開されることが期待される。
(2)良好事例及び改善提案
  • 今回のレビューにおいて、NSネットの他の会員さらには原子力産業界に広く紹介されるべきいくつかの良好事例を見出した。一方、本発電所の安全文化をさらに向上させるためのいくつかの提案を行った。
  良好事例*1と改善提案*2 の一覧は次のとおり。


 
○「良好事例」(21件)

レビュー分野
良好事例の概要
T 組織・運営

SQUP委員会による総合的安全文化醸成活動の展開
・安全文化・モラルに関する充実した職場討議、研修の実施
・若年層を中心とした所員の自己啓発のための所内文庫(赤陽文庫)の設置
・地元に対する積極的な理解促進活動

U 緊急時対策 ・所外関係機関への緊急時・連絡に関する運用方法の確立
V 教育・訓練 ・発電所技術系社員のレベルに応じた教育
・若年層運転員教育を主眼とした運転経験ノウハウ集
W 運転・保守 ・運転員(当直)の各職位における確実な引継ぎ体制/仕組み
・運転員が当直勤務に入る前の入念な準備(事前チェック)の実施
・運転操作要領類における職位毎の処置内容明記による責任の明確化
運転パラメータ情報の調査検討処理用フォーマットの運用
・『工事要領書』審査のチェックポイントの活用
・「DRチェックシート」の活用による保守担当者に対するOJT実施
・原子炉容器廻り弁点検時の封水プラグ設置による被ばく低減対策
X 放射線防護 ・線量管理が確実に行われる仕組みの確立及び定着
・線量計測器不携帯の管理区域入口での確実な検知
・積極的な研究開発による濃縮廃液排出量の低減
放射性廃棄物低減化のための各種の工夫
Y 重大事故防止

・原子炉停止時の安全確保に対する体系立てた確実な取り組み
社内LAN上への「トラブル情報」データベースの設置
・効果的なヒューマンエラー防止対策の実施

 ○「改善提案」 (4件)

レビュー分野
改善提案の概要
T 組織・運営 「提言箱制度」の更なる促進
W 運転・保守 運転情報に関する電子化活用範囲の拡大
X 放射線防護 放射線管理に関する協力会社との情報交換の更なる推進
Y 重要課題対応 ・臨界安全に関する教育テキストの更なる充実


 注)太字は代表的な良好事例と改善提案

3.相互評価報告書
  相互評価報告書本文及び参考図は、こちらをご覧下さい。
  ●相互評価報告書本文(PDF形式:267KByte)
  ●参考図

以 上


*1良好事例
 当該事業所の安全確保活動のうち、的確かつ効果的で独自性のある手法を取り入れている事例であって、NSネットの会員さらには原子力産業界に広く伝えたい、優れた事例を示したもの。
*2改善提案
 原子力の安全性を最高水準へと目指す視点から、原子力産業界でのベストプラクティスに照らして、当該事業所の安全確保活動をさらに向上・改善させるための提案などを示したもの。そのため、現状の活動が原子力産業界の一般的な水準以上であっても、改善提案の対象として取り上げる場合がある。
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